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少子化による〝大学全入時代〟でも高校1年から早めの受験対策が一般化

2025.01.27

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を展開する株式会社TimeTreeの社内研究所『TimeTree未来総合研究所』から、TimeTreeユーザーの予定動向をまとめた「未来データレポート」の2025年1月版が公開された。

1月は17・18日に共通テスト、下旬からは私大入試と2月からの国公立二次試験が控えるなど、まさに大学受験シーズン。そこで今回の未来データレポートでは、大学受験に関連した高校生の予定データを分析することで、近年の大学受験の実情を明らかにしている。

早めの受験対策が常識化、「オープンキャンパス」関連予定も右肩上がりに

少子化の影響で「大学全入時代」が到来すると、かなり以前から指摘されてきた。実際、文部科学省の調査(※1)によると、昨年行われた大学入試では大学入学者の総計が募集定員の総計を下回ったとされる。
※1 文部科学省「令和6年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況」

しかし、今の高校3年生が1年生だった2022年度からの「塾」に関連する予定登録状況を集計してみると、登録予定1万件あたりの「塾」関連予定の出現数は2022年度から2024年度まで変わらず、高校1年時点から高校3年の8割近い「塾」関連予定が登録されていることがわかった。

今後大学全入時代が到来しても、塾に通ってでも入学したい入試難易度の高い大学については、早めからの受験対策が行なわれると想定できる。

また、大学受験までに多くの人が登録する「オープンキャンパス」の予定についても、直近3年の高校1~3年生の予定登録状況を比較してみると、高校3年生は一定の高い水準で推移し続けていた。

これに対し、高校1・2年生は、右肩上がりに予定数を増やし続け、特に高校2年生のオープンキャンパス予定については高校3年生に迫る水準に達していることがわかった。

高校1・2年生はコロナ禍でオープンキャンパスの予定が一度激減したものの、近年は総合型選抜や推薦入試の出願条件にオープンキャンパスへの参加を義務付けている大学もあり、早めの入試対策の一環としてオープンキャンパスの予定数が増加していることが考えられる。

■お金のやりくりでも受験生は奮闘、「奨学金」関連予定は5年で58.2%増

続いて勉強以外で多くの受験生が抱えがちな「お金」の悩みに関連した予定として、「奨学金」の関連予定についても分析した。

近年学生の半数以上が「奨学金」を受給している(※2)と言われているが、直近5年間の高校3年生の予定を調べてみたところ、年々「奨学金」を含む予定の登録数が増加していることが明らかになった。
※2 日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査」

これに加え、授業料に大きな違いのある国公立大学と私立大学に関する予定動向を見るために、旧帝大と言われる国立大学と主要な私立大学の大学名の登録予定数を分析すると、ここ5年で国立大学の予定数には変化の傾向は見られないのに対し、私立大学の予定数は右肩上がりに増えていることが判明した。

「奨学金」予定数が増加している背景には近年の物価高による影響など、さまざまな要因が考えられるが、こうした私立大学受験に関する近年の動向も「奨学金」予定が増加している一因かもしれない。

現在国立大学の授業料値上げなども議論されていることを踏まえると、今後「奨学金」関連の予定はさらに増えていくことが予想できる。

<分析データについて>
・2020年1月1日~2024年12月31日の期間に、高校1~3年生だったユーザーによって作成されたデータを対象として分析
・分析に使用したデータは匿名性を保つために統計的に処理

関連情報
https://timetreeapp.com/

構成/清水眞希

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