日本各地で年間百数回以上の“乗務”を行なっている
12名のうちほとんどがリピーターだが、最初のうちは誰もが停止位置目標の手前に停まる傾向がある。しかし回数を重ね慣れてくると、徐々に攻め気味のブレーキングとなり、今度はやや過走気味になる。この苦戦が運転体験最大の醍醐味だ。衝動が出ないように配慮したり、ブレーキ回数を最低限にしたりと、参加者それぞれのやり込み要素で時間を楽しんでゆく。
GoProで自身の乗務姿を記録する参加者も
午後は最古参の1000系が登場。ブレーキ、加速とも独特の挙動と難しさがある
待ち時間には立ち会った大阪モノレールの社員とメンバー同士の運転談義に花が咲き、お互いに笑顔と話題が絶えない。「現在は教習担当者などの内勤者がイベント運営を担当していますが、いずれは現役の運転士などが担当し、ファンのみなさまと交流する中で仕事へのモチベーション向上に繋げていければと考えています」(河内氏)
待ち時間も大盛り上がり
体験終了間際には夜間の雰囲気も体験。観覧車のライトアップが美しい
途中、筆者も体験に混ぜていただいたが、停止位置目標に停めるというのは思った以上に至難の技で、それを当たり前のように、平然と繰り返し、多くの乗客を乗せて乗り心地とダイヤを維持して、ハンドルを握っているプロの運転士さんたちに尊敬と感謝の思いを新たにする。
体験終了後は実際の鉄道の運転免許証を模した修了証をプレゼント
大阪モノレールによる運転体験は不定期開催だが、開催決定時には大阪モノレールWebサイト上で公開される。趣味としての楽しさはもちろん、貴重な体験を通して学ぶ鉄道の仕事。次の運転士はあなただ!
取材・文/村上悠太