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「ご依頼」は謙譲語か?尊敬語か?覚えておきたい仕事に役立つ正しい使い方

2025.03.07

「ご依頼」の使い方で迷ったことはありませんか?「ご依頼承りました」といえば相手が依頼している意味ですが、「ご依頼いたします」といえば自分が依頼していることになります。「ご依頼」は相手と自分のどちらの行為について使うのが正しいのか、わかりやすい例文でご紹介します。

「ご依頼」とは、どんな時に使う言葉か、正しく理解していますか?意味をおさらいして、スマートな言葉遣いに役立てましょう。

「ご依頼」とは?

宅配を依頼するイメージ

■「ご依頼」の意味

ご依頼とは、「依頼」という名詞に接頭語の「ご(御)」がついた言葉です。「ご(御)」は敬意を表す接頭語ですが、状況によって謙譲や尊敬、丁寧などのさまざまな意味を持ちます。

参考:デジタル大辞泉

■自分が依頼するときは「ご依頼」は謙譲語

自分が依頼するときに「ご依頼」と表現する場合は、「ご」は依頼する相手を立てるための謙譲の意味を示す接頭語と考えられます。たとえば、次のような場合はいずれも依頼するのが話者、依頼されるのが相手となるため、「ご依頼」は相手を立てる謙譲語です。

  • ご依頼いたしましたアンケートですが、お答えいただけましたでしょうか。
  • 後日、追加作業をご依頼するかもしれません。その際には、お手数ですがご対応をお願いいたします。

■相手が依頼するときは「ご依頼」は尊敬語

相手が依頼したときに「ご依頼」と表現する場合は、「ご」は依頼した人(相手)を立てるための尊敬の意味を示す接頭語と考えられます。

たとえば、次のような場合はいずれも依頼するのが相手、依頼を受けるのが話者(自分)となるため、「ご依頼」は行為者を立てる尊敬語です。

  • ご依頼いただきました件ですが、担当者が折り返しご連絡いたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。
  • この度はご依頼ありがとうございます。誠心誠意、努めさせていただきます。

■「ご依頼させていただく」はNG?

自分(話者)が依頼する場合に、「ご依頼させていただく」といった表現を用いることがあります。この場合は依頼するのは話者、尊敬の対象は依頼先(相手)となるため、「ご依頼」は謙譲語です。

なお、「させていただく」は議論されることも多い表現です。「させていただく」のように「(お・ご)……させていただく」といった敬語の形式は、基本的には次の2つの条件を満たすときに使われます。

  • 条件1.自分の行動を相手側または第三者の許可を受けて行うこと
  • 条件2.そのことで自分が恩恵を受ける事実や気持ちがあること

つまり、相手が「依頼してもよい」と許可をしてくれたことで自分が相手に依頼でき、そのことにより自分が恩恵を受けたときには、「ご依頼させていただく」は適切な表現です。

反対にいえば、これらの条件を満たさないときは、「ご依頼させていただく」は適切とはいえず、受け取り方によっては過剰な敬語表現となりかねません。過剰な印象になりそうなときは、「ご依頼いたします」のようにシンプルな表現に言い換えるほうがよいでしょう。

「ご依頼」を使った敬語表現

弁護士に依頼するイメージ

「ご依頼」は、自分だけでなく相手が依頼するときも使える便利な言葉です。謙譲語になるか尊敬語になるかは、「ご依頼」の後に続く表現によって変わります。よく使う表現を、例文を通して見ていきましょう。

■ご依頼いたします

「(お・ご)……いたす」は、謙譲語として使われる表現方法です。「ご依頼いたします」といえば、依頼先(相手)を立てる敬語となります。

  • 今回はこちらの画像作成をご依頼いたしました。
  • ご依頼いたしました案件ですが、先方の資料作成が遅れているため、発注は1週間ほど遅れます。

また、「(お・ご)……いたす」は自分側から相手や第三者に向かう行為について、その向かう先を立てるだけでなく、話し相手に対しても丁重さを示す表現です。

たとえば、「控室で先生をお待ちいたします」では、先生を立てつつも、話し相手に対しても丁寧な気持ちを表現できます。

■ご依頼いただく

「いただく」には相手への敬意だけでなく、恩恵を受けるという意味もあります。そのため、「ご依頼いただく」なら依頼してくれた相手を尊敬しつつ、依頼してくれたことに対して有難いと感じていることを表現できます。

  • ご依頼いただき、ありがとうございました。
  • 気になった商品があれば、お気軽にご依頼いただけますと幸いでございます。

■ご依頼くださる

「くださる」は行為者を立てる敬意だけでなく、行為者から恩恵を与えられるという意味も表現できる言葉です。「ご依頼くださる」なら、依頼する行為者に対する尊敬と、依頼してくださったことで自分が恩恵を受けられることを表現できます。

  • ご依頼くださった棚ですが、手違いがあり少々時間がかかっております。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
  • この度はご依頼くださり、誠にありがとうございました。

■ご依頼になる

「(お・ご)……になる」は、行為者への尊敬の意を示す敬語です。

  • 本日から予約開始です。ご依頼になられますか?
  • ご依頼になった商品ですが、すでに完売しております。

ビジネスで使いたい「ご依頼」の言い換え表現

電話で依頼するイメージ

「ご依頼」は依頼するときも依頼されるときも使える便利な言葉ですが、同じような言い回しばかりでは表現力に乏しい印象を与えてしまうかもしれません。「ご依頼」の言い換えに使える表現をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

■お願い

「お願い」は、謙譲語や美化語として使える表現です。ビジネスでは、自分(話者)を低めて相手を立てる謙譲語として使えます。

  • 折り入ってお願いがあります。
  • お願いをしてもよいでしょうか。

■ご要望

「要望」とは、物事の実現を強く求めることです。相手が何かを望んでいるときには、接頭語の「ご」を付けて尊敬の意味を表現できます。

  • ご要望を伺ってもよろしいでしょうか。
  • ご要望の通りにいたします。

■ご用命

「用命」とは、用事を言い付けることや商品などを注文することです。接頭語の「ご」を付けて、相手への尊敬を表現できます。

  • ご用命を賜りました。
  • ご用命をいただきましたら、即座に対応いたします。

■ご所望

「所望(しょもう)」とは、ある物がほしい、こうしてほしいと望むことです。接頭語の「ご」を付けて、望む相手への尊敬の意を表現します。

  • ご所望の品で間違いないでしょうか。
  • ご所望の内容をまとめました。間違いがないかご確認をお願いいたします。

敬意の対象を明確にして敬語を使おう

笑顔のイメージ

敬語を使うときは、敬意の対象が誰なのかを明確にすることが大切です。

とくに、「ご依頼」のように行為者だけでなく行為を受ける側への敬意を示せる言葉は、敬意の対象があやふやになると違和感のある表現になってしまうかもしれません。ぜひ敬意の対象を考えてから、適切な表現を選ぶようにしましょう。

構成/林 泉

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