オーストリア・キッツビュールで開催された2025年のワールドカップ・ウィークエンドにて、アウディは「Q6 e-tron」の魅力的なプロトタイプモデルを披露した。新開発のプロトタイプモデルである「Q6 e-tronオフロードコンセプト」は、総出力380kWを誇る2つの電動モーターを搭載し、新設計のポータルアクスルにより最大45度の勾配を登ることが可能となっている。
アイコニックなプロトタイプがPPEプラットフォームの可能性を披露
今回、デビューを果たした「Q6 e-tronオフロードコンセプト」は、革新的なオフロードセグメントでの可能性を示すモデルとなる。車高が160mm高く、トレッド幅が250mm広がったことで、その迫力ある外観を実現している。
初めての試乗を終えたAUDI AG CEO ゲルノート デルナー氏は、以下のように述べている。
「Q6 e-tronオフロードコンセプトはquattroの再解釈です。このモデルは、アウディの電気自動車プラットフォームがすでに持っている可能性を示し、新たな道を切り拓きます。この感動的なモデルに対するお客様の反応が楽しみです」
従来のポータルアクスルでは、車輪でのトルクを約20~30%向上させるのに対し、アウディの新しい設計では50%のトルク増加を実現している。その結果、車両の最高速度は、オフローダーとしては十分な速度である175km/hに抑えられているが、最大45度の勾配を登ることが可能となっている。
イノベーションは、常に正しい問いを立てることから始まる。Q6の場合、その問いは「感動を与える電気自動車をいかに作るか」だった。この問いから生まれた車両には、ゼロから新開発された4つのポータルアクスル(悪路走破性の向上を目的に最低地上高を上げ、かつトルクを増幅させる仕組み)が搭載されている。
このアクスルは、フロントおよびリヤの車輪ハブアセンブリーに統合されており、その結果、一部のサスペンションリンクが新設計されている。ポータルアクスルにより、すべての車輪の合計トルク(10秒間のピーク)は13,400Nmとなり、4,400Nmの増加を達成しました。これによりVorsprung durch Technik(技術による先進)をオンロードでもオフロードでも体感できる。
このコンセプトカーのベースとなった「Q6 e-tron」は、PPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)を基にした初めての量産モデルとなる。アウディのQ6シリーズは、電気自動車の新たな基準を示すモデルであり、優れた走行性能と充電性能だけでなく、一充電航続距離と効率の面でも新たなスタンダードを確立している。
構成/土屋嘉久