小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

今すぐできる!がんの進行や死亡リスクを低下させる定期的な行動とは?

2025.02.01

がんと診断される前に定期的に運動していた人は、がんの進行や死亡のリスクが低いという研究結果が報告されました。週に60分以上の運動で、がんの進行リスクは27%、死亡リスクは47%も低下したそうです。

運動はがん予防だけでなく、がんと診断された後の予後にも良い影響を与える可能性があります。

がん診断前の定期的な身体活動はがんの進行や死亡リスクを低下させる?

がんと診断される前に運動を定期的に行っていた人では、がんとの闘いに成功する可能性が高まるようだ。がんの診断前に、たとえ低水準でも身体活動を行っていた人では、がんの進行リスクや全死亡リスクが低下する可能性のあることが明らかになった。ウィットウォーターズランド大学(南アフリカ)のJon Patricios氏らによるこの研究結果は、「British Journal of Sports Medicine」に1月7日掲載された。

研究グループによると、運動ががんによる死亡のリスク低下に重要な役割を果たしていることに関しては説得力のあるエビデンスがあるものの、がんの進行に対する影響については決定的なエビデンスがない。

この点を明らかにするためにPatricios氏らは今回、南アフリカで最大の医療保険制度であるDHMS(Discovery Health Medical Scheme)のデータを用いて、2007年から2022年の間にステージ1のがんと診断された患者2万8,248人を対象に、がんの進行および全死亡と診断前の身体活動との関連を検討した。がん種で最も多かったのは乳がん(22.5%)と前立腺がん(21.4%)であった。フィットネスデバイスのデータやジムでの運動記録などから、がんの診断前12カ月間の対象者の身体活動レベルを調べ、身体活動なし(62%)、低水準の身体活動量(中強度以上の身体活動を週平均60分未満、13%)、中~高水準の身体活動量(中強度以上の身体活動を週平均60分以上、25%)の3群に分類した。

解析の結果、中~高水準の身体活動量の群では、がんの進行率と全死亡率の低いことが明らかになった。がん進行のリスクは、身体活動なしの群と比べて、低水準の身体活動量の群では16%(ハザード比0.84、95%信頼区間0.79~0.89)、中~高水準の身体活動量の群では27%(同0.73、0.70~0.77)、全死亡リスクはそれぞれ33%(同0.67、0.61~0.74)と47%(同0.53、0.50~0.58)低かった。

診断から2年後にがんの進行が認められなかった対象者の割合は、身体活動なしの群で74%、低水準の身体活動量の群で78%、中~高水準の身体活動量の群で80%であった。同割合は、3年後ではそれぞれ71%、75%、78%、5年後では66%、70%、73%であった。全死亡についても同様のパターンが認められ、2年後に生存していた対象者の割合は、91%、94%、95%、3年後では88%、92%、94%、5年後では84%、90%、91%であった。

Patricios氏らは、「身体活動は、がんと診断された人に対して、がんの進行と全死亡の観点で大きなベネフィットをもたらすと考えられる」と結論付けている。また、研究グループは、身体活動には自然免疫力を強化して、体ががんと闘う準備を整える効果があるのではないかと推測している。身体活動はまた、体内のエストロゲンとテストステロンのバランスやレベルの調整を改善することで、乳がんや前立腺がんなどのホルモンが原因のがんの進行リスクを低下させる可能性も考えられるという。

本研究結果に基づき研究グループは、「がんが依然として公衆衛生上の重大な課題である現状を踏まえると、身体活動の促進は、がんの進行だけでなく、その予防と管理においても重要なベネフィットをもたらす可能性がある」と指摘。「公衆衛生ガイドラインは、がんを予防するだけでなく、がんの進行リスクを軽減するためにも身体活動の実施を奨励すべきだ」と提言している。(HealthDay News 2025年1月9日)

https://www.healthday.com/health-news/exercise-and-fitness/exercise-prior-to-cancer-diagnosis-may-help-slow-disease-progression

Copyright (C) 2025 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://bjsm.bmj.com/content/early/2025/01/02/bjsports-2024-108813

Press Release
https://bmjgroup.com/regular-physical-activity-before-cancer-diagnosis-may-lower-progression-and-death-risks/

https://www.wits.ac.za/news/latest-news/research-news/2025/2025-01/regular-physical-activity-before-cancer-diagnosis-may-lower-progression-and-death-risks.html

構成/DIME編集部

がんの死亡を回避するには「予防」と「治療」どっちが重要か

一部の主要ながんによる死亡回避、予防が治療を上回る 「1オンスの予防は1ポンドの治療に値する」は、米国の建国の父ベンジャミン・フランクリンの有名な格言の一つだが...

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年12月16日(月) 発売

DIME最新号は、「大谷翔平研究!」。今年を象徴するDIMEトレンド大賞の発表や、Aぇ!group、こっちのけんと他豪華インタビューも満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。