両車の後席分割方式にも注目したい
そしてレイバックの後席分割に注目だ。レイバックに後席エアコン吹き出し口があるとともに、後席分割は4:2:4。クロストレックの6:4分割に対するメリットは、2部分がアームレストとして機能するとともに、2部分を倒すことで幅220mmのスルー空間が生まれること。4名乗車で長尺物を積み込めるだけでなく、大型犬などをラゲッジルームにやむ終えず乗せる際も、愛犬と乗員のアイコンタクトがしやすくなり、エアコンの冷風も届きやすくなるわけだ。※愛犬の特等席はあくまで後席。
脱出性能を高めるXモードとAC100V/1500Wコンセントはクロストレックのみに搭載
スバルのSUV、クロスオーバーモデル自慢の走破性でも両車はやや異なる。レイバックが「都市型クロスオーバーモデル」と説明されていることからも分かるように、スバル自慢の脱出性能を高めるXモードは、エクステリアデザインのSUVテイストがより強いクロストレックに完備しているものの、レイバックはXモード不採用。最低地上高200mm、シンメトリカルAWDに変わりはないが、悪路の走破性という点では、両車ともに十二分ながら、最悪のシーンではクロストレックがやや有利ということになるりそうだ。
というわけで、価格が接近するクロストレックのプレミアムS:HEV EXグレードとレイバックでは、燃費性能ではストロングハイブリッドのクロストレックがリードするのは当然で、車内外で湯沸かしポットや簡易電子レンジなどの使用が可能になるAC100V/1500Wコンセントがメーカーオプションで用意されるのもクロストレックのストロングハイブリッドモデルならではだ。
価格が接近する両車のEXグレードの選択はこの点をチェック
アイサイトXの先進運転支援機能(クロストレックのEX)や走破性の高さなどについては互角と言っていいが、しかし、とくに後席のゆとり、暑い時期の快適性、そしてラゲッジルームの使い勝手でレイバックが兄貴分としてのプライドを発揮する・・・というのが両車の違いとなる。車格感や後席&ラゲッジルームの広さ、後席の快適性、高級サルーンに匹敵する素晴らしすぎる乗り心地の良さと、スバル車史上最上の車内の静かさを重視するならレイバック、燃費性能を含めたオールラウンダー性能を優先するならクロストレックのストロングハイブリッドモデルの選択ということになるだろうか。
いずれにしても、どちらを選んでも、操縦安定性、スバル史上最上の、しつこいようだが特筆すべき快適性&車内の静かさ、そして改めて説明するまでもないスバル自慢の走破性の高さに満足できることは間違いない。ひとつふたつ付け加えれば、まずは音楽好きに人にとっては、レイバックが向くということ。理由はハーマンガードンサウンドシステムが標準装備されるからである。このサウンドシステムはクロストレックには用意されない。そしてスバルユーザーに多い愛犬家と愛犬にとっては、この@DIMEで公開済みの「ドッグフレンドリーカーアワード2024-2025受賞」のレイバックが一歩リードすることになるだろう。
文/青山尚暉