「2025年問題」は誰も教えてくれない……!先回りして「テンバガー株」発掘を
「2025年問題」という言葉を聞いたことがありますか?団塊の世代がすべて75歳以上になり、75歳以上の人口が全人口の約18%になる“超高齢社会”のことです。マスコミなどではあまり取り上げられないものの重大な問題で、実は、この「2025年問題」を考えることで、将来、「テンバガー株」の候補に先行投資できるかもしれないのです。
※株価は2025年1月10日時点
「2025年問題」とは……
まず、「2025年問題」とは、今年、2025年に、団塊の世代(1947年から1949年生まれ)の人がすべて75歳以上になり、75歳以上の人口が全人口の約18%になることを指します。
約18%と数字を見るだけではよくわからないものですが、6人に1人が75歳以上と聞くと、かなり多いと感じるのではないでしょうか。
日本の少子高齢化は今後も高齢化は進んでいく予想で、2040年には65歳以上の人口が約35%、そして2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になる予想を厚生労働省がしています。
そして、この「2025年問題」で何が問題かというと以下の2つがあります。
・社会保障費(医療費・介護費など)の負担の増加
・ビジネスケアラー(仕事をしながら介護をする人)が増えるかもしれない
1.社会保障費の負担は昔と比べて増えている
国が払う社会保障給付費は、年々増えていて、2024年では137.8兆円。そして高齢化にともない、社会保障給付費は増えていくと考えられています。
社会保障給付費の増加に伴い、社会保障に関する国民負担率も増加していて、社会保障の国民負担率も、1990年では10.6%だったのが、2024年には18.4%に上がっています。また、実は、2024年に診療報酬改定も行われていて、自己負担割合が3割の場合、ほとんどの医療機関で窓口での支払いが、初診では27円、再診では12円増えています。また、
2.ビジネスケアラーが増えるかもしれない
高齢化によって、老人ホームなどの定員がいっぱいとなり、家族が高齢者の介護をしなくてはいけないかもしれません。仕事をしながら介護をする人のことを「ビジネスケアラー」と呼びます。2030年時点で家族を介護する人は833万人にのぼり、うち40%(318万人)をビジネスケアラーが占める見通しになるデータもあるほどです。
「2025年問題」を制する銘柄もある?
どうしても「2025年問題」を知ると憂鬱になってしまいますが、そんな中でも、「2025年問題」をきっかけにして「介護関連の株が上がるかもしれない」、「オンライン診療システムが普及するならこの銘柄に注目しても面白そう」とも連想できます。
■SOMPOホールディングス(8630)(株価4,005円、最低投資額40万500円)
3メガ損保の1つで、介護の面ではSOMPOケアを保有。配当利回りは3.3%。
介護・ヘルスケア事業では、「住みたい場所で受けたい介護」が受けられるように、在宅、施設、どちらのサービスも提供。売上高は業界第2位。
■チャーム・ケア・コーポレーション(6062)(株価1,250円、最低投資額12万5,000円)
近畿、首都圏で介護付きの有料老人ホームを展開。介護のほか不動産事業も。有料老人ホームでは高価格帯で、結果、高い利益率を誇る。配当利回りは2.72%。
■QLSホールディングス(7075)(株価848円、最低投資額8万4,800円)
認可保育所運営が柱だが、訪問介護やグループホーム型福祉施設等の介護・福祉と人材派遣も展開する。配当利回り1.18%。
■Zenken(7371)(株価501円、最低投資額5万100円)
Webマーケティング、サイト制作を手掛けるIT企業。介護面では、成長事業として「海外人材事業」を手がけ、日本で働きたい海外の人材、人手不足の日本企業とのマッチングを行う。配当利回りは2.59%。
■メドレー(4480)(株価3,735円、最低投資額37万3,500円)
オンライン診療システムの「CLINICS」をNTTドコモとともに運営。医療介護福祉の人材採用システムの「ジョブメドレー」も有名。配当利回り0%。
「時代を理解する」と次に上がる株がわかる?注目を
あまりメディアでは取り上げられない「2025年問題」ですが、高齢社会に伴い介護が必要な高齢者は増えていくのと同時に、介護をする人は減る現状を知っておきたいところです。憂鬱な問題ですが、どういった社会状況なのかを理解することで「株価が上がりそうな銘柄」を先手で買うこともできるかもしれません。
もちろん、上がるか下がるかは誰にも予想できないものですが、「時代の流れがこうなるから」求められる事業の株を買う方法もあります。
※株の売買を推奨するものではありません。投資はリスクもご認識のうえ、ご自身の判断で行ってください。
文/谷口久美子