首都圏では価格高騰が続いている新築マンション。こうした中、新築マンション購入を検討する人たちから特に熱視線を浴びている物件には、どんな共通点や特徴があるのだろうか?
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」はこのほど、同サイトに掲載された新築マンションのページビュー数と資料請求数から算出した「最新版!2024年 新築マンション人気ランキング」を発表した。
全国人気マンションTOP10は首都圏に集中
全国ランキングに入賞した10物件中、東京23区が6物件、神奈川県が2物件、埼玉県と千葉県が各1物件ランクインし、首都圏で分譲された新築マンションがTOP10を占める結果となった。上位3物件とも大規模&タワーマンション、周辺環境が充実しているといった特徴がある。
1位は三井不動産レジデンシャル株式会社が手がける「パークタワー渋谷笹塚」で、地上28階、総戸数659戸の渋谷区最大級のフラッグシップタワーレジデンスだ。「笹塚」は渋谷区でも注目を集めるエリアであることに加え、都心の主要ターミナルへの交通アクセスの良さはもちろん、必要なものが手に入る暮らしの自由を兼ね備えた生活環境がランキング1位獲得に繋がったと考えられる。
2位はNTT都市開発株式会社が主体となり手がけた全967邸・15階建てのスケールが魅力の「ウエリス八千代村上」。駅徒歩5分以内×大型ショッピングモール隣接といった条件でリセールバリューの良さも期待できること、さらに、周辺には教育施設や公園が充実しており、八千代市の子育て支援環境がファミリー層や共働き夫婦に支持されたと考えられる。
3位は三井不動産レジデンシャル株式会社の「HARUMI FLAG SKY DUO」がランクイン。「HARUMI FLAG(東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村跡地を再開発した街区)」の一環として開発され、敷地内にはファミリー層や共働き夫婦に嬉しい施設や公園、学校が併設されており、生活利便性が高い点や再開発エリアならではの将来性が評価されたと考えられる。
首都圏エリア別TOP5の結果
エリア別TOP5は以下のような結果となった。エリア別1位の物件の特徴として、周辺環境に商業施設や教育機関、医療機関が揃っている等が挙げられる。
■LIFULL HOME’S総研 副所長 / チーフアナリスト・中山登志朗氏の考察
全国版では東京都が6、神奈川県が2、埼玉県と千葉県が各1物件ランクインし、首都圏での新築マンション人気&ニーズの突出した高さが再認識される結果となりました。ランクインしたマンションには3つの特徴があります。
1つめの特徴は、大規模&タワーマンションであることです。「パークタワー渋谷笹塚」や「HARUMI FLAG SKY DUO」など、ランドマークになり得るタワー物件&周辺エリアの再開発を伴う“街ごと新築”大規模物件が5プロジェクトを占めており、商業施設や教育・託児・余暇施設などが揃う街の最初の住民として、新生活を始めることに大きな魅力を感じているユーザーが多いことがわかります。
2つめの特徴は、都心周辺の駅前&駅近物件であること。分譲価格未定を含め、いずれも高額での販売が想定されますが、交通利便性が極めて高く、周辺環境・施設もバランス良く揃っている物件は、資産性にも期待できることから不動の人気を誇ります。
3つ目の特徴は、郊外の価格訴求力が高い物件であること。資材価格、人件費、地価のトリプルコストプッシュで新築マンション価格は上昇し続けていますが、その中でも4,000万円前後で購入可能な物件が高い人気を得ています。
今後もこの3つのトレンドのいずれかに該当するプロジェクトに人気が集まるものと考えられますが、それに加え、2025年からは「住宅性能」の高さも注目される可能性があります。
<調査概要>
調査機関:株式会社LIFULL
集計期間:2024年1月1日~2024年12月15日
集計方法:LIFULL HOME’Sに掲載された新築マンションのページビュー数と資料請求数から算出
出典元:不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」調べ
構成/こじへい