今年こそお金を貯めたい!でも、なぜかそう決意するたびに、冠婚葬祭や教育費など、大きな出費が増えて、挫折してしまうことを繰り返してきた。今年こそはお金を貯めたい。そこで、6年間で1000万円を貯めた時短節約家・くぅちゃんさんに、お金を貯める時に知っておくべきいくつかのポイントを教えてもらった。
その1 目的をもって、小さな目標をクリアしていく
くぅちゃんさんによると、お金を貯めるには、やはり目標が必須だと言う。「目的が明確じゃないと、なかなか行動に移せないし、お金が貯めるのは大変です。(数字だけで)漠然と100万円貯めたいと思っても、なかなか実行するには難しいでしょう。でも、最近の推し活じゃないけど、推しが尊いとがんばれる。お金を使ってこうしたいとか、小さなことでもお金を貯める動機や目標があれば、達成しようとする力が湧くことがあります」と教えてくれた。
確かに家を建てたいとか、新車を買うといった明確な目標を立てると、お金が貯めやすくなるかもしれない。また、貯金に対するモチベーションを保つことができれば、ストレスなくお金を貯めることができそう。くぅちゃんさんは、お金を貯める時の目標はごく小さな目標でも良いと言う。
「ポイントを貯める、みたいな目的をきちんと定めると、お金を貯めることができますよ。大きな目標じゃなくてもよくて、今日の飲み会の費用でポイントを貯められるかどうか、ぐらいの小さな目標です。小さな目標を、小さな手段で解決して行くと、達成感もあります。
よくやりがちなのが、今年中に100万円貯めたいとか、目的のないまま数字だけでお金を貯めようとすること。そうやると、到達までに息切れしてしまって、なかなかうまくいかないんです。
最初は無理をしないでもできるぐらいの、ごく小さな目標を立てて、そこへ到達したら自分を褒めてあげたり、達成感を味わうこと。それを当たり前にコツコツやっていく。それがモチベーションを保ちながらお金を貯める方法です」と教えてくれた。
ポイントその2 ポイ活はさらに進化させて「寄せ活」に
くぅちゃんさんは「ポイ活はすでに社会の常識」と主張している。特にこれからおすすめしたいのが「寄せ活」。これは日常的に買い物をする経済圏を一つまたは二つに寄せて、ポイントを貯めたり、使ったり、増やしたりするやり方のこと。くぅちゃんさんはお金を貯めようと思っている人にはぜひこの「寄せ活」を推奨したいとアドバイスしている。
「私は楽天経済圏で『寄せ活』をしています。具体的には、楽天モバイルを利用して楽天市場で獲得できるポイント倍率を高めて、ポイントをたくさん獲得できるようにしています。ちょっとした買い物も、楽天市場の楽天スーパーSALEやお買い物マラソンといった、お得に買い物ができる時を狙っていますし、貯めたポイントは楽天ペイの決済で使用したり、通常ポイントはポイント運用などに回します。
また、スマートフォンアプリの楽天ヘルスケアは楽天ポイントを貯めながら健康管理ができるので本当にお勧めです。さらに楽天リーベイツ(Rebates)を利用すれば、家でのスキマ時間に意識的にポイ活ができるようになります」と徹底している。
これら「寄せ活」ではポイントを1)貯める、2)使う、3)増やす、といった3つのサイクルを効率よく回すことで、さらに特典を受けやすくすることが可能になる。また、楽天サービスに寄せれば、利用条件を達成するだけで楽天市場の「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」(注1)のポイント倍率を最大17.5倍までポイントアップすることができる。
■当たり前のことをちょっとずつクリアできる大切さ
「ポイ活などは、習慣化してしまえば、ストレスなく自然にやることができるし、お金を貯める一番の近道だと思います。あと、お金もポイントも目標が高すぎてしまうと、ちょっとの挫折で全部ダメになってしまうことがあります。でも、苦労や大変ではないことを目標にして、普通にできるようになると、気が付かないうちにちゃんとお金が貯まってくれるような気がします。
習慣を身に着け、当たり前のことをちょっとずつクリアして行くのが、一番成功することだと、私は思います。そういう意味でも、ポイ活は思い立ったらすぐできるし、習慣化しやすく、すごく効果があって、(お金を貯めるという)成功への近道じゃないかな?」とくぅちゃんさんさん。
さらにポイ活のメンタル面でもメリットについても語ってくれた。「ポイントってこれまでなかったものですし、やれば丸ごとポイントの分だけプラスになる。金額に換算したら確かに小さい額かもしれないけれど、やれば確実にプラスになります。本当にチリツモ(塵も積もれば山となる)で、気が付いたら結構貯まっていたりするのです。
何より良いのは、ポイ活だと、やったことで自分が嬉しくなるし、“私だってできるんだ”みたいな前向きになれること。小さなことであっても自分をほめることができて、前向きにしてくれるところがすごく良いのです。
例えば、今まで現金で支払っていたものを、ポイントが付く楽天カードや楽天ペイに変えてみる。現金もクレジットカードもスマホ決済も、お金を払う時の労力自体は、どこもそんなに変わらない。でも、ポイントが付く方をちゃんと選ぶだけで、あたりまえだけれど、確実にポイントついてくる。それってすごくないですか?なんか、お金を払っただけなのにお得な気もしますよね。そういう、お金を貯めることにポジティブ要素を上手に入れて行くことで、挫折しない気持ちになれます」とポイ活のメンタル面での効果も教えてくれた。
ポイントその3 失敗体験がなければ成功しない
くぅちゃんさんは看護師時代の浪費家生活を経て、結婚し、二児の母となったあとも変わらない金銭感覚に危機感を覚えて、節約生活を始めた。そして、6年間で1000万円の貯金を達成した。その体験の中で「お金に関しては失敗体験は大切」という考え方に至ったと言う。
くぅちゃんさんはほとんど預金ゼロの状態から1000万円の貯金を目指して、最初の一年は順調に貯金できていたが、その後、家電製品が次々に壊れるというハプニングに見舞われてしまった。子どものいる家庭で冷蔵庫無しの生活は難しく、大型家電を買い求め、思うように貯金ができなかった。
「でも、冷蔵庫は耐用年数があり、ある程度、使い続けたら必ず寿命が来るのは当たり前。だから、それを見越して、多くの人はそのためにもお金を貯めていますよね。でも、私は自分で体験するまで、それが分からなかったのです。
自分で必死に貯めようと頑張っていても、使う機会が出てしまう。お金ってそういうものなんだなあと、その時つくづく思いました。生きて生活していれば、預金できない時があっても、それは仕方がないこと。でもそれを貯金ができなかった自分はダメ(な人間)だ、と捉えてしまうと、もうお金を貯めるのは無理なような気持ちになってしまう。そうなると、永遠にお金が貯まらなくなっちゃいます。
だからこそ、ポイ活の小さな成功体験の積み重ねみたいに、継続してお金を貯めるモチベーションを保っていくことが、とても大切になってくる。お金に関しては、思いがけない出費の様な失敗は、むしろ成功の元ぐらいに考えるべきで、逆にお金で失敗をしない人は、成功できないかもしれない、ぐらいに思っていた方が良いです」とアドバイスしてくれた。
ポイントその4 お金を貯めると、もっと貯めたくなる
くぅちゃんさんは「お金はお金を生む」と言い、「貯金額が増えるにつれて、不思議とお金を使わなくなる」という現象を体験したと言う。「同じものを買っても、ポイントが付くものとつかないものがあります。ポイ活をやればやるほど、ポイントが付く買い物を自然に選択するようになるので、お金も貯まりやすくなります。
あと、人は不思議なもので、2~30万円の貯金額だと、お金を下ろしてもいいかなと感じるのですが、それが8~90に増え、100万円まで貯めると、100万を切ってお金をおろすのが嫌な気持ちになるんです。 110万の貯蓄額だったら10万おろすのは簡単かもしれないけれども20万おろして預金が100万円を切るのが悲しいみたいな感じです。
さらに預金が200万円になり、300万円に増え、1000万円まで貯まると、もっとお金をおろしたくなくなる。そしてなぜか100万円の時より、900万円の時の方が1000万円にしようという、目標達成への気持ちが強くなるから不思議です」とくぅちゃんさん。貯金額が増えると、遠くの1000万円がどんどん身近で確実な1000万円になると言う。
確かに貯蓄額が100万円の時は、目標の1000万円までの道のりは遠く感じるが、900万円貯めることができたら、あと100万円で1000万円に到達できる。あと一歩という気持ちが働けば、貯金に対するモチベーションは高まるに違いない。
実際に1000万円を貯めたくぅちゃんさんだからこそのリアルな言葉は、これからお金を貯めようとする人の参考になる。特にポイ活を「達成感を味わうことができる最高の手段の一つ」と捉えた点は、共感する人が増えそう。くぅちゃんさんの教えを参考に、2025年こそくじけずお金を貯めたい。
時短節約家・くぅちゃんさん
看護師時代の浪費家生活を経て、結婚。二児の母となったあとも変わらない金銭感覚に危機感を覚え、節約生活を開始。6年間で1,000万円の貯金を達成し、著書「節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄」(KADOKAWA)を出版、3刷重版。時短節約家として、テレビ・雑誌などでも活躍中。FPの資格も取得し、活動の幅をさらに拡大中。10月29日新刊「一生お金に困らない みるみるお得が増える暮らしのコツ」(扶桑社)発売中。
文/柿川鮎子