三菱自動車のPHEVは、世界初のSUVタイプのPHEVとして、三菱自動車が世界に先駆けてEVをベースに開発したシステムだ。現在、マイナーチェンジを行ったばかりのアウトランダーをそのフラッグシップに、コンパクトクロスオーバーSUVとしてエクリプスクロスを用意している。
アウトランダーが今ではPHEV専用車であるのに対して、エクリプスクロスはPHEVとガソリン車を用意しているところが特徴でもある。
三菱エクリプスクロスPHEVモデル試乗記
エクリプスクロスの価格はPHEVが409.42万円~。ガソリン車が277.31万円~となっていて、その差額は約132万円となるのだが、PHEVモデルには国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金55万円があり、さらに自治体からの補助金を加えれば(東京都の場合45万円~)その差はグッと縮まるのである。
今回は、エクリプスクロスPHEVモデルの最上級グレードとなるPグレードを、真冬の東京~軽井沢間で試乗した。改めて、アウトランダーの弟分となるエクリプスクロスの概要を説明すると、4WDのみのPHEVと2WD/4WDを揃えるガソリン車が用意され、ボディサイズは全長4545×全幅1805×全高1685mm。ホイールベース2670mm。最低地上高180mm。
PHEVモデルのパワーユニットは2.4L 直4エンジン128ps、20.3kg-m。モーターF 82ps、14.0kg-m、R 95ps、19.9kg-m。駆動用バッテリー13.8kWh。つまり、ツインモーター4WDとなる。タイヤはガソリン車の16/18インチに対して225/55R18サイズを装着している(今回はスタッドレスタイヤを装着)。
最新のエクリプスクロスPHEVは装備の充実度も見逃せないポイント。2023年12月の商品改良ではマルチアラウンドモニター付きのスマートフォン連携ナビゲーション(8インチ)を全車に標準装備したほか、運転席&助手席シートヒーターに加え、Pグレード(とブラックエディション)では後席シートヒーターも完備。真冬の軽井沢へドライブするにも最適な仕様となっている。
改めて言うまでもないのだが、PHEVは、バッテリー残量が十分なときはモーターのみのEV走行を行い、バッテリー残量が少ないときや走行状態によってはエンジンとジェネレーターが走行をサポートする二刀流。EVとは違い、電欠の心配がなく、ガソリンが入っている限り走り続けることができるメリットを持っている。充電が可能であることはもちろん、いわば、ハイブリッドとEVの中間にある、そのいいとこどりをした電動車なのである。
エクリプスクロスはアウトランダー同様、悪路や雪道にも強い三菱自慢のS-AWD(スーパーオールホイールコントロール)を採用するクロスオーバーSUV。よって、ドライブモードとして経済的な運転が可能になるECO、デフォルトかつ万能なNORMAL、雪道用のSNOW、乾燥路の山道で威力を発揮するパワーと操縦性重視のTARMAC、そして高い走破性を誇るラフロード(悪路)向けのGRAVELモードの選択がスイッチひとつで可能になる。
また、電子パーキングブレーキとともに、オートブレーキホールド機能も備わるため、一時停止時にブレーキペダルを踏み続けなくて済み、信号待ちや渋滞時、料金所などで右足の負担から解放されるのがうれしい。