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開発者は 2.0 Flash を活用して本番環境でのアプリ構築が可能に
Googleは2025年2月6日、Google AI Studio と Vertex AI の Gemini API を通じて、これまでに寄せられたフィードバックに基づき更新された Gemini 2.0 Flash の提供を開始したことを明らかにした。これにより、開発者は 2.0 Flash を活用して、本番環境でのアプリケーションを構築できるようになる。
本稿はその概要を同社ブログをベースにお伝えする。
今回は同時にコーディング性能と複雑なプロンプトに最適なモデルである Gemini 2.0 Pro の試験運用版も公開された。この試験運用版は、Google AI Studio と Vertex AI で利用できるほか、Gemini Advanced ユーザー向けの Gemini アプリでも利用が可能だ。
そして最もコスト効率の高いモデルである新しいモデル、Gemini 2.0 Flash-Lite を Google AI Studio と Vertex AI の一般ユーザー向けプレビューも公開。
2.0 Flash Thinking Experimentalは、デスクトップおよびモバイル版の Gemini アプリのモデルドロップダウンから選択できる。
これらのすべてのモデルは、リリース時にはテキスト出力によるマルチモーダル入力に対応し、今後数か月をかけてより多くのモダリティでも提供される予定だ。
詳細はこちらから(英文)。https://developers.googleblog.com/en/gemini-2-family-expands/
■2.0 Flash の一般提供に向けた新しいアップデート
I/O 2024 で初めて紹介された Flash シリーズのモデルは、強力な主力モデルとして広く開発者に活用されている。このモデルは、大規模で高頻度のタスクに最適であり、100 万トークンのコンテキスト ウィンドウによる膨大な情報量のマルチモーダル推論に特化している。
主要なベンチマークにおけるパフォーマンスが向上した 2.0 Flashは、Google の AI 製品を通じてより多くの用途に対応。画像生成とテキスト読み上げ機能も近日中に提供される予定だ。
Gemini 2.0 Flash は、Google AI Studio と Vertex AI の Gemini API で入手できる。詳細については、Google for Developers ブログと、Gemini および Gemini Advanced ユーザー向けの Gemini アプリで確認できる。
■2.0 Pro 試験運用版:過去最高のコーディング性能と複雑なプロンプトの処理能力
Gemini-Exp-1206 など Gemini 2.0 の初期の試験運用版を公開し続けてきた中で、同社によれば開発者からコーディングなどの強みや最適な使用事例について素晴らしいフィードバックが届いているという。
そういったフィードバックに応える Gemini 2.0 Pro の試験運用版の公開となった。このモデルは、これまでよりも優れたコーディング性能と複雑なプロンプトの処理能力を備えており、世界中の知識に関する理解と推論における性能が向上している。
200 万トークンというGoogleの中で過去最大のコンテキスト ウィンドウにより、膨大な量の情報を包括的に分析して理解できるほか、Google 検索やコード実行などのツールを呼び出す機能も備えている。
■2.0 Flash-Lite:これまでで最もコスト効率の高いモデル
今回公開された 2.0 Flash-Lite は、1.5 Flash と同じ速度とコストでより優れた性能を実現する新しいモデルだ。このモデルは、大部分のベンチマークで 1.5 Flash を上回る性能を示している。
2.0 Flash-Lite は、2.0 Flash と同様に 100 万トークンのコンテキスト ウィンドウとマルチモーダル入力を備えている。たとえば、Google AI Studio の有料プランでは、1 ドル未満で約 4 万枚の写真に対して 1 枚あたり 1 行の適切なキャプションを生成することができる。
■責任と安全性の取り組み
Gemini モデル ファミリーの能力の向上に伴い、Google は安全な利用を実現する強固な対策への投資を継続している。
たとえば、Gemini 2.0 シリーズは、Gemini 自体を使用して応答を批評する新しい強化学習技術を用いて構築されている。これにより、より正確で適格なフィードバックが得られ、結果として、機密性の高いプロンプトを処理する能力が向上した。
また、間接プロンプトインジェクション(AIシステムが取得する可能性のあるデータに攻撃者が悪意のある命令を隠すタイプのサイバーセキュリティ攻撃)を含む、安全性とセキュリティのリスクを評価するために、自動化されたレッドチームに手法を活用している。
関連情報
https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/gemini-20/
構成/清水眞希