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【CES2025】NVIDIAが生成フィジカルAIによりOmniverseを拡張

2025.01.12

世界の物的産業をデジタル化するための基盤ライブラリとして機能

NVIDIAは、現地時間2025年1月7日より米国ネバダ州ラスベガスにて開催中の「CES2025」において、NVIDIA Omniverseの統合をロボティクス、自律走行車、ビジョン AI などのフィジカル AI アプリケーションへさらに拡張する生成 AI モデルとブループリントを発表した。

Accenture、Altair、Ansys、Cadence、Foretellix、Microsoft、Neural Concept は、Omniverse を自社の次世代ソフトウェア製品や専門サービスにいち早く統合した企業だ。

産業オートメーションのリーダーであるSiemens は本日、CES トレード ショーで、NVIDIA Omniverse ライブラリを搭載した最初のSiemens Xcelerator アプリケーションである Teamcenter Digital Reality Viewer の提供開始を発表した。

NVIDIA の創業者・CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang)氏は、今回の発表に際して次のように述べている。

「フィジカル AI は、50 兆ドル規模の製造および物流業界に革命をもたらします。自動車やトラックから工場や倉庫まで、移動するものはすべてロボティクス化され、AI によって具現化されるでしょう。NVIDIA の Omniverse デジタル ツイン オペレーティング システムと Cosmos フィジカル AI は、世界の物的産業をデジタル化するための基盤ライブラリとして機能します」

新しいモデルとフレームワークがフィジカル AI の世界構築を加速

フィジカル AI シミュレーション用の 3D 世界を作成するには、世界の構築、物理属性による世界のラベル付け、フォトリアル化という 3 つのステップが必要となる。

NVIDIA は、各ステップを加速する生成 AI モデルを提供している。USD Code およびUSD Search NVIDIA NIM マイクロサービスの一般提供が開始され、開発者はテキスト プロンプトを使用して OpenUSD アセットを生成または検索できるようになった。

今回発表された新しい NVIDIA Edify SimReady 生成 AI モデルは、既存の 3D アセットに物理やマテリアルなどの属性を自動的にラベル付けを行なうため、開発者は 1000個の3D オブジェクトを、手動で40時間以上かかっていた処理を数分で完了できるという。

NVIDIA Omniverse は、新しい NVIDIA Cosmos 世界基盤モデル と組み合わせることで、合成データ乗算エンジンを作成し、開発者が制御可能なフォトリアルな合成データを大量かつ簡単に生成可能とする。

開発者は Omniverse で 3D シナリオを作成し、画像や動画を出力としてレンダリングできる。その後、これらをテキスト プロンプトとともに使用して Cosmos モデル を調整し、フィジカル AI トレーニング用の無数の合成仮想環境が生成可能になる。

■NVIDIA Omniverse Blueprint が産業とロボティクス ワークフローを高速化

CES 基調講演において、NVIDIA は、開発者がフィジカル AI 用の Universal Scene Description (OpenUSD) ベースの Omniverse デジタル ツインを簡単に構築できるようにする4つの新しいブループリントも発表した。このブループリントには以下が含まれている。

・Megaは、Omniverse Sensor RTX APIを搭載し、実世界の施設に導入する前に、産業用の工場や倉庫のデジタル ツインでロボット フリートを大規模に開発およびテストできる。

・Autonomous Vehicle (AV) Simulation も Omniverse Sensor RTX APIを搭載。AV開発者は運転データを再生して新しいグラウンド トゥルース データを生成、クローズド ループ テストを実行して開発パイプラインを加速できる。

・Omniverse Spatial Streaming to Apple Vision Pro は、大規模な産業用デジタル ツインを Apple Vision Pro に没入型 ストリーミングするための アプリケーション を開発者が作成するのに役立つ。

・Real-Time Digital Twins for Computer Aided Engineering (CAE)は、NVIDIA CUDA-X アクセラレーション、フィジカルAI、および Omniverse ライブラリ上に構築されたリファレンス ワークフローで、リアルタイムの物理可視化を可能にする。

また、開発者が OpenUSD ベースの世界をこれまで以上に迅速に構築できるように、新しい無料の Learn OpenUSD コースも利用可能になった。

市場のリーダーが NVIDIA Omniverse を使用して産業用AIを強化

ソフトウェア開発とプロフェッショナルサービスの世界的リーダーは、Omniverseを使用して、産業用 AI の次の時代を加速させる新しい製品とサービスを開発している。

電子システム設計のリーダーであるCadence は、Reality Digital Twin データセンター デジタル ツイン プラットフォームでのOmniverse ライブラリの採用を基に、世界最大の半導体企業が使用する主要な電子コンピューター支援設計アプリケーションである Allegro への Omniverse のさらなる統合を発表した。

計算知能のリーダーである Altair は、インタラクティブな計算流体力学 (CFD) 用のリアルタイム CAE デジタル ツインに Omniverse ブループリントを採用している。

Ansys は、主要な CAE アプリケーションである Ansys Fluent に Omniverse を採用している。また、Neural Concept は、Omniverse ライブラリを次世代ソフトウェア製品に統合し、リアルタイム CFD を実現してエンジニアリング ワークフローを強化している。

大手グローバル プロフェッショナル サービス企業の Accenture は、Mega を使用してドイツのサプライ チェーン ソリューション リーダーである KION を支援し、同社のグローバル倉庫および配送顧客ネットワーク向けに次世代の自律型倉庫とロボット フリートを構築している。

データ ドリブンの自律開発のリーダーであり、 AV ツールチェーン プロバイダーの Foretellix は、AV Simulation ブループリントを使用して、最適化された AV テストと検証のための完全な 3D センサー シミュレーションを実現している。研究機関の MITRE も、ミシガン大学の Mcity テスト施設と共同でこのブループリントを採用し、業界全体の AV 検証プラットフォームを作成している。

Katana Studio は、Omniverse Spatial Streaming ワークフローを使用して、日産自動車とVolkswagenのカスタム カー コンフィギュレーターを作成。没入型エクスペリエンスで自動車モデルを設計およびレビューしながら、顧客の意思決定プロセスを改善できるようにしている。

エンタープライズ向け XR ストリーミング プラットフォームである Innoactive は、Omniverse Spatial Streamingワークフローを活用して、Apple Vision Pro に空間ストリーミングのプラットフォーム サポートを追加した。このソリューションにより、Volkswagen Group は人間の目の解像度で設計およびエンジニアリング プロジェクトのレビューを実施できる。

Innoactive はまた、医薬品製造向けの処理およびパッケージング技術ソリューションのプロバイダーである Syntegon と連携して、Syntegon の顧客がカスタム インストールのデジタル ツインを実際に構築する前に確認してレビュー可能にした。

本リリースに記載されている製品や機能の多くはまだ様々な段階にあり、利用可能になった時点で提供される予定です。記述は、コミットメント、約束、または法的義務として意図されたものではなく、またそう解釈されるべきでもありません。また、NVIDIA製品について説明された特徴や機能の開発、リリース、および時期は変更される可能性があり、NVIDIA単独の裁量に委ねられます。NVIDIAは、ここに記載された製品、特徴または機能の不提供または遅延について、いかなる責任も負いません。

関連情報
https://www.nvidia.com/ja-jp/events/ces/

構成/清水眞希

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