DIME MAGAZINE
YouTubeチャンネルの登録者数約70万人、4500人が相談の回答を待つ大人気僧侶・大愚和尚こと大愚元勝氏初の恋愛本『愚恋に説法』（小学館）が好評発売中！
2600年前の仏教の教えをヒントにして、現代人が抱える恋愛の悩みに対する処方箋や、愚かな感情に振り回されない心のあり方を指南しています。
＠DIMEでは、同書に収録しきれなかった恋愛相談を特別に公開中。今回のお悩みはこちら。
悩み：恋愛の傷はどうしたら癒えますか？
突然ですが、恋愛に傷ついた時どちらに行きたいと思いますか？
（1）恋愛成就寺や神社、パワースポット
（2）名もないような小さな神社やお寺
恋愛に悩んだ時、友達を誘って有名な恋愛成就寺やパワースポットに行かれる方は多いです。そこで、おみくじを引いたりして……。楽しい時間ですが、人によってはおみくじの内容を無理やり自分の恋愛にこじつけようとしたり、都合のいい答えがでるまで引こうとしたりすることがあります。もはや決断のアウトソーシング状態。こんなふうにのめり込んでしまうと、自分と向き合うことができなくなってしまいます。
一方で、静かで落ち着いた環境は自分で決断するための自問自答にピッタリ。だから私は、悩んだ時は名もなき小さな神社やお寺など、心が一度穏やかになれる場所へ行くことをおすすめしています。
■運命の人を決めるのは神様や仏様じゃなくて自分
恋愛がうまくいかず人生に迷った時は、人があまりいない神社やお寺に行ってみましょう。できれば、スマホを置いて。
そして神様や仏様に聞いてみてください。
「私はどうしたらいいですか？」と。
神様も、仏様も絶対に答えを言いません。そう、その瞬間にあなたは自分と対話をしているのです。
「私の恋、どう思いますか？このまま突き進むともっと傷つくことになりますか？」
この自問自答を、一人でやるのです。何度も何度も問いかけ、繰り返し同じ質問をしていく。すると、だんだん冷静になって理性が働いてきます。これが、決断をする上ですごく大きな助けになるのです。
恋愛がうまくいっている方は、理性を持って相手を見極めて、自分で選び、決断することができます。つまり、決断するために、冷静になって自問自答したい時、静かな神社やお寺はベストな場所なのです。
■冷静になれる場所を用意しておこう
ちなみに、全国にお寺や神社がどのくらいあるか知っていますか？
コンビニエンスストアよりも多い14万軒ほどです。都会でも田舎でも、どこにでもあります。
お寺に生まれた私も、小さい頃からお師匠さんにこう言われてきました。
「だんだん大きくなってくると、親や学校の先生が言うこと聞けん時もあるだろう。それから『自分はもう、死んでしまいたい』と思う時もあるだろう。けれども、そういう時はね、夜の街に出て行って鬱憤を晴らすのではなく、いいから黙って仏様の前に来て座れ」
さらに、こう続けました。
「お前が言いたいことがある時、親や友達はいろいろやかましいこと言いたくなる。でも、仏様は黙ってお前の言いたいことを何時間でも聞いてくださる。よそへ行って『あいつが悪い』って愚痴を言うくらいだったら、仏様の前で良いことも悪いことも全部吐き出せ」と。
人間は、そんなに強い生き物じゃありません。
私も「自分の理性で自分を律して！」なんてよくお伝えしていますが、わかっていても恋愛の渦中にいる時は難しい時もあると思います。
信仰心がある・なしに関係なく、どうしても行き場所がなくなった時に「こういうところに来ればいいんだよ」と、神社やお寺が存在してきたのだと思います。
もちろん神社やお寺じゃなくてもかまいません。自分の理性を働かせるためのきっかけとして、冷静になれる場所をひとつ持っておきましょう。
冷静になれる場所があると、しっかり考えて決断できるようになり、成長できます。そうなると、今度はだんだんと自信を持てるようになるのです。
逆に決断ができない人は、いつまでたっても自分に自信が持てません。親や友達に相談して「誰かの意見」に影響されてしまうと、最後は自分で決めたはずなのに、うまくいかなかったらその相談相手を責めることになり、ずっと恨んでしまうことすらあります。
これでは、成長の機会を失っているのと同じです。
落ち着いて自分の理性を働かせ、自分自身で「この恋を続けるべきか？」「自分にとっての幸せは？」などと考えてみてください。
すごく考えて決断した結果、失敗をすることもあるでしょう。それでもいいのです。
「私が決めた結果なら」とすべて自分の責任において実感し、反省をすることができる。こういう経験があると、次にもっと良い決断ができるようになっていきます。
だから、恋愛で傷ついた時こそ、次の一歩をどう踏み出すか、自分でしっかり考えて決めることが大事です。そのために心を落ち着かせる場所として、神社やお寺を頼ってみてください。
大愚和尚初となる恋愛攻略本
「愚恋に説法 恋の病に効く30の処方箋」
なぜ人は「愚かな恋」に振り回されるのか？その答えは、自分の命の運び方、つまりは「運命の操縦の仕方」を知らないから。叶わぬ片思いへの執着、恋人への依存、失恋への未練、パートナーの裏切りに対する嫉妬と怒り――。2600年前のブッダの教えで、人生を翻弄する愚かの恋の沼から抜け出す方法を説く新感覚の恋愛攻略本がついに誕生！
大愚元勝
佛心宗大叢山福厳寺住職。慈光マネジメント代表取締役。慈光グループ会長。佛心僧学院学長。僧名「大愚」は、大バカ者＝何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。 駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。 僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。
YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」
文／坂本実紀
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