KDDIとワイヤ・アンド・ワイヤレス(以下Wi2)は2025年1月22日から、高速・低遅延の衛星ブロードバンドStarlinkを活用した、乗船者向けの船上Wi-Fiサービス「フェリーWi-Fi」の提供を開始した。
衛星ブロードバンドStarlinkによる乗船者向けの船上Wi-Fiサービス
このサービスにより電波の届きにくい船上でも高速通信を提供、快適な船旅を支援していく。なお、auの契約者は無料で利用できる。
東京九州フェリー 「はまゆう」
まずは、東京九州フェリーが、関東と九州間を約21時間で運航するフェリー「はまゆう」にて期間限定で提供。今後、利用状況などを確認しながら、順次使用できるフェリーを拡大していくという。
■「フェリーWi-Fi」提供の背景
周囲を海に囲まれた日本にとって重要な交通インフラであるフェリーは、貨物量の増加などに伴う「モーダルシフト」(※)や、インバウンドによる海外からの旅客需要により、近年の需要はさらに高まっている。
※ 環境負荷の低減を目的に、従来のトラックなどの貨物輸送を小型船舶の利用へ転換すること。
一方、船上の通信環境は、海上が携帯通信事業者のエリア外であることから、陸からの電波を拾えるごく一部エリアでしか通信をすることができない。また、船上に衛星通信が整備されている場合でも、多くの場合は数Mbpsと通信速度の遅い従来の衛星通信サービスが使用されている。
そこで最大220Mbpsの高速通信Starlinkを活用した「フェリーWi-Fi」であれば、これまで20時間近くにも及ぶ航海でつながらない環境が続いていた船舶においても、家族や友人との連絡、SNSや動画の閲覧など、インターネット環境のある快適な船旅を楽しめるようになる。
■フェリーWi-Fiについて
<概要>
Starlinkを活用し、最大220Mbpsの高速インターネット通信を船内で提供する。利用者は、船内の対象エリアでWi-Fiサービスの利用が可能。フェリー運営会社は導入・運用コストを抑えて、乗船客向けのWi-Fiサービスを実現できる。
<対象船舶>
・東京九州フェリー「はまゆう」
・航路:横須賀フェリーターミナル(神奈川県)~新門司フェリーターミナル(福岡県)
・利用可能場所:エントランスホール、レストランなどの一部パブリックスペース
・提供期間:1月22日~3月31日まで
※期間は変更となる場合があります。
<料金>
・au契約者:無料
・一般利用者:1500円(24時間)
KDDIは、海上向け衛星通信サービスとして、法人の顧客向けにStarlinkの海上サービス「Starlink MARITIME」も提供。「東京九州フェリー」や「新日本海フェリー」をはじめとするさまざまな船舶にて導入されており、緊急時の連絡手段確保や船員の満足度向上などに貢献している。
KDDIは、「法人のお客さま向けの『Starlink MARITIME』と、乗船されるお客さま向けの『フェリーWi-Fi』で、海上のDXを推進していきます」とコメントしている。
関連情報
https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-402_3676.html
構成/清水眞希