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流行が続く平成レトロ。ギャルカルチャーに続いて「平成女児カルチャー」が熱い。2000年代初頭に人気を博したブランド『エンジェルブルー』は2010年に百貨店での展開を終えたが、近年、復刻アイテムの発売により話題を呼んでいる。ほかにも多数企業がブームに参入し、カプセルトイ化や展覧会開催、VR化など、多角的な展開が見られる。
平成カルチャーの中でもトレンドが循環
平成女児カルチャーとは何なのか。「2000年代初頭に小学生だったZ世代が、その頃に夢中だった文化」と定義するのは、1990〜2000年代のガールズ文化に関する執筆やコレクションを行なうTajimaxさん。
「その世代が懐かしがるものが、周年記念を迎えて再び流行している動きが多く見られます。また、当時のカルチャーは『キャラクターもの』が目立つため、グッズ化や体験型コンテンツ化しやすい。さらに、かつての女児たちが感度の高い大人になり、SNSで積極的に発信することも、流行を加速させています」
百〜数千円と購入しやすい価格設定や手に入りやすさ、デザイン性、「復刻版」という限定感などで情報の受け手は購買欲を刺激され、新たな消費行動が生まれる。好循環だ。
時流に合うこともブームの一因。2004年誕生のゲーム『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』では、Y2Kテイストのファッションが登場し、「エモ可愛い」と人気を後押しした。さらにTajimaxさん曰く、昔のアイテムが現代の大人の趣味や行動とマッチして流行することもあるそう。例えば、平成初期に誕生した電子ペットや人形が「ぬい撮り」ブームと結びつき、流行する兆しがある。ぬい撮りとは、街や旅先でぬいぐるみの撮影を楽しむもので、SNSと相性が良い。
「平成カルチャーの中でもトレンドが循環しています。その時々の流行と融合すれば、また新たなブームが起こるでしょう」(Tajimaxさん)
2025年は2000年リリースの多くのコンテンツが周年を迎え、さらにシーンが熱くなりそうだ。
1989年誕生|エンジェルブルー
伝説的ブランドが35周年で再注目
平成のジュニアブームを牽引したブランド。1着1万円前後と子供服にしては高価だが、こぞって女児が着ていた。ここ1年でInstagramのフォロワー数が1万人から5.5万人に増加し、アイテムの完売が続出するなど人気が再燃。
『Seria』など各100円ショップでオリジナル商品を発売。当時は高価だったブランドのアイテムが気軽に手に入ると反響を呼び売上好調。
カプセルトイも人気。女児たちが夢中で集めた懐かしの「タイルシール」をミニチュアにしたアイテムは、発売数日で即完する店舗も。
2004年登場|オシャレ魔女 ラブ and ベリー
展覧会にファン殺到!追加巡回決定!
女児にヒットしたセガのキッズカードゲーム。100円を入れると「オシャレまほうカード」が排出され、着せ替えやダンスバトルが楽しめる。女児たちのコレクション魂にも火をつけた。
20周年を記念した展覧会では1500枚以上のカードや衣装、再現ステージを展示。好評につき地方都市での追加巡回も決定。
2004年連載開始|きらりん☆レボリューション
2024年、VRライブ開催!新技術で魅力を再認識
女子中学生がアイドルとして成長する物語。『ちゃお』で連載され単行本は累計260万部突破(2008年時点)。女児の憧れを集めた。作品の新たな楽しみ方を提供すべくVRライブを開催。
原作者監修のもと作中の衣装を再現するなど、ファンの記憶とワクワクを呼び起こす演出も好評。SNSでは感動の声が続出。
取材・文/岡田瑛穂