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コスパだけじゃない!BYDのスポーツEVセダン「SEAL RWD」がお買い得な理由

2025.01.13

 BYDが日本に上陸したのは2023年のこと。コンパクトカーの「ドルフィン」、コンパクトSUVの「atto3」の2車種でスタートした。どちらもピュアEVだ。この時から3BOXセダンの存在は明らかになっていたが、2024年6月にようやく日本で販売を開始した。アルファロメオなどでチーフデザイナーを務めたドイツ人デザイナーのウォルフガング・エッガー氏が手がけたボディーミドルクラスの4ドアセダン「SEAL」。ボディサイズは全長4800mm、全幅1875mm、全高1460mmなので、ちょっと幅の広い「スカイラインGT」に似たサイズだ。

 試乗したのは1モーターのRWDだが、2モーターの4WDモデルも選べる。車両本体価格はRWDが528万円、4WDは605万円だが、国からの補助金がRWDなら45万円、4WDなら35万円。これに自治体からの補助金も加算された金額が差し引かれることになる。「スカイラインGT」クラスのサイズの4ドアセダンがこの価格で買えるなら決して高価な買い物ではない。

 実車は、フロントグリルのないスマートなマスクから滑らかな曲線でリアまでうまくまとまっている。クリーンな印象だ。ボディカラーは5色、内装は黒1色だが、アルカンターラや樹脂などがセンスよく使われている。

 広々感のあるインテリアで目立つのは15.6インチのタッチスクリーン。この画面がスイッチ操作で横置きから縦置きに回転する。シフトレバーは小さく、センターコンソールに収まっている。2台まで充電できるワイヤレス充電スペースに加え、2種類のUSBポートと12Vアクセサリー電源も備わっている。

 ホールドのよいスポーツシートと太めのスポーツハンドルがスポーティさを演出する。ドライブモードはECO/NORMAL/SPORTの3モード。これにステアリングとブレーキアシストにコンフォート/スポーツのモードが加わる。さらに回生ブレーキもスタンダード/強力が選択できるようになっている。

 NORMAL/コンフォートの組み合わせで走り出す。パワーユニットはBYD独自だ。元々電池メーカーだった同社は、自社開発の電池を搭載している。ブレートバッテリーと呼ばれている電池は、リン酸鉄リチウムイオン電池で従来の電池よりも容量が小さく、出力が大きいという特徴がある。さらに発熱量も少ないので、トラブルが発生しにくいということでも安心感がある電池といわれている。「SEAL」用の電池は容量が82.56kWh。モーターの出力は312PS、トルクは360Nmで、後車軸の上に搭載されているので、車体後部に動力源があるがリアエンジンではない。従ってRRではなくRWDという表記になる。

 車両重量2100kgで、この出力/トルクは、十分なスポーツ走行を楽しませてくれる。4WDよりも110kg軽い車重がコーナリングを楽しくさせてくれる。コーナーから立ち上がりも0→100km/h、6秒台の駿足を生かし鋭いコーナリングができる。Nモードでのハンドリングは直進時はやや重めだが、レーンチェンジなどでの切り込みは抵抗も少なく、素直。コーナーでは戻しはやや強めだ。Sモードに切り換えると、直進時のどっしり感が強くなり、コーナーでの切り込みは重くなる。

 スポーツセダンとしてはマイルドな味付けのクルマといえる。乗り心地はNモードでも硬め。路面からのザラつきやゴツゴツした入力は低・中速域で体感できた。Sモードはザラつきはあまり変わらないが、上下動のキツさがやや大きくなった。タイヤはコンチネンタル「エココンタクト6」の235/45R19を装着していた。ミドルクラスの4ドアセダンということで、後席の乗り心地や使い勝手もポイントになる。

 後席の着座はやや低め、背もたれは若干寝かせ気味で、リクライニングはなし。床はフラットで、狭さは感じなかった。困ったのは天井が前から後ろまでの大きな1枚のパノラミックガラスルーフ。陽射し除けのシェードは装備されているが、真夏の連日35度オーバーの天候では室内の暑さも厳しいものがある。日本でガラスルーフ車に乗るのは今後、体に悪いかもしれないと感じるほどだ。

 後席は、背もたれが6対4で前倒しトランク部と一体になる。荷室と室内は6cmほどの段差はあるが、長尺物の出し入れに不便はない。トランク部分は上下約46cmの高さがあり、左右幅は1~1.2mなので、ゴルフバッグの横積みもできる。内部は全面に内張りがされており、高級車の雰囲気だ。床下には深さ16cmほどのサブトランクも備わっている。ここに200V家庭用充電ケーブルを収納することができるので、使い勝手はよかった。

 安全性能に関しても標準的な装備は搭載されているほか、幼児置き去り検知システム、ペダル踏み間違い時加速抑制装置など20項目以上が標準装備されている。

 さて、2024年6月から販売を開始したBYD「SEAL」だが、今や国産車でミドルクラスの3BOXは「スカイラインGT」とレクサス「IS」だけになってしまった。マツダの「MAZDA6」は昨年生産中止を発表した。ミドルクラスの3BOXセダンにこだわるなら、メルセデス・ベンツ「Cクラス」、BMW「3シリーズ」、アウディ「A4」かアルファロメオ「ジュリア」ぐらいしか選択肢はない。

 BYD「SEAL」はEVではあるが、航続距離は長く、同社自製の電池は電費もよい。クルマの品質も、サービス網も増えている。リースか残価設定ローンでの購入を考えるのもよいかもしれない。

■関連情報
https://byd.co.jp/e-life/cars/seal/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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