ウケるショートドラマをつくるポイント3つ
果たして、数字のとれる、多くの人に拡散し、見てもらえるショートドラマはどう作ればいいのか。ポイントを3つ教えてもらった。
1.共感できるテーマ選定
2.冒頭で物語のテーマがわかること
3.視聴者の感情移動を意識した展開
「上記の3つが制作においてとても重要です」
具体例を見ていこう。参考に、同社が手がける『マジクソかんぱにー』というTikTokアカウントで特にヒットした動画について教えてもらった。
このアカウントでは基本的に社会問題、例えば働く中での理不尽さや差別などをリアルに描くショートドラマを発信している。
そのような中、「契約社員はこき使われるけれど給料はよくなくて、正社員はほとんど働いてないのに給料はよい」といった問題を表現した作品「雇用の隔壁」は、多くの反響があったという。
出典:「雇用の隔壁」一話「なんで私が…」(「マジクソかんぱにー」)
動画を見てみると、3つのポイントを見事に押さえていることがわかる。
ショートドラマを制作するときのよくある失敗ケース2選
一方、ショートドラマを制作する際に、企業がよく失敗するケースがあるという。2つを挙げてもらった。
1.最初の数秒で惹きつけられず見てもらえない
「テレビドラマは、視聴者が『この人が出ている・話題になっている』という理由から食事などの時間に“見よう”という姿勢で見ると思いますが、SNSなどのショートドラマは軽い好奇心から見てもらうのが一般的です。
そのため、最初の数秒で“見てしまう”状況にしないと見てもらえません。そのため冒頭でインパクトがなかったり、テーマがよくわからないまま始まってしまうと、見られにくいですよね。制作の際にはその点を意識してみてください」
2.お金と時間をかければ良いものができると思っている
「脚本家・演者・機材等のプロを集めれば、ショートドラマの制作はできると思います。ただし、それが数字を取れるコンテンツになっておらず、お金と時間をとてつもなくかけて制作した自己満足な動画で終わるケースがよくあります。
弊社では作品づくりの際に、『手もとにある素材と低予算で、最高のパフォーマンスを出せるのか?』という点を重要視しています」
ショートドラマのブームは来るか?
ショートドラマは今後、さらにブームはくるだろうか。予想や展望を聞いた。
「間違いなく来ると思います。2029年には世界では8兆円の市場規模が予想されています。ITの発達により情報を早く簡単に仕入れられるよう『タイパ』を重要視する価値観が加速し、企業がそうした状況下で認知努力をする方法として、ショートドラマや映画を利用していくだろうと考えています。ショートドラマや映画などは、視聴者が1コンテンツに対して投下する時間が長いからです。それらをマーケティングに活用することが認知と購買を生み、企業側はさらなる利益を見込めます。
また、GDPトップ層のアメリカ・中国ではすでに普及しているジャンルということもあり、今後、日本にも必ず浸透すると確信しています」
まさにトレンドの浸透段階と言える今、ショートドラマに親しんでおきたい。
取材・文/石原亜香利
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