ロボット開発などを行う三笠製作所が「スマホで呼べる交番」をドバイ警察が協同で開発した。
同社は、2022年にすでに移動式交番「SPS-AMV」を2機、ドバイ警察に納品している。今年にはドバイ国内でのイベントで実証実験が行われるという。
車内は無人、スマホで呼び出す!
車内は無人で、利用者は同機内に乗り込み、大型モニターを通じて警察署にいる警官と通信をする。
警察行政サービス端末を搭載した移動遠隔自動運転の無人交番車両。スマホで呼び出すことができ、都市間での移動も可能。2017年から開発を進めており、25年に実証実験にこぎつけた。
「交番」と聞くとすこし仰々しいが、現状主な機能としては「住民票の発行」や「遺失物の届け出」など30の行政サービスを受けられるというもの。
もちろん「交番」の名に違わず、逮捕に関連した機能もある。後方に搭載された360度カメラにより速度違反や駐車違反を検知でき、ドバイ警察本部にその情報を送信する。パトロールの負担を大幅に軽減することを見込んでいる。
ユニバーサルデザインで誰もが利用可能
車いすごと搭乗できるユニバーサルデザインを採用しており、すべての人がSPS-AMVの車内に乗り込むことが可能だ。すべての人が行政サービスを等しく受けられることを目指している。
今後はさらに、「不審者・不審車両の検出」「火災判定」「交通量調査」「道路状況の監視」「砂塵嵐・砂嵐予測監視システム」といった機能拡充を検討しているという。
同社は「アラブ首長国連邦を中心に中東での生活安全やQOLの向上に寄与できるようにさらなるアップデートにつとめる」としている。
農村部などで普及すれば地方と都市部の行政サービス格差を埋められる可能性を秘めている。自動運転については各国でいまだ厳しい規制があるが、それらを乗り越えて世界各国で普及してほしい。
文/DIME編集部