いつかはやってくる親との別れ。その時が来る前に、家の片づけについて親とコミュニケーションがしっかりと取れていたという人はどれくらいいるのだろうか?
実家の片付け・遺品整理業者比較サイト「みんなの遺品整理」を運営するLIFULL seniorはこのほど、両親またはどちらかの逝去に伴い遺品整理を経験した男女294名を対象に「親との片付けにまつわるコミュニケーション」に関する調査を実施し、その結果を発表した。
1. 遺品整理を経験した6割以上の人が、生前の親との片付けに関するコミュニケーションで困難あり
両親またはどちらかの逝去に伴い遺品整理を経験した人(294名)を対象に「生前の親と家の片付けに関するコミュニケーションを取った際の困難や障害の有無」を聞いたところ、61.2%が何かしらの困難や障害を感じていたことがわかった。
2.親と片付けに関する話し合いを最も重ねたタイミングは「親の健康状態が悪化したとき」
「生前の親と家の片付けに関する話し合いを最も重ねたタイミング」を問う設問では、「親の健康状態が悪化したとき」が28.2%と最多で「日常的な会話の中で」が13.3%、「長期休暇の帰省時などまとまった時間が取れるとき」が11.9%と続いた。また、「全く話したことがなかった」と回答した人については全体の23.1%に上った。
3.生前に親と片付けの話し合いが一切できなかった最も大きな背景は「想定外の急逝」
生前の親と片付けに関する話し合いが一切できなかった人(68名)に限定して、その背景を集計したところ、「想定外の急逝」が35.8%と最も多く、「話し合う必要性を感じていなかった」が16.7%、「話し合うタイミングが分からなかった」が15.0%であるという結果となった。
過去の調査でも以下のような心臓発作や脳卒中などにより親が急逝してしまい、話し合う余裕がなかったという声(※)は多数寄せられている。
・実父が急逝したので、何の準備もできておらず必要なもの、遺しておきたいものが不明だった。
・搬送先の病院で脳卒中と診断され2日後に急死してしまうまで、家族は健康上に問題がある事すら知らなかった
・心臓発作による急死だったため、通帳や印鑑、口座のある銀行も分からない状態だった
(※)「みんなの遺品整理」親と話したい“親の今後”にまつわる話題に関する調査
4.親との話し合いの際の工夫でより効果があるのは「親の意見や意向を否定しない」
片付けに関する話し合いを生前の親とする際にしていた工夫については、「親の意見や意向を否定しない」が最も多く、「親の体力や健康状態を鑑みて、一度に終えようとせず少しずつ話し合うようにした」「物の処分は他人に譲るなど捨てる手段以外を提示するようにした」が続いた。
なお、工夫による効果についてもあわせて聞いたところ、「親の意見や意向を否定しない」は効果があったと回答した人(円滑にすすめられた・円滑とはいかなかったが、一定の効果があったと回答した人の総計)が効果がなかった人(あまり効果がなかった・全く効果がなかったと回答した人の総計)の1.5倍の確率でいることがわかった。
<調査概要>
調査期間:2024年11月27日~12月2日
調査対象:ご両親またはどちらかの逝去に伴い遺品整理を経験した男女294名
調査方法:インターネット調査
出典元:みんなの遺品整理
構成/こじへい