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好調な米雇用統計により米国の利下げ観測が後退、適切な金融政策で株安反転へ

2025.01.17

アメリカの経済動向を示す様々な指標の中で、市場に影響を与えるとして特に重要視されているのが生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、雇用統計、フェデラル・ファンド金利(FF金利)などだ。

今回は1月10日に発表された雇用統計に関するリポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から届いているので、概要を紹介する。

米雇用統計などの強い指標に米利下げ観測が後退、米長期金利上昇、ドル高、株安の流れに

2025年1月10日に米労働省が発表した2024年12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から25万6000人増加(市場予想は16万5000人増加)するなど、雇用の強さが確認される結果となった。

雇用統計に続き、米ミシガン大学が発表した1月の消費者調査(速報値)は、長期的な物価の見通しを示す5年先の期待インフレ率が3.3%と前月から0.3ポイント上昇。2008年6月以来およそ16年半ぶりの高水準を示した。

これらの経済指標を受け、同日の米金融市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が広がり、10年国債利回りは上昇、米ドルも対主要通貨で上昇の反応がみられた。

また、ダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数はそろって下落。ダウ平均は昨年11月4日以来の安値をつけ、米大統領選前の水準に戻っている。

■実は昨年12月6日以降、タカ派的なFOMCなどを経て米長期金利上昇と株安の動きが継続中

直近の米10年国債利回りの動きをみると、昨年12月6日から上昇傾向が顕著になり、昨日1月13日までの上昇幅は62.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に達している。

この間、米連邦公開市場委員会(FOMC)が昨年12月17日と18日に開催されたが、利下げペースの鈍化が示唆されるなどタカ派的な内容となり、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む2025年の利下げ回数は、2回から1回に減少した。

米株式市場に目を向けると、直近高値をつけた日は、ダウ平均が昨年12月4日、S&P500指数が12月6日、ナスダック総合指数が12月16日となっており、昨日まで順に、6.0%、4.2%、5.4%下落している。

タカ派的なFOMCと利下げ織り込みの後退、予想比強めの経済指標などを背景に、米10年国債利回りが上昇して、米主要株価指数の調整色を強めていると解釈できる(図表1)。

■長期金利上昇はトランプリスクも反映、トランプ政策が行き過ぎず適切な金融政策で株価反転へ

なお、米10年国債利回りを名目金利とし、簡便的に実質金利、期待インフレ率、期間プレミアムに分け、昨年12月6日から昨日までの変化幅をみると、実質金利が-16.7bp、期待インフレ率が21.3bp、期間プレミアムが57.9bpだ(図表2、合計が名目金利の上昇幅+62.5bp)。

つまり、米10年国債利回りの上昇は、トランプ氏の政策が財政悪化やインフレを招くリスクも反映しており、これも株安の要因になっていると考えられる。

これらを踏まえると、米利下げペースの鈍化は妥当と思われ、弊社も2025年は6月と12月に利下げ、2026年は据え置きとの予想に変更した(従来は2025年、2026年とも3月と9月に利下げ)。

この先、トランプ氏の政策が市場の警戒ほど行き過ぎた内容とならず、FRBが適切に金融政策を行えば、過度なインフレ懸念が後退することで、長期金利上昇の動きが一巡し、株価が持ち直す余地は拡大していくとみている。

関連情報
http://www.smd-am.co.jp

構成/清水眞希

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