スポーツカーとしての魅力はワインディング
乗り心地は硬め。ゴツゴツ感はある。車速を高めていくと、上下動のキツさも伝わってくる。といっても、これはスポーツカー。室内のラグジュアリーな雰囲気で、つい高級なパッセンジャーカーと勘違いしてしまいそうになる。スポーツカーの「ヴァンテージ」としての魅力は、ワインディングだ。
マニュアルモードを選択し、5000回転まで回すだけで3速で車速は105km/hに達する。フレキシブルなエンジンのおかげで、ワインディングでは3速ホールドでスポーツドライビングができてしまう。タイトコーナーからの加速もストレスはない。
もちろん改良されたV8、4.0Lのツインターボは、レッドゾーン手前の6500回転までキッチリと回る。3000回転を超えてから高まるエキゾースト音と共に、エキサイティングな走りを楽しめる。パドルを駆使しての走りも痛快。「GT3」や「GT4」のレーシングカーのベースになるだけの素性の良さは十分に堪能できる。やや重めの踏力を要するブレーキも直線からコーナーへの減速を楽しめる。
個人的に「ヴァンテージ」が好きなのは、リアのラゲージスペースだ。「ヴァンテージ」のリアはハッチゲートを採用しているので、荷物の積み降ろしがラク。しかも、室内とも一体なので、ゴルフバッグを縦に積むことができる。一方で、座席の後ろには仕切り板が設けられ、これを立てておけば、アタッシュケースなどを置いておくこともできる。唯一の弱点はこのハッチゲートが重いことだけだ。アストンマーティンのスポーツカーで最も小柄なモデル。車両本体価格は2690万円~となっている。
■関連情報
https://www.astonmartin.com/ja/models/brochures/v12
文/石川真禧照 撮影/萩原文博