レイバックはレヴォーグのクロスオーバーモデルだが・・・
ところで、クロストレックとレイバックは血の濃い2台とも言える。というのは、レイバックがレヴォーグをただクロスオーバー化しただけでない最大の理由として、足回りがある。実は、レヴォーグ用ではなく、スバル車最上の乗り心地を実現した(クロストレックデビュー時点)クロストレックのものを用いているのだ。タイヤもクロストレックで大好評、開発陣からしても想定以上のマッチング!!と言われる、操縦安定性の高さ、乗り心地と静粛性の評価が極めて高いファルケンのオールシーズンタイヤ(専用品でサイズ違いの225/55R18サイズ)を共用しているところもそうである。
両車EXグレードにはアイサイトXが搭載される
さらに、EXグレードのみのレイバックとクロストレックのEXグレードでは、スバル最新の進化した先進運転支援機能のアイサイトはもちろん、高度運転支援システムのアイサイトXも装備され、カーブ前速度制御、料金所前速度制御、アクティブレーンチェンジアシスト(約70~120km/h)、さらには渋滞時ハンズオフアシスト(0~約55km/h)などの機能も備わることになる。
弟分のクロストレックには2・5Lエンジン+高出力モーターを搭載
かんじんのパワーユニットは、クロストレックのストロングハイブリッドモデルがFB25型水平対向2・5Lエンジン、160ps、21.3kg-m。モーター119.6ps、27・5kg-m。一方、レイバックはCB18型水平対向1・8L直噴ターボ”DIT”177ps、30.6kg-mとなり、ミッションはいずれもリニアトロニックCVTである。つまり、弟分のクロストレックのほうがいきなり大排気量エンジンを搭載し(HVシステムとのマッチング、燃費的に有利とされる)、さらにストロングハイブリッドの所以となる高出力のモーターを備えている違いがある(だからクロストレックの価格が兄貴分のレイバックに迫るとも言える)。燃費性能の差はすでに報告した通りだ。
両車の室内空間とラゲッジルームを比較する
そう書くと、ストロングハイブリッドのクロストレックとレイバックの選択でさらに悩ましくなりそうだが、室内やラゲッジルームはどうだろう。前後席のスペースについて、身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準にして紹介すると、クロストレックは前席頭上に180mm(サンルーフ装着車)、後席頭上に100mm(サンルーフ装着車)、後席膝周りにゆったりとした210mmのスペースがある。
一方、レイバックは前席頭上に190mm(サンルーフ装着車)、後席頭上に135mm、後席膝周りに220mmのスペースが確保され、とくに後席居住空間のゆとりでは、さすがに一回り大きいレイバックがリードする。
ここで特筆すべきは、後席エアコン吹き出し口の有無。インプレッサ、クロストレックともに後席エアコン吹き出し口は未装備。しかしレイバックにはレヴォーグ同様に後席エアコン吹き出し口が備わる(後席シートヒーターも用意)。2024年の夏のような酷暑の中でドライブする際、後席乗員(あるいは愛犬)にとってより快適なのは後席エアコン吹き出し口のあるレイバックということになりそうだ。
ラゲッジルームはどうか。ハッチバックモデルのインプレッサをベースとするクロストレックは、開口部地上高750mm(フロア段差65mm)、フロア奥行き815mm、フロア幅1060mm(ホイールハウス部分)、天井高700mm。後席格納時のフロア長1395mm(フロア形状はほぼフラット)。後席分割は6:4。
一方、レイバックは開口部地上高690mm(フロア段差65mm)、フロア奥行き1080mm、フロア幅1075mm、天井高700mm。後席格納時のフロア長1640mm(フロア形状はほぼフラット)。さすがにレヴォーグというステーションワゴンベースでボディサイズに余裕あるレイバックのほうが、ラゲッジルームは大容量ということになる。