oricon MEは、2025年1月6日に公開した「2025年 オリコン顧客満足度調査『ネット証券』ランキング」の2024年調査対象者4,978名に別途聴取し集計した「新NISA 利用実態データ」を発表した。
同レポートは、1月6日に発表した「2025年 オリコン顧客満足度調査『ネット証券』ランキング」の2024年調査対象者に別途聴取したデータをまとめたもの。なお、調査対象者は、過去1年以内に年1回以上、金融庁認可のネット証券やWeb取引サービスを提供する証券会社にて、インターネット経由で投資商品のいずれかを運用し取引を行なっている全国18~84歳までの実際の利用者4,978名となる。
【調査結果】
・新NISAの運用状況
まず、今回の調査対象者のネット証券利用者4,978人に「新NISAの運用状況」について聴取したところ、【成長投資枠】の合計(※1)は65.9%、【つみたて投資枠】の合計(※2)は45.4%となり、年代別では、【成長投資枠】【つみたて投資枠】ともに30代の「運用している」の合計が72.7%と69.6%で最も多いことがわかった。
また、【成長投資枠】では80代をのぞいてすべての年代において6割以上が「運用している」と回答したほか、10・20代は64.6%と60代以降の運用割合を上回った。一方、【つみたて投資枠】では40代までは6割以上が「運用している」と回答し、50代以降は半数以下となった。
※ 【成長投資枠】の計65.9%=「最もよくネット取引をしている証券会社でNISA口座を開設し、運用している」の57.4%と、「メインのネット証券以外の金融機関でNISA口座を開設し、運用している」の8.5%の合計。
※ 【つみたて投資枠】の計45.4%=「最もよくネット取引をしている証券会社でNISA口座を開設し、運用している」の38.4%と、「メインのネット証券以外の金融機関でNISA口座を開設し、運用している」の7.0%の合計。
・投資額の利用状況
続いて、調査時点での「投資額の利用状況」について聞いたところ、【成長投資枠】を運用中の利用者3,279人の年間投資額の想定は「220万円以上240万円未満」が21.2%で最も多く、次いで「1万円以上20万円未満」が11.0%、「100万円以上120万円未満」が10.9%という結果に。
一方、【つみたて投資枠】を運用中の利用者2,256人の月平均投資額では、「9万円以上10万円未満」が24.4%と最も多く、次いで「1万円以上2万円未満」が11.6%、「3万円以上4万円未満」が9.4%と続いた。なお、どちらも新NISAの年間投資上限額(※)で運用している人の割合が多い傾向となった。
※ 成長投資枠の年間投資上限額は240万円、つみたて投資枠の年間投資上限額は120万円。
・NISA口座を開設していない理由
さらに、調査対象者4,978人のうち、「NISA口座は開設していない」と回答したネット証券利用者1,169人に「NISA口座を開設していない理由」について質問したところ、41.4%が「特に理由はない」と回答。次いで、「NISAの制度についてよくわからないから」が19.0%、「通常取引とNISA取引の二重管理が面倒だから」が14.5%、「開設手続きが面倒だから」が13.4%と続いた。
・現状の増減益
次に、「運用を開始してから現状までの投資実績(増減益)」について尋ねたところ、【成長投資枠】では合計で47.1%が増益、14.6%が減益となった。なお、「特に変動はない」が16.1%で最も多く、次いで「5%以上~10%未満の増益」が14.9%と続いた。
年代別で見ると、【成長投資額】では「30代」は「1%~5%未満の増益」「5%以上~10%未満の増益」が最も多く、40代では「5%以上~10%未満の増益」が最も多い結果となった。
一方、【つみたて投資枠】では合計で50.0%が増益、11.8%が減益。最も多いのは「1%~5%未満の増益」で22.1%、次いで「特に変動はない」が15.6%と続いた。年代別では、10・20代~70代までの年代で「1%~5%未満の増益」が最も多くなった。
・2025年以降の継続意向とその理由
最後に、「現在の新NISA枠の運用を来年以降も継続したいかどうか」を聴取したところ、【成長投資枠】の3,279人の利用者では合計で88.5%が「継続したい」と回答。また【つみたて投資枠】の2,256人の利用者では合計で88.2%が「継続したい」と回答し、どちらの投資枠においても高い継続意向の割合となった。
なお、【成長投資枠】の継続理由については、「実際に利益が出たからもっと資産を増やしたい(30代・女性)」「8月の暴落で含み損を抱えているのと、枠内で売買したりして投資を楽しみたい(40代・男性)」「試しにやってみる程度で始めたが、少し増益したのでしばらく継続して様子を見たいから(50代・女性)」「目先の損益に拘らず継続してこそ意味のある制度と理解しているから(60代・男性)」といった声があがった。
一方、【つみたて投資枠】の継続理由には、「難しいけれど長期的には損はしないと考えているから(30代・男性)」「現在(投資について)勉強中のため、これからが本番だと思っているから(40代・男性)」「S&P500に継続して積み立てたいから(50代・男性)」「クレカ積立を利用してポイントを貯め、そのポイント分で成長投資枠に投資して運用できる(60代・男性)」「非課税メリットを使って資産形成したい(60代・男性)」などの声がよせられた。
【調査概要】
・サンプル数:4,978人
・調査主体:oricon ME
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2024/09/04~2024/09/13
・定義:投資商品を取り扱っており、以下いずれかの条件を満たしている証券会社
1)Web経由での投資や取引を中心とするネット証券
2)ネット証券以外の証券会社が提供するWeb取引サービス
3)金融庁の認可を受けているサービス
・調査対象者:性別 指定なし/年齢 18~84歳/地域 全国
条件:証券会社で現在投資商品を運用しており、以下すべての条件を満たす人
1)インターネット経由で行っている人
2)過去1年以内に年1回以上取引をした人
3)主に、国内株式、外国株式、投資信託、債券、先物・オプションのいずれかの投資商品を取引している人。ただし、運用商品数は問わない
関連情報
https://life.oricon.co.jp/
構成/立原尚子