近ごろ「人間関係リセット症候群」という言葉をよく耳にするようになった。読んで字の如しで、友人や知人との関係を断ち切ることが癖になっていることを指すが、実際のところ、人間関係のリセット経験がある人はどれくらいいるのだろうか?
クロス・マーケティングはこのほど、全国47都道府県に在住する20~79歳の男女2,400人を対象に「人間関係リセット経験」などに関する実態調査を実施し、その結果を発表した。
「人間関係をリセットした」経験を持つ人は38%
人間関係リセット経験の有無について調べたところ、過去に「人間関係をリセットした」経験を持つ人は38%に上り、特に女性は44%と高い傾向にあることがわかった。また、今後、人間関係をリセットしたい人がいる割合は24%となり、こちらも男性より女性のほうが高かった。年代別でみると、リセット意向が最も低いのは70代の16%となった。 <図1>
人間関係の重視度を調べたところ、人間関係を「とても重視している」が23%、「やや重視している」が41%となり、合わせて64%が人間関係を重視していることがわかった。なお年代別でみると、人間関係を重視している人の割合は、2021年から年々減少傾向にあることも判明した。年代別でみると、 60~70代の重視度が7割を超えて高い一方、30代は55%と最も低い結果となった。<図2>
リセットした人との間柄、「友人・知人」が60%で最多に
人間関係をリセットした人との間柄を調べたところ、「友人・知人」が最も多く60%となり、以下「職場の人」が28%、「同級生・学生時代の先輩・後輩」が26%、「恋人・パートナー(配偶者)」が11%と続いた。また、「友人・知人」との関係をリセットした人の割合は女性20代が71%、「職場の人」との関係をリセットした人の割合は男性70代が45%、女性50代で44%と、それぞれ高い傾向にあることがわかった。<図3>
リセットしたきっかけは、友人・知人は「面倒/うっとうしい/嫌になった」「性格や価値観、考え方が合わない」、職場は「面倒になった」「パワハラ/いじめ/いやがらせにあった」、家族・親戚関係では「金銭問題」「遺産相続トラブル」という声が聞かれた。<図4>
人間関係のリセット方法について調べたところ、「一時的に音信不通になる」と「電話帳の連絡先を消す」という回答がともに28%と最も多く、次いで「はがきでの連絡をやめる」(22%)という結果になった。年代別でみると、20~30代は、LINEを含むSNSでのリセットの高さが目立つ。他方70代は「はがきでの連絡をやめる」に加え、「今後連絡をしないと口頭や電話で伝える」という直接相手に伝えるケースも高かった。<図5>
友人の平均人数は7.0人。一方、親友は?
友人・親友の有無と平均人数を調べたところ、友人がいると回答した人は68%で、平均人数は7.0人という結果になった。一方、親友がいる人は45%と半数を下回り、平均人数は2.6人。年代別でみると、70代の友人、親友がいる割合が高い傾向にあることが見て取れた。
年賀状の送付状況について調べたところ、「年賀状を送った・送る予定」の人は33%で、年代が上がるほど「送った・送る予定」の人は多くなる傾向にあった。過去も含め「年賀状じまいをした」人は62%と、昨年より9.3ptもの上昇。2024年10月よりはがきが22円アップの85円となったことが響いていると推察される。<図7>
<調査概要>
調査手法 :インターネットリサーチ
調査地域 :全国47都道府県
調査対象 :2025年・2024年:20~79歳の男女
2023年・2021年:20~69歳の男女
調査期間 :2025年:1月1日(水)
2024年:1月1日(月)
2023年:1月1日(日)
2021年:12月22日(水)
有効回答数:2025年・2024年:本調査2,400サンプル
2023年・2021年:本調査1,000サンプル
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合がある
構成/こじへい