
成功者に共通する資質を子供の頃から育てる『Five Keys』の代表・井上顕滋氏によれば、ホンモノの自己肯定感を育むためには、「母性愛」と「父性愛」という異なる2つの愛情の存在が大事であるといいます。しかし、両方兼ね備えている親もいれば、どちらか一方に偏っている親もいます。前回(「優しさと厳しさを持つ親」と「優しいが厳しさのない親」の下で育てられた子どもの特徴と違い)に続き、全4パターンのうち、残り2パターンの親について、井上顕滋氏の著書『子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感』から抜粋して紹介します。
「優しさと厳しさを持つ親」と「優しいが厳しさのない親」の下で育てられた子どもの特徴と違い
成功者に共通する資質を子供の頃から育てる『Five Keys』の代表・井上顕滋氏によれば、ホンモノの自己肯定感を育むためには、「母性愛」と「父性愛」という異なる...
3.優しさはないが厳しい親
優しさはないが厳しい親というのは、親が子どもに一方的に指示や命令をして、有無を言わせず従わせるタイプです。このタイプの親には次のような特徴があります。
•厳しくて温かみがない
•厳格なルールを設けている
•説明なしに命令に従うことを子どもに期待する
母性愛が不足している親はこのタイプにあてはまることが多いです。しかし、母性愛が不足しているからといって必ずしもこのタイプになるわけではありません。子どもにきちんと説明することなく、親の命令に従うことを期待して、親が完全に子どもをコントロールしているかどうかもこのタイプかどうかを見極めるポイントとなります。このタイプの親のもとで育つ子どもは、お行儀は良いけれど自制心の発達が遅れます。 また、道徳的な判断力も劣るということが調査で明らかになっています。
お行儀が良くなるのは父性愛を注がれているからです。つまり、家庭内にルールがあって厳しく徹底されているからなのですが、その環境でなぜ自制心の発達が遅れるのかというと、親が子どもを完全に制御しているからです。自制心というのは、自分を制御する心のことです。このタイプは親が子どもを制御するので、 子ども自身は自分で自分を制御する訓練をすることなく育ってしまいます。そのため、自制心の発達が遅れるというわけです。
子どもを制御するために親が考え、子どもに情報をインプットしてロボットのように命令どおりに動かしていれば、親はストレスが少なくて済みます。だからといって、親が命令して子どもを動かすというやり方を続けていれば、子どもは自分で考えることをせず、自制心を身につけることもできません。さらには、自分で考える訓練をしていないため善悪の区別も甘く、道徳的な判断力も育ちません。
4.優しさも厳しさもない親
子どもに対して優しさもなければ厳しさもないというのは、子どもに無関心で育児放棄をしてしまうタイプです。無関心な親に育てられると、子どもは非行に走りやすくなり、放っておくと手がつけられないようなひどい荒れ方をします。親が自分に関心がない中で育つので極端な愛情不足の状態にあります。しかし、親が危機感を持ち覚悟を決めて母性愛をしっかり注げば改善することもあります。親は自分自身が、これまでご紹介した全4つのタイプのどれにあたるのか、子どもへの接し方を振り返って自己分析をしてみることが大切です。
文/井上顕滋
いのうえ・けんじ。1970年生まれ。2004年 Result Design株式会社を設立。最先端の心理学および脳科学を学び、それらを融合させることで人それぞれの持つ能力を最大限に引き出す、独自の能力開発メソッドを確立。3000社以上の企業で経営者・経営幹部への指導や研修のほか、エグゼクティブコーチ、メンタルトレーナーとしてオリンピック出場の日本代表選手や世界一に輝いたプロスポーツ選手のサポートも行っている。自らも経営者として30年以上の部下育成の経験を持つ。2011年に未来の成功者を育てるため、小学生を対象とする日本初の非認知能力専門塾Five Keysを設立。2015年には非営利型一般財団法人日本リーダー育成推進協会 (JLDA)を創設し代表理事に就任。現在は特別顧問。講座などを通じてこれまで指導した小学生の保護者は4万人を超える。
『子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感』
著:井上 顕滋
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