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中国のプレミアムEVブランド「ZEEKR(ジーカー)」が2025年、日本にやってくる。まだ無名に近いブランドだが、母体は吉利汽車(ジーリー)グループ。中国民営のカーメーカービッグ3のひとつで、トップがBYD、次いで吉利汽車と長城汽車である。吉利汽車グループはボルボ、ロータス、プロトン、ポールスター、smartなどを傘下に持ち、自社の量販ブランドにGeely Autoや、量販高級ブランドのLynk & Coがある。欧州ではよく見かけるブランドだ。日本進出を控えるZEEKR副社長マーズ・チェン氏に話を聞いた。
30か国以上からエンジニアが集結
「様々な車のモデルが販売される日本は、多様性を持った国です。きっとZEEKRにも興味を持ってもらえると期待しています。日本での成功は、品質の高さを証明したこととイコール。そのためには4つの大事なポイントがあります。インフラの整備や政府からの補助金、そしてユーザーの熱い情熱と良い製品の4つです」。
さらに「2022年のブラジルではEV販売台数は数百台でしたが、翌年に前年比700%の成長がありました。日本での可能性も充分にあると感じています」と語った。現状、日本での販売方法は直販スタイルではなく、フランチャイズ方式を想定。インポーターは情熱を持った企業に託す考えだ。
ZEEKRは中国の3か所に生産工場を持ち、グローバル企業へと成長を続けている。その工場では最新の技術を使い、ロボットによる自動化を進め、ギガキャストのシャシーに3 in 1のe-Axle、発火事故ゼロのバッテリー、レベル4を実現できるADAS技術などを市販車へ投入している。さらに日本のカーメーカーではまだ実現できない、4モーターのスポーツカーも市販しており、中国の若者の憧れの就職先になっているのだ。
また、スウェーデンやドイツをはじめ30か国以上からエンジニアが集結し、そのノウハウと技術を投入して車両が作られている。果たしてEV普及に多くの課題を抱える日本でも受け入れられるのだろうか。
中国・吉利汽車のプレミアムブランドEV「ZEEKR」が2025年に日本に上陸、勝算は?
2025年中国のプレミアムブランドZEEKR(ジーカー)が日本に上陸する。日本ではほぼ無名のZEEKRは吉利汽車グループのプレミアムEVブランドである。中国車を...
【DIMEの読み】
従量制ではなく時間制の急速充電まわりはネック。ジーリー独自の充電性能を活かすには、日本主流の急速充電規格「CHAdeMO」が出力kWを早急にアップデートする必要があるだろう。
1年あまりで海外展開は驚異の30か国!満を持して日本に進出するのは2モデル予定
日本投入が予定されているのは、「ZEEKR 009」と「ZEEKR X」。どちらもボルボと共通のアーキテクチャーを採用しているが、デザインは全く異なる。「ZEEKR 009」は「ボルボEM90」と共通でトヨタ「アルファード」に対抗するEVの高級ミニバン。「ZEEKR X」は「ボルボEX30」と共通のCセグメントサイズで高級コンパクトSUVだ。
日本のEV普及率とEVの新車販売台数の推移(普通乗用車カテゴリ)
(出典)日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数(乗用車)」より編集部作成
日本の2024年EV販売台数は鈍化傾向だ。部品不足による供給不足や、一部補助金の終了などの影響が大きい。部品不足は解消しつつあるが、補助金は今後の外せないキーになるだろう。
取材・文/高橋アキラ