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テーラーメイドから最新モデル「Qi35」ドライバーが、2025年2月7日に発売されます。
それに先立ち、「Qi35」ドライバーほかフェアウェイウッドやアイアンなど「Qi35」シリーズ新作が発表されました。
発表会に登壇したテーラーメイドと契約プロのみなさん。写真左から、テーラーメイド ゴルフ President&CEOデビッド・エイブルスさん、2024年11月の「伊藤園レディスゴルフトーナメント」で優勝した山内 日菜子プロ、2024年3月のDPワールドツアー(欧州男子ツアー)「ヒーロー・インディアン・オープン」で優勝した中島 啓太プロ、2024年5-6月の「ヨネックスレディス」で優勝した新垣 比菜プロ、テーラーメイド ゴルフ 代表取締役社長 比留間 育洋さん
なぜ、「Qi35」と名付けられたの?
昨年、テーラーメイドは「Qi10」というドライバーを発売しました。
それ以前には、「ステルス」と呼ばれる「カーボンツイストフェース」のドライバーをリリース。「カーボンツイストフェース」はテーラーメイドのトップモデルドライバーの〝顔〟になっています。
ところで、2024年に「Qi10」というネーミングをテーラーメイドが選んだ理由は、同シリーズの「Qi10 MAX」ドライバーが、慣性モーメント1万(10K)を達成したからでした。
一般的に、ドライバーの慣性モーメント(MOI値)が高くなると、アマチュアゴルファーからトッププレイヤーに至るまで、飛びと直進性、正確性が向上すると言われています。
「Qi10」シリーズでは「Qi10 MAX」ドライバーが、テーラーメイド史上最高のMOI値1万を実現。より遠くへボールを飛ばしてくれるにも関わらず、曲げの不安を抑え、しかも狙ったところへ飛ばしやすい正確性ももたらしました。
そして、2025年。「Qi35」でテーラーメイドのドライバーはさらなる進化を遂げました。
テーラーメイド ゴルフの比留間社長は、「『Qi35』は、『Qi10-2』や『Qi20」というレベルではない進化を果たしました。そこで、『Qi35』と名付けました」と説明。
そして具体的な「35」という数字の意味は、「新作のテーマとなる〝3つのF〟、『FORM(形状)』『FUNCTION(機能/テクノロジー)』『FIT(フィッティング)』の『3』と、〝5種類のヘッド形状〟を意味する『5』を組み合わせたもの」(比留間社長)だと言います。
「Qi35」ドライバーがスゴい3つの理由
それでは、「Qi35」ドライバーの進化ポイントをチェックしていきましょう。
スゴい理由1:高い慣性モーメントなのにフェース面上の重心位置を下げた!
ドライバーの慣性モーメントを高めるためには、重心位置を低くし、また、フェース面から距離を取ることが重要です。
そして、ボールとコンタクトするフェース面の重心位置=「CG プロジェクション」は、打球の方向性やスピンに大きく影響をおよぼします。
例えば、ボールがCG プロジェクションより上に当たると打ち出し角が上がり、バックスピンの量は相対的に低くなる傾向があります。
しかし、慣性モーメントを高めるために重心位置をフェース面から遠ざけると、CG プロジェクションの位置が高くなりやすいのです。
そのため、CG プロジェクションより低い部分のフェース面積が増え、そのためボールをヒットする確率が上がり、ボールの打ち出し角が低くなる一方、スピン量が増加。飛距離が落ちやすくなります。
それを抑えるために、テーラーメイドは「Qi35」ドライバーのうち、「Qi35 MAX」ドライバーのヘッド後方に、ウェイトを34g追加しました。
結果として、「Qi35 LS」ドライバーでは「Qi35」シリーズ全体の中で、最も低いフェース面上のCGプロジェクションを実現。「Qi35」「Qi35 MAX」もまた、前作である2024年の「Qi10」「Qi10 MAX」モデルより、CGプロジェクションをフェースの中心付近に下げることに成功しました。
その成果は、新たな飛びのエリアを拡げ、ミスヒット時も初速が落ちにくく、飛距離アップへとつながりました。「自分史上、最も信じられるドライバー」へと進化したのです。
スゴい理由2:「Qi35 フィッティング専用ヘッド」を新開発!
「Qi35」の名前の意味でご説明したように、「Qi35」ドライバーシリーズはフィッティング性を高めるために、テーラーメイド初となるローンチモニター対応の「Qi35 フィッティング専用ヘッド」を開発しました。
軽量な60層のカーボンツイストフェースを搭載する「Qi35」ドライバーシリーズは、光を金属フェースのようには強く反射しません。そこで、反射型フィッティングマーカー6点をフェースに内蔵しました。
そのため、後付けで反射型フィッティングマーカーを貼らなくても、ヘッドスピードやスマッシュファクター(ミート率)、クラブパス(軌道)、フェース向き、フェースクロージャ―レート、ボールのインパクト位置などの情報を、ローンチモニターがより正確に収集できるようになりました。
そのフィッティング精度は、テーラーメイド直営11店舗と、テーラーメイド独自のフィッティング方法をマスターした「テーラーメイドエクスペリエンシャルチーム」のフィッティングイベントで体験できます。
さらに、ゴルファーに最適なシャフトスペック推奨などを瞬時にできる、独自のフィッティング専用アプリをテーラーメイドは開発中です。
スゴい理由3:軽量設計で楽にまっすぐ飛ばせる「Qi35 MAX LITE」「Qi35 MAX LITE WOMEN’S」が新登場!
「Qi35」ドライバーには、軽量設計のモデルも用意されました。それが、「Qi35 MAX LITE」「Qi35 MAX LITE WOMEN’S」です。
日本のゴルファーのうち、約21%もの方が300g以下のドライバーを望むそうです。
女性やシニア層を中心とするそのようなユーザーのために、「Qi35」にはLITEモデルがラインアップします。
独自のヘッド形状や構造、テクノロジーにより高MOI設計が施されたヘッドを、「Qi35 MAX LITE」「Qi35 MAX LITE WOMEN’S」では軽量化。楽にスイングできてミスヒットに強く、直進性に優れたモデルが選べるようになりました。
「Qi35」ドライバーのシリーズラインアップ
それではあらためて、「Qi35」ドライバーのシリーズラインアップをご紹介します。
1.「Qi35」ドライバー
ヘッドの前後に重さの異なる2つの「TAS ウェイト」(13g、3g)を1つずつ搭載し、球の高さやスピン量の調整が可能となったモデルです。
前方に13g、後方に3gのウェイトをセットすると、慣性モーメントが8100となり、ロースピンで強弾道の打球が可能となります。
また、前方に3g、後方に13gをセットすると、慣性モーメントは9000になり、高弾道で寛容性が向上します。
2.「Qi35 MAX」ドライバー
テーラーメイド史上最高の慣性モーメント1万を継続しつつも、CG プロジェクションを下げるため、ヘッド後方の低い位置に34gの固定式タングステンウェイトを搭載する「シンメトリック・イナーシャジェネレーター」を装備。
有効打点エリアを拡大しつつ、ミスヒット時も初速が落ちづらく飛距離アップに貢献するモデルです。
3.「Qi35 LS」ドライバー
「Qi35」ドライバーや「Qi35 MAX」ドライバーより、やや小ぶりで振り抜けの良いエアロヘッドシェイプを採用したモデルです。
4.「Qi35 MAX LITE」ドライバー
フレックスがRの場合、クラブ重量が約272gとなる軽量モデルです。
24gの固定式タングステンウェイトをヘッド後方に配置し、ダウンスイング時の空気抵抗を抑制し、ボールスピード向上に貢献します。
5.「Qi35 MAX LITE WOMEN’S」ドライバー
Lシャフトでは約271gの軽量モデルです。
ハイロフト設計と高慣性モーメントにより、簡単にボールを上げやすい女性専用設計モデルとなっています。
フェアウェイウッド、レスキュー、アイアンも「Qi35」で進化
「Qi35」はドライバー以外のラインアップも充実しています。
フェアウェイウッドは、3番、5番にロフトスリーブを搭載。±2°のロフト・ライ角の調整が可能となりました。
ラインアップは、
1.「Qi35」フェアウェイウッド
2.「Qi35 MAX」フェアウェイウッド
3.「Qi35 TOUR」フェアウェイウッド
4.「Qi35 MAX LITE」フェアウェイウッド
5.「Qi35 MAX LITE WOMEN’S」フェアウェイウッド
の5種類です。
レスキュー(ユーティリティ)は、「Qi35」レスキューに±1.5°のロフト調整機能を搭載。
ラインアップは。
1.「Qi35」レスキュー
2.「Qi35 MAX」レスキュー
3.「Qi35 MAX LITE」レスキュー
4.「Qi35 MAX LITE WOMEN’S」レスキュー
の4種類です。
さらに、フレックスがRの場合、7番で345g、26.5°と軽量かつストロングロフトを実現し、誰が打ってもしっかり飛距離を出せる「Qi MAX LITE」アイアンが登場しました。
番手別ヘッド設計「FLTD CG デザイン」によりセット全体で重心位置をコントロールし、各番手で優れたパフォーマンスを発揮します。
こちらのアイアンは、2025年3月14日発売予定です。
取材・文/中馬幹弘