
iDeCoとは個人型確定拠出年金の愛称。〝もうひとつの年金〟とも呼ばれ、老後の資産形成に役立てる人が増えています。今回は、その基礎知識についてご紹介します。
目次
「資産形成」と聞いて、ピンとくる人はどれくらいいるでしょうか。
言葉は聞いたことがあっても、実際に着手していないという人も多くいるでしょう。「難しそう」「お金が無くなるかも?」と疑心暗鬼になっている人もいるかもしれません。
本記事では、数ある資産形成の方法の中でも、なにかと耳にする機会の多い、「iDeCo(以下イデコ)」についての概要や、メリット、始める際のポイントを紹介します。
イデコとは?
早速、イデコの概要について紹介していきましょう。
■イデコ(個人型確定拠出年金)は〝もうひとつの年金〟
イデコとは、「自分で決めた額(掛金)を積み立てて自分で運用し、資産を形成する年金制度」です。個人型確定拠出年金とも呼ばれます。
iDeCo公式サイトでは、〝もうひとつの年金〟と紹介されているように、老後に備え、今ある資金を掛け金として運用し、資産を作っていく仕組み。公的年金をカバーする仕組みと覚えておきましょう。
【参照】iDeCo(イデコ)の特徴
■iDeCo(イデコ)という、個人型確定拠出年金の愛称。英語の意味は?
イデコはiDeCoと呼ばれることもあります。individual-type Defined Contribution pension planの単語の一部から構成され、2016年8月1日から21日に愛称が募集され、応募総数4351件から選出され、2016年9月に発表された愛称です。
■何歳から何歳まで利用できる?
イデコは、基本的に20歳以上65歳未満の公的年金の被保険者が加入できます。ただし、農業者年金の被保険者や、国民年金の保険料納付を免除(一部免除を含む)されている方、老齢基礎年金、または特別支給の老齢厚生年金を繰り上げ受給している方など、加入できない場合もありますのでご注意下さい。
掛金は、65歳になるまで拠出可能となっており、60歳以降にイデコの老齢給付金を受け取れます。原則として、60歳になるまでは、資産を引き出せないので、注意が必要。また、イデコの老齢給付金を受給した場合は、掛金を拠出できなくなります。
■銀行や証券会社ら金融機関などで加入手続きをしよう
イデコに加入したい場合は、取扱の運営管理機関=銀行や証券会社など金融機関などで手続きします。
iDeCo公式サイトの運営管理機関一覧で調べると簡単です。
■手数料や運用商品はどうなっているの?
イデコの運用は、運営管理機関が扱う投資信託や保険商品、預貯金などの運用商品から、加入者など自身が商品を選んで運用します。
イデコは複数の運用商品を選ぶことも可能です。また、運用の途中で運用商品の変更もできます。
ただし、運用商品や手数料は、運営管理機関ごとに異なりますので、ホームページなどでご確認ください。
相場の変動などにより、イデコは元本割れのリスクがあります。開始に当たっては資産運用の基礎や、運用商品の仕組みを事前に知っておくことが大事です。
運用目標や年齢、収入、資産額などを考え、許容できるリスクの範囲を考えて、商品を決めていきましょう。
■掛金額はいくらから?
イデコを始める際には、まず自身に加入資格があるのかを確認しましょう。また、加入資格区分によっては、掛金の限度額が異なるので、上限額も併せてチェックしておくのがおすすめです。
加入資格と上限額の確認ができたら、掛金額を検討します。掛金は、月々5000円以上から1000円単位で設定できます。また、掛金額は1年に1回だけ変更できるので、自身の状況を鑑みて、掛金額を増減していきましょう。掛金の拠出は、いつでも止めることができます。
■限度額はいくら?
掛金には上限額が設定されています。加入者の属性によって上限額は異なります。
以下、2025年1月現在の上限額をご紹介します。
自営業者、個人事業主などの国民年金第1号被保険者・任意加入被保険者
月額6万8000円/年額81万6000円
国民年金第2号被保険者で企業年金などに加入していない会社員
月額2万3000円/年額27万6000円
国民年金第2号被保険者で企業年金などに加入している会社員
月額2万円/年額24万円
ただし、企業型DCの事業主掛金額と他制度ごとの掛金相当額の合計額が5万5000円の範囲内に限られます。
公務員
月額2万円/年額24万円
専業主婦(夫)の国民年金第3号被保険者
月額2万3000円/年額27万6000円
60歳以降も国民年金に加入している方など
60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合など、60歳以降も国民年金に加入している方などが対象です。
月額6万8000円/年額81万6000円
■イデコは節税になるの?税金まとめ
それでは、イデコの税制について簡単にまとめてみましょう。
拠出時
拠出する際は非課税です。
加入者が拠出した掛金については、小規模企業共済等掛金控除により全額所得控除されます。
また、iDeCo+(イデコプラス=中小事業主掛金納付制度)を利用して、事業主が拠出した掛金については、全額損金算入できます。
運用時
運用益については、運用中は非課税となります。
そして、積立金は、課税は現在停止されていますが、特別法人税課税となります。
給付時
年金として受給した場合は、公的年金等控除の対象です。
また、一時金として受給した場合、退職所得控除の対象となります。
イデコのメリットとデメリット
イデコのメリットとデメリットについて、ご紹介します
■メリット
イデコの大きなメリットは、掛金全額が所得控除の対象となる点。例えば、毎月の掛金が1万円の場合、所得税10%、住民税10%とすると、年間で約2万4000円の税金が軽減されます。
また、一般的に金融商品を運用する場合は、運用益に源泉分離税が20.315%課税されますが、イデコの場合は非課税で再投資できます。
積立金に対し年1.173%となる特別法人税は、現在、課税が停止されています。
受け取る際には、年金か一時金で選択も可能。金融機関によっては、年金と一時金の併用も可能です。
年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。
さらに、会社を退職して専業主婦(夫)になったり、自営業に変わった場合などでも、イデコの加入者として掛金を拠出して、資産運用を継続できるのも魅力です。(上限額の変更などはあります)
■デメリット
一方、デメリットとしては、原則60歳まで資産の引き出しができない点が挙げられるでしょう。貯金が苦手な人には便利ですが、手元に現金として残しておきたい人には、向かないかもしれません。
また、運用商品を自分で選択するという仕組み上、運用の結果によって受取額が変動します。時には、元本割れのリスクもあるでしょう。
【参照】iDeCo(イデコ)のメリット
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※データは2025年3月時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦