GMOクリエイターズネットワークは、同社が運営するフリーランスに特化した金融支援サービス「FREENANCE byGMO」のユーザーを対象に、2024年11月に施行された「フリーランス新法」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)による影響などについてアンケート調査を実施し、その結果を公表した。
内容を理解している人は31.8%、影響を実感している人は12.0%
フリーランス新法は、フリーランスが安心して働ける環境の整備などを目的とした新しい法律。本調査では、新法の理解度をはじめ、収入面や今後の目標など、2025年のフリーランスとしての働き方についても調査した。
【調査結果】
■フリーランス新法の理解度は約15ポイント向上
まずは、フリーランス新法の施行から約2カ月が経過(調査実施時点)した段階で、この新法について知っているか聞いた。その結果、「制度の内容も知っている」が31.8%、「名前を聞いたことはある」が48.7%となった。新法施行前の2024年9~10月に実施した調査では「制度の内容も知っている」という回答が17.0%だったことと比較すると約15ポイント向上している。
さらに、「制度の内容も知っている」と回答した人に対し、この新法がフリーランスの働き方に良い影響を与えると思うかを聞くと、「思う」「どちらかといえば思う」という回答の合計が77.5%となり、前回の調査と大きな差は生じない結果となった。
■約9割のフリーランスはフリーランス新法の影響を実感せず
次に、新法によって自身のフリーランスの業務に影響があったかを聞くと、「特に影響はない」が最多で88.0%となった。新法を理解するフリーランスは増えていても、発注する企業側の対応が限定的である可能性が考えられる。
また、「良い影響があった」「悪い影響があった」と回答した人にどのような変化があったか質問したところ、良い影響については「契約書の締結」「報酬の支払い期間」に関する回答があった。一方、悪い影響として、発注側の手続きが煩雑化することでフリーランスへの発注が減ることを懸念する声があがった。
<良い影響があった>
・クライアント側から契約書を交わすことを提案してくれた(30代/職種:カメラマン・映像クリエイター・イラストレーターなど)
・成果物を納品してから報酬が支払われるまでの期間が改善された(50代/職種:ライター)
・クライアント側が原因で生じた修正を有料にしてもらえた(50代/職種:カメラマン・映像クリエイター・イラストレーターなど)
<悪い影響があった>
・手続きの面倒さに相手側が(フリーランスへの発注を)敬遠しがち(30代/職種:カメラマン・映像クリエイター・イラストレーターなど)
・クライアントの事務手続きが増えたことで、小さな仕事も株式会社へ依頼するようになりフリーランスへ仕事が回らなくなってきた(40代/職種:広告・マーケティング)
■フリーランスの環境は改善傾向? 2024年は4割以上が収入増に
続いて、新法の施行などを受け、フリーランスを取り巻く環境は年々良くなっているか質問したところ、「変化がないと思う」という回答が約半数を占めた。なお、「良くなっていると思う」という回答は27.8%で、「悪くなっていると思う」という回答の22.5%を上回った。
さらに、この1年間(2024年)の収入は、昨年(2023年)と比較して変化があったか聞くと「増えた」「やや増えた」の合計が42.0 %となり「減った」「やや減った」の合計27.8%を上回った。
■2025年は「自由」よりも「収入」重視。物価高なども影響か
最後に、2025年の働き方の目標を聞いたところ、最も多かった回答は「収入を増やす」で63.8%となり、「より自由に働く」「新しい仕事に挑戦する」などの回答を上回った。フリーランス新法などを追い風に仕事を増やしたいという前向きな気持ちの人に加え、近年の物価高や生活コストの増加が収入への意識を高める一因と考えられる。
【調査概要】
調査テーマ:フリーランス新法や働き方等に関するアンケート
調査対象:「FREENANCE byGMO」に登録しているユーザー
調査期間:2024年12月25日(水)~2025年1月5日(日)
有効回答数:600件
調査方法:インターネットによる調査
調査機関:「FREENANCE byGMO」
構成/立原尚子