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「添削」と「校正」「推敲」の違いとは?

2025.03.12

『添削』は、文章力の向上に欠かせません。その重要性を認識しているものの、実際にどのように行うべきか悩む人も多いのではないでしょうか?添削の目的や手順を解説します。

『添削(てんさく)』は、文章を改善するために行う作業の一つです。教育現場や業務においては、特に重要な役割を果たしています。言葉の意味を正しく理解して、ビジネスシーンで役立てましょう。

添削とは何か

まずは、添削の意味と役割を理解しましょう。

■添削の意味と役割

添削とは、他者が書いた文章や答案などに対して、語句の追加・削除・表現の修正を行うことです。

添削の『添』には、添える・付け加える、『削』には、削る・減らす・削ぐという意味があります。英語では『correction』と表現されることも覚えておきましょう。

学校では、教師が生徒の作文を添削するのが一般的です。ビジネスシーンでも、レポートや提案書、ビジネスメールの添削が行われるケースが少なくありません。

添削は単なる修正作業ではなく、文章の本質的な改善を目指す重要なプロセスと考えられています。

■添削が文章力に与える効果

添削が、文章力に与える効果は絶大です。まず、自身の文章の癖や弱点を、客観的に認識できるようになるのがメリットです。そのほかにも、以下のような効果が期待できます。

  • 同じ間違いを繰り返すことが少なくなる
  • より適切な語彙を選べるようになり、文章の説得力が増す
  • 読み手の視点に立って文章を見直す習慣が身に付く
  • 新たな表現方法や論理展開の技術が学べる

このように、添削は文章力向上の強力なツールとして機能します。プロから定期的な添削指導を受ければ、論理的思考力や表現力の向上にもつながるでしょう。

■添削手順と注意点

自分がレポートや提案書を添削する立場になった場合、どのような手順で添削を行えばよいのでしょうか?

まずは文章全体を通読し、構成や論理展開を確認します。細部の表現や文法を精査し、改善点をピックアップしましょう。最後に文章の目的や対象読者を考慮した上で、全体的な印象を評価します。

添削では、自分の主観や好みを押し付けず、文章の本質を損なわないよう配慮することが重要です。追加・削除・修正を行った理由を明確にし、書き手の理解と成長を促すことも欠かせません。

添削は、単なる誤りの指摘ではなく、文章力向上を支援するプロセスです。建設的なフィードバックを心掛け、書き手のモチベーションを維持しながら、より良い文章作成をサポートしましょう。

添削と混同しやすい表現

作文

(出典) pixta.jp

添削と似た概念には、『校正(こうせい)』と『推敲(すいこう)』があります。これらは目的や作業内容などが微妙に異なるため、混同しないように注意が必要です。

■校正

校正とは、文章や原稿の誤りを正す作業を指します。主な目的は、『出版物の表記の正確性』を確認することで、誤字脱字や体裁の誤りをメインに修正します。基本的に文章内容そのものには手を加えず、あくまで表記の正しさを保証するための作業と捉えましょう。

通常、校正は編集者や校正者といった第三者が担当します。これは、客観的な視点から誤りを発見しやすいためです。大手出版社などでは、校正専門の部署が設置されているケースもあります。

なお、校正と混同されやすい『校閲(こうえつ)』は、内容が事実と相違ないかを確かめ、誤りを正したり不足を補ったりする作業を指します。

■推敲

推敲は、自分の書いた文章を何度も読み返し、より良い表現に磨き上げる作業です。唐の詩人・賈島(かとう)が句の言い回しを『推す』と『敲く』のどちらにすべきかで迷い、詩人・韓愈(かんゆ)に相談して決めたことに由来します。

推敲は添削や校正と違い、自分で自分の文章を練り直します。具体的には、無駄な表現の削除や適切な語句への置き換え、文章の順序の入れ替えなどを行います。

また、校正は誤字脱字の修正に重点が置かれますが、推敲は文章の内容や構成、論理性を向上させることが目的です。

デジタル時代の添削

タイピング

(出典) pixta.jp

デジタル技術の進歩により、添削の方法も大きく変化しています。従来の手書きによる添削から、デジタルツールやAIを活用した新しい手法が登場し、効率性と精度が向上しています。

■デジタルツールで作業がスピーディーに

添削・校正が行えるデジタルツールは、文章の品質向上と作業効率化を実現する強力なアシスタントです。

誤字脱字や漢字の開き・閉じ、冗長な表現のチェックといった校正作業をサポートするものが中心で、大量の文章をスピーディーに修正しなければならない場面で威力を発揮します。

画面データに手書きで赤入れができたり、文章を音声で読み上げたりと、紙での添削・校正にはない便利さがあります。

ただし、これらのツールは添削・校正作業をサポートするものにすぎません。最終的な調整は、人の目で行う必要があります。

■AIを活用した添削の可能性

AIを活用した添削は、文章作成の効率と質を大きく向上させる可能性を秘めています。AIは膨大な量の文章データを学習し、文法的な誤りや表現の改善点を瞬時に指摘できるのが特徴です。

一貫性のある文体や適切な用語の選択についても的確なアドバイスを提供できるようになってきており、語彙力が乏しい人でもハイクオリティーなビジネスレポートが仕上げられます。

しかし、AI添削には限界があるのが現状です。文脈や意図の理解、創造性を要する表現の改善は、まだ人間の能力に及びません。文章をアップロードして添削を行うため、内容が第三者に漏れる恐れもあります。

添削は文章力の向上に不可欠

作文のイメージ

(出典) pixta.jp

添削は、文章や作品を改善するための作業です。単なる誤字脱字の修正にとどまらず、内容や構成の改善も含みます。文章力の向上や業務の質の改善につながるほか、添削スキルを磨くことで、より良い成果物の創出が可能になるでしょう。

デジタル時代の到来により、近年はオンラインツールやAIの活用による添削も行われています。デジタルツールを活用すると、効率的に添削作業を進められますが、機械的な修正に頼りすぎず、人間ならではの洞察力や表現を生かすことが大切です。

構成/編集部

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