D.R Pocketは、災害時の長期停電対策として、灯油を燃料とした灯油発電機を開発したと発表した。なお、これに伴い、2025年4月よりガソリン式発電機を灯油発電機にカスタマイズするサービスを開始する予定としている。
カセットガスで始動・暖機運転し、その後自動で灯油へ切り替わる「始動システム」を搭載!
今回D.R Pocketが発表したのは、カセットガスで始動・暖機運転し、その後自動で灯油へ切り替わる「始動システム」を備えた灯油発電機。灯油エンジンは始動が難しく、その課題を解決するため、この「始動システム」を考案したという。
そんな「始動システム」を備えた灯油発電機の魅力は、普段の生活にあるもので発電が可能なところ。必要なのは灯油・カセットボンベ・モバイルバッテリーの3つで、灯油は給湯や石油ストーブで使用しているものがそのまま使うことができ、カセットボンベはカセットコンロ用のガスボンベが使用可能。そして、モバイルバッテリーはスマホ充電用のもの(27W、9V/3A以上出力可能なもの)が利用できる。なお、モバイルバッテリーは、一般的にカセットボンベは5℃以下では使用できないため、寒冷時にのみカセットボンベを加温するために使用する。
また、燃料の大量備蓄が可能なのも利点だ。一般的にガソリンは40L以上の備蓄ができず、使い切るとガソリンスタンドへ補給に行く必要があるが、災害時はガソリンの入手が困難になる。その点、灯油発電機で使用する灯油は、一般家庭でもホームタンクなどに200Lまで備蓄できるので、長期間の停電時でも安心して電力を確保できる。
さらに、灯油は長期備蓄も可能。ガソリンは劣化しやすく、一般的な保管期間は1カ月~1年とされているため、せっかく備蓄していても、交換を忘れるといざというときに使えない可能性がある。防災用に長期保存可能な「ガソリンの缶詰」も販売されているが、非常に高額だ。一方、灯油は適切に保管すれば基本的に劣化せず、一度購入すれば長期間安心して備蓄できる。
このほか、特別な知識や技術は不要で、誰でも簡単に使用できるのも特徴。特に「暖機運転の時間」「ガス運転から灯油運転への切替」「寒冷時のカセットボンベの加温」といった面倒な操作はマイコンで自動化されているので、手間なくスムーズに発電するという。
関連情報
https://dr-pocket.net/kerosene-generator/
構成/立原尚子