
楽天証券で、米国株の「貸株」が2024年12月28日から始まっています。貸株とは、「自分が保有している株式を証券会社に貸し出すこと」で、米国株の保有で「貸株料」がもらえるしくみ。設定方法も簡単でした。ただし、この貸株には注意すべき点もありました。
楽天証券で米国株の貸株が始まる
2024年12月28日から楽天証券で「貸株金利・配当金を日本円でも米ドルでも受け取れる!」制度が始まっています。
楽天証券の「米国貸株サービス」では、「配当優先コース」と「金利優先コース」の2つのコースがあり、米国株を保有して、貸株設定をすると、保有期間に応じて貸株料がもらえます。
・「金利優先コース」は「配当優先コース」よりも高い金利、現地源泉税が引かれずに受け取れ、長期で継続すると貸株金利が最大2段階上昇。ただし、株主権利確定日に株式は自動返却されない
・「配当優先コース」は貸株をしながら配当金も欲しい人向け
・どちらのコースも1株から貸出ができる
・貸株料を日本円でも米ドルでも好きな方で受け取れる
・NISA口座で保有している米国株式は対象外
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/campaign/20241230-01/
そして、米国貸株口座を開設し、貸出をすると楽天ポイント200ポイントがもらえるキャンペーン「全員もらえる!米国貸株口座開設&貸出で200ポイントプレゼントキャンペーン」も実施中です。こちらのキャンペーン期間は、2025年1月31日(金)16時までです。
実際に貸株の手続きをしてみた
筆者も実際に設定をしてみました。もともと、米国株を楽天証券で保有していたため、比較的簡単でした。
■楽天証券にログインする
1.「外国株式」の「米国株」、「貸株」を選ぶ、初回は「はじめよう、米国貸株」の表示があるため「米国貸株サービスを申込む」を選ぶ
2.米国貸株サービスの契約書を確認し、電子交付に同意する
3.自動貸出(自動で貸出す、自動で貸出しない)、米国貸株金利コース(金利優先、配当優先)、貸株金利・配当金相当額の受取通過設定(外貨で受け取る、円貨で受け取る)を選ぶ
4.取引暗証番号を入力して完了
これで、米国株の貸株ができるようになります。
そもそも「貸株」とは何か
株式投資をしていても「貸株」という言葉を知らない人もいるかもしれないため、基本的な説明をしておきます。貸株とは名前の通り、「自分が保有している株式を証券会社に貸し出すこと」を言います。貸株金利は証券会社ごとに異なり、証券会社は借りた株式を他の投資家などに貸して、そのうち利息の一部を投資家に戻す仕組みです。
貸株の最大のメリットは、「貸株金利」と呼ばれる利息が受け取れることです。この「貸株金利」は、証券会社ごとに異なっています。
楽天証券の米国株の貸株金利は?
楽天証券での米国株の貸株金利は、銘柄によって異なっています。1%以上のボーナス金利の銘柄もあります。
中には30%以上の貸株金利もありますが、多くの銘柄は、金利優先では0.02%、配当優先では0.01%が一般的のようでした。
例えば、コカ・コーラ(KO)は、金利優先では0.02%、配当優先では0.01%。スターバックス(SBUX)、やエヌビディア(NVDA)も同じく金利優先では0.02%、配当優先では0.01%となっています。これは年率です。
具体的な数字で表すと、もし100万円の米国株を保有していて金利優先0.02%で預けるとするならば1日あたりは……
100万円×0.02%÷365=0.5479…
実は100万円あっても1日あたりの貸株料は1円に満たないので、米国株へ少額投資をしていると、貸株金利をもらえた実感があまり得られないかもしれません。
貸株の注意点もあるため覚えておきたい
貸株の注意点もあり、それは、貸株サービスで受け取った貸株金利、配当金相当額は、確定申告をする必要がある点です。
・貸株は、雑所得または事業所得で「総合課税」
・年間(1月1日~12月31日)の損益を計算して翌年の確定申告のタイミングで申告
ただし、確定申告が不要なケースもあります。それは、年収2,000万円以下の給与所得者で、貸株金利やそれ以外の雑所得を合計すると20万円以下になる場合です。それでも合計して20万円を超えてしまうと確定申告が必要となってくるので注意しましょう。
米国株のほか、楽天証券では日本株の貸株もあり、合わせて20万円を超えていたら年収2,000万円以下の給与所得者でも確定申告が必要です。
また、株式等の譲渡所得、配当金等との損益通算はできません。貸株をするなら楽天証券の参考ページなどを読んでおき、扱いがどうなるのか理解しておく必要があります。
米国株を買うなら楽天市場のSPUと組み合わせたい
注意点もある貸株ですが、米国株を保有していると貸株金利が受け取れるのは大きなメリットがあるように思います。そして、楽天証券で米国株を買うなら、楽天市場でのポイ活、SPU(スーパーポイントアップ)と組み合わせることができます。
・楽天ポイントコース、マネーブリッジを設定する
・合計3万円以上のポイント投資(米国株式 円貨決済)
この条件を達成するとSPU(スーパーポイントアップ)で、+0.5倍になるというものです。楽天市場でよくお買物をするなら、設定をして毎月3万円以上のポイント投資で、楽天市場の獲得できるポイント数が+0.5倍になります。「3万円以上のポイント投資」といっても、このうち「ポイントと現金をあわせて3万円以上」であればよく、1ポイントでも使っていればいいわけなので「1ポイントと2万9,999円利用の1回分」の米国株買付をした場合でもポイント投資とみなされます。
文/谷口久美子