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NTTドコモがNFTを組み合わせて遊べるレーシングゲームを今年3月にリリース

2025.01.17

2024年12月、NTTドコモ(以下、ドコモ)がブロックチェーン技術の最新規格である「ERC-6551」を基盤にしたレーシングゲームをリリースする、と明らかにした。

後ほど詳述するが、ERC-6551規格によって、ブロックチェーン上に記録するデジタルデータ「NFT(Non-Fungible-Token/非代替性トークン)」を複数組み合わせて遊べるゲームは、世界初となる。

ゲームタイトルは「GT6551 CLOUD RACING」(以下、GT6551) 。ドコモが提供するWeb3.0のメタバース空間「MetaMe」で遊べる。

2025年1月29日にベータ版がリリース予定、また2025年3月頃に正式リリースを予定している。

「GT6551」ゲーム内容イメージ

まず、NFT(非代替性トークン)とは、デジタルデータ1つ1つを固有のものとして識別してかつ、データが本物であると証明するブロックチェーン技術である。

「GT6551」は最大4人で同時プレイ可能なWeb3.0上で遊べる対戦型のカーレースゲームで、MetaMe内でリアルタイム配信しパブリックビューイングができたり、観戦者モードとしてプレイヤーのマシンを撮影したりできる。

ブロックチェーン技術の最新規格と言われる「ERC-6551」。何がどうスゴい?

「ERC-6551」には“トークンバウンドアカウント”という専用のウォレット(財布)が作れる特長がある。これにより、一つのNFTの中に、複数のNFTを保存し、組み合わせたり、NFTと一緒に仮想通貨を保管したりできるようになった。

では、『NFTの中にNFT』が保存できると何がメリットになるのか。下図2つを使って解説する。

「ERC-6551」が出る前、「親NFT」と「子NFT」のデータは、同じ階層のデータとしていた。例えばスタンプカードの台紙と来店スタンプのデータを一元管理するのが難しく、現物の財布の中に、同じお店の会員証とクーポン券とポイントカードと……を雑多に入れている状態のイメージが近い。

「ERC-6551」では、これらを1つのグループとして一元管理できるようになったので、お店の会員証を親として、その会員証の中にクーポン券の情報やポイントカードの情報が子として記録されているイメージになる。

するとデータの管理がしやすくなるし、会員証を提示するだけで割引やポイントサービスが受けられるようになって便利というわけだ。

また、大量のNFTデータを他の人に譲渡する場合も、「ERC-6551」があれば譲渡したいNFTを入れたウォレットを1回移動すれば事足りるようになる。

レーシングゲーム「GT6551」は何が世界初?

NFTを活用したゲームは世の中に無数にある。では、ドコモのGT6551は何が世界初かというと親NFTに対し、子NFTで様々なカスタマイズができるゲームである点だ。

具体的には、上図のように、親NFT「レーシングカー」に対して、「部品」・「ドライバー」の子NFTで、性能やデザインをカスタムできる。

子NFTのカスタムは、一般的なレーシングゲームのカスタム方法とほとんど変わらない。

様々なIPホルダー(コンテンツホルダー)との連携やWeb3.0での連携も可能

ビジネス面では、GT6551内でカスタマイズし作成したNFTを他のユーザーと売買したり、別のゲームで使用したり、子NFTに、他のコンテンツとコラボしたNFTを用意したりと、複数の要素を交差させた経済圏作りがしやすくなるという。

仮想通貨をテーマにしたキャラクター「コインムスメ」をデザインした痛車ブロマイドの提供が2025年2月に行われる。本施策自体はNFTと直接関係ないが、このブロマイドがNFTデータ化されると、GT6551内で利用できるコラボNFTとして利用できる。

Web3.0の楽しみ方を増やす。GT6551が目指す世界

ドコモは、“「MetaMe」の利用拡大を進めるとともに、ERC-6551の価値や魅力を追及し(中略)web3のさらなる普及と社会実装の加速をめざす”として、Web3.0領域での開発に躍起だ。 

同 R&D戦略部 金井氏は記者発表会で、“ドコモが作ったゲームとは思えないイメージを持って欲しい”と述べ、大企業のイメージに囚われず、Web3.0コンテンツの楽しさを伝えようとしている。

成就させるためには、他プロジェクトや企業とのIPなどのコラボが重要だと言えるが、GT6551が実装されるプラットフォームMetaMeに対し、MetaMe SQUADという取り組みをドコモは行っている。

この取り組みでは、“さまざまなパートナーとの協創により、新しいサービス、ソリューションを生み出していく取り組み”(MetaMe SQUADより引用)としており、ドコモだけでは実現できないWeb3.0の楽しさを提供してくれそうだ。

文/久我吉史

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