![](https://dime.jp/wp-content/uploads/2025/01/NGK-A03_5_photo_trim_01v-770x433.jpg)
おうち時間が増加したコロナ禍をきっかけに園芸の世界が大いに盛り上がってきた。第一園芸の調査によると、Z世代の約半数が1~2年以内に観葉植物を所有。7割がリラックス効果を実感しているという。この観葉植物に続き、園芸界で世界的ブームになっているのが和の象徴「盆栽」だ。
盆栽が新プラモデル時代を切り拓く
2023年の世界の盆栽市場規模は約1兆3000億円。2032年までに現在のアニメ産業と同じ、約3兆円規模(いずれもBusiness Research Insight調べ)へ成長が予測される。この人気を背景に製作されたのがBANDAI SPIRITSとアパレルブランドのネイバーフッドのコラボから生まれた『SRL X BANDAI SPIRITS. BONSAI MODEL KIT』だ。
発売元であるBANDAI SPIRITS ホビーディビジョンの担当者に開発背景を聞いた。
「ふだんはガンプラなどロボット関連を担当していますが、この盆栽はより多くの方に弊社のプラモデルを楽しんでいただきたいという思いから製品化しました」(開発担当者)
数々の製品開発に携わった担当者も盆栽を作るのは初めてのこと。これまでとは違う苦労があったという。
「現物を3Dスキャンしたデータを、プラモデル設計用の図面に貼っていくのですが、盆栽の幹や土台となる土部分の複雑に入り組んだ形状は、そのままでは金型で成形することができず、3Dデータをすべて直していきました。開発には約2年をかけましたが、うち1年強はこの作業の繰り返しでした」(開発担当者)
幹だけでも相当数のパーツを使い、土の部分は一体成型としながら、苔の生え方などをリアルに表現するため、無数の凹凸が細かく彫り込まれた。
「プラモデル開発技術の糧になったと自負しています。今後も様々な分野に挑戦したいですね」(開発担当者)
発表以来、驚くほどの反響がありアートやファッション界隈でも注目のマト。他社製品も好評で、盆栽が新プラモデル時代のブレイクスルーになりそうだ。
現物を3Dスキャン!枝ぶり、幹の表情なども巧みに再現
BANDAI SPIRITS
『SRL X BANDAI SPIRITS. BONSAI MODEL KIT』3万800円
世界中で注目される盆栽アーティスト・濵本祐介氏の「吾妻五葉松」がベース。ネイバーフッドの滝沢伸介氏のディレクションとバンダイスピリッツの技術力でプラモデル化された。2025年3月発売予定。予約受付中。
製作に最適な専用ツール3種がそろう『SRL X BANDAI SPIRITS. TOOL SET』(2970円)。
葉をハサミで剪定!自分だけの盆栽に仕上げる
プラッツ
『1/12 ザ・盆栽 プラスチックモデルキット -参-』1650円
樹の先端が鉢縁よりも下にある樹形「懸崖(けんがい)」の幹や枝ぶりを見事に再現。葉の部分は制作済みでスケール感のある針葉も植え込まれる。プラモデル初心者でも簡単に盆栽のミニュチュア制作を楽しめる。全高は約58mm。
葉には、存在感のある針葉を再現。盆栽感を楽しめるように葉はハサミで剪定ができる。
根気よく1100超のピースを組み立てる
カワダ
『NB-039 nanoblock 盆栽 松 デラックスエディション』6050円
ナノブロックで組み立てるデラックスサイズの盆栽。「根張り」もしっかりと再現し、盆栽ならではのフォルムも表現されている。代表的な樹形「懸崖風」、「双幹風」に組み替えも可能。サイズはW195×H190×D115。手のひらサイズの盆栽も発売中。
異なる色の使い分けで幹肌の濃淡を再現する。ピース数は1130個で難易度は最高の5。模型ファンも納得の完成度だ。
取材・文/安藤政弘
※本記事内に記載されている商品の価格は2024年11月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。