小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

米国で鳥インフルエンザによる死亡例を初めて確認、人間が感染するとどうなる?

2025.01.24

鳥インフルエンザは、通常は鳥類に感染するウイルスですが、まれに人間にも感染することがあります。そして、残念ながら、アメリカで初めて鳥インフルエンザによる人間の死亡例が確認されました。

鳥インフルエンザによる死亡例、米国で初めて確認

2024年12月、鳥インフルエンザにより入院していた米ルイジアナ州の住民が死亡した。米国初の鳥インフルエンザによる死亡例である。死亡した患者について同州の保健当局は、「65歳以上で基礎疾患があったと報告されている」と発表した。患者は、A型鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)に感染した野鳥や個人の庭で飼育されていた家禽との接触により感染したという。なお、同州で他にヒトへの感染例は確認されていない。

米疾病対策センター(CDC)は1月6日付の声明で、「ルイジアナ州での死亡者について入手可能な情報を慎重に精査したが、一般市民に対するリスクは依然として低いとの評価に変わりはない。最も重要なのは、ヒトからヒトへの感染は確認されていないということだ」と強調している。

死亡した患者は遺伝子型がD1.1のH5N1亜型に感染していた。これは、2024年暮れにカナダで13歳の少女が感染・重症化した原因となったウイルスと同じ亜型である。ルイジアナ州の患者に感染したウイルスの遺伝子配列を解析したところ、感染の過程で生じたと考えられる、まれな変異が確認された。しかし、この変異はウイルスを媒介したとみられる動物では確認されなかった。CDCは、「気がかりなことであり、またH5N1亜型はヒトへの感染過程で変化し得ることを再認識させる出来事であるが、こうした変化が動物宿主やヒトでの感染の初期段階で確認されれば、より懸念が強まるだろう」と12月26日付のニュースで指摘している。

CDCの以前の説明によると、これまでに報告されている鳥からヒトへの他の感染例のほとんどは大手養鶏場の従業員で発生したものであり、「ルイジアナ州の患者は、庭で飼っている家禽との接触に関連した米国初のH5N1亜型による鳥インフルエンザ症例」とされている。

またCDCは、米国でH5N1亜型による重症の鳥インフルエンザ症例の出現は、予想外のことではなかったと強調。「H5N1亜型による感染症は、他国では2024年以前からヒトでの重症化に関係しており、その中には死亡に至った症例もあった」としている。それでも、今回のケースは、鳥に接触する機会がある人は誰もが注意する必要があることを再認識させるものだとの見方を示している。

米国では2024年以来、少なくとも66人の鳥インフルエンザ感染者が確認されている。最も多くの症例が報告されているのはカリフォルニア州であり、そのほかワシントン州やコロラド州などからも報告されている。感染者は、感染した家禽や乳牛と接触したことのある労働者が大部分を占めている。現時点で、鳥インフルエンザのヒトへの伝播を示すエビデンスはなく、ほとんどの症例は軽症で、主な症状は結膜炎である。また、ヒトからヒトへの感染による死亡例は報告されていない。

2024年12月10日、CDCは、カリフォルニア州在住の子どもから検出された鳥インフルエンザウイルスの株が、乳牛と家禽、過去の感染者から検出されたH5N1亜型に類似していたことを報告した。この子どもに、感染した家畜との接触歴はないという。一方、カリフォルニア州の保健当局も12月17日、この子どもがどのように鳥インフルエンザウイルスに曝露したのかを調査中であることを明らかにしている。なお、この子どもは抗ウイルス薬の投与を受け、その後回復している。このケースでは、ヒトからヒトへの感染は確認されておらず、子どもの家族も全員、検査で陰性だった。

米ネブラスカ大学グローバル・センター・フォー・ヘルスセキュリティーのJames Lawler氏は、「New York Times」の取材に対し、「これは、現時点で大いに懸念すべき問題だといえる。パニックになるべきではないが、何が起こっているのか明らかにするために多くのリソースを投じるべきであることは確かだ」と述べている。(HealthDay News 2025年1月7日)

Copyright (C) 2025 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Press Release
https://ldh.la.gov/news/H5N1-death

https://www.cdc.gov/media/releases/2025/m0106-h5-birdflu-death.html

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2414610

https://www.cdc.gov/bird-flu/spotlights/h5n1-response-12232024.html

https://www.cdc.gov/bird-flu/spotlights/h5n1-response-12092024.html

https://acphd.org/avian-flu/

構成/DIME編集部

電気による刺激で傷を修復する「電気絆創膏」が実現する日

実験段階にある「電気絆創膏」によって、いつの日か医師は薬を全く使わずに細菌感染を防げるようになる可能性のあることが、新たな研究で示された。皮膚パッチを通じて知覚...

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年12月16日(月) 発売

DIME最新号は、「大谷翔平研究!」。今年を象徴するDIMEトレンド大賞の発表や、Aぇ!group、こっちのけんと他豪華インタビューも満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。