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なぜ、走力を生かすことを掲げたのか?大谷翔平50-50達成の舞台裏

2025.02.08

10年総額7億ドル(約1078億円)という超大型契約を結んで移籍した大谷選手。注目が集まる中、打者に専念して挑んだ2024年は様々な記録を打ち立てる。その背景には野球に対する飽くなき取り組みがあった。

日刊スポーツ・ノブ斎藤 特別寄稿
「走力」をテーマとし監督が求める野球の完成形に近づけた

 2024年9月19日にメジャーリーグ史上初の「50—50(50本塁打&50盗塁)」を達成し、長打力とスピードを兼ね備えた最強打者となった大谷選手。首位打者こそわずか打率4厘差で届かなかったが、54本塁打、130打点はリーグ2冠。シーズン最終戦まで3冠王を狙える位置につける圧倒的な成績を残して、7年目で打者としてキャリアハイのシーズンを送った。

 2023年12月、エンゼルスからドジャースに移籍。入団会見で「優勝を目指しながら、まずは欠かせなかったと言われる存在になりたい」と意気込みを語った。そのために「まずは環境とともに、チームメイトにも慣れることが最優先」。シーズン中、繰り返し口にした言葉だ。

 昨季は44本塁打でア・リーグの本塁打王を獲得した。当然のように長打力を期待される中で、大谷選手は1つ大きな目標を設定。「走力」を生かすことを掲げた。

 ロバーツ監督が選手に求めるプレーは、進塁打やチーム打撃など数字には表れない部分で貢献する「緻密さ」だ。本塁打など大味な攻撃だけでなく積極的な進塁で1点を取りにいく。そのスタイルを大谷選手が実践していた。全力疾走を怠らない姿勢、球際の強さ、劣勢を挽回する精神力……。それらは大谷選手の強みでもあった。

 開幕当初はチームへの貢献を意識し、本来のプレーができなかった。だが「自分らしくいてくれたらいい」とロバーツ監督から言葉をかけられ、自分の長所を再認識。4月21日にメジャー通算176本塁打をマークし、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏の日本人最多本塁打の記録を塗り替えた。

 一方、6月1日にはメジャー通算100盗塁に到達。松井稼頭央氏、イチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)に次ぐ大台となった。大谷選手はシーズン59盗塁でスピード面でも日本人選手の新記録を作った。

 パワーとスピード。どちらかに偏れば、どちらかがおろそかになる。「40—40(40本塁打&40盗塁)」は、100年以上のメジャーリーグの歴史で史上6人目。「50—50」は史上初で、いかに両立させることが難しいかがわかる。

 データ上の数字では、2023年はチーム盗塁数105でナ・リーグ11位だったが、今季は136で同6位(西地区で1位)に改善。ドジャース野球と「打者・大谷」の能力が完全に融合し、理想的な攻撃の形が増えた。「ホームランも出てますけど、それ以外の走塁だったり犠牲フライだったり、そういう細かいところがしっかりできているのがいい野球につながっている」(大谷選手)。ロバーツ監督が求める野球スタイルは大谷選手の加入で一気に完成に近づいた。

 11月21日(日本時間22日)、大谷選手は2年連続の満票でナ・リーグのMVPに輝いた。移籍1年目の重圧と戦い、投手のリハビリを行ないながら最高の栄誉を得た。さらにそれが、チームの勝利に直結したことに価値がある。

「チームが特別な結果を出した年に、個人としてもこういう評価をいただいたことは、もちろん特別。今後の励みになる」と大谷選手。打者でキャリアハイに到達し、世界一にも貢献。格別の充実感をにじませ、有終の美を飾った。

大谷翔平

大谷翔平開幕直後は苦しみ、40打席ノーアーチは自己ワースト。冷静沈着な男がチームに溶け込むことを意識するあまり、本来の打撃を見失うことも。しかし、6月には12本を放つと、終盤の8月に12本、9月に10本と量産体制に。スピードを持ちながら、ここまでのパワーも兼ね備える日本人選手は過去にはいなかった。

大谷翔平3月は1、4月は4、5月は8と、序盤の数字だけを見ればそれほど盗塁数は多くなかった。しかし、7月に12を記録すると、盗塁の数を驚異的なペースで積み上げていく。8月に15、9月に16とし、59盗塁をマーク。イチロー氏のシーズン56盗塁という日本人最多記録を23年ぶりに塗り替えたのである。

取材・文/斎藤庸裕(ノブ斎藤) 撮影/田口有史
※日時はすべてアメリカ現地のもの

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