近年、企業発信のSNS動画や広告などでショート動画を配信するケースは多いが、中でも特に注目を集めているのが“ショートドラマ”だ。
短い動画の中で、短編や続きものなどでストーリーが展開される。今後、ショートドラマのトレンドが来るともささやかれていることから、今のうちから、早めに取り組んでおくのもよさそうだ。
そこで今回は、ショートドラマについて先駆けて注目し、SNSを中心としたWebマーケティング支援や映像制作、そしてショートドラマ制作事業などで企業をサポートしながら、自らも制作・出演に注力する株式会社Diffuseの代表取締役 島田貴行氏に制作のコツなどを聞いた。
【取材協力】
株式会社diffuse 代表取締役社長 島田貴行氏
アメリカ生まれ、日本育ちの中国人で上海外国語大学卒業し、中国の広告代理店→人材会社の営業・CA・を経験後→フリーランス1年後、緊急事態宣言発表日に人材会社を起業。2021年9月株式会社diffuseを設立。TikTokで『社長社長シリーズ』の先駆者。総合フォロワー:18万人
そもそもショートドラマとは?
SNS動画のうち、ショートドラマはどのような動画なのか。島田氏は次のように話す。
「ショートドラマは、テレビドラマのストーリーを数分に、コンパクトにしたものだと考えています。また最近では撮影方法や編集がショートドラマに近いコンテンツをよく見かけますが、弊社ではそれらを『ショートコント』と定義しています。ショートドラマは一つのテーマに対して『物語』になっているかどうかを判断基準としています。一方、ショートコントは物語ではなく、ある場面を演出しながら『お笑い要素』を入れている形です」
島田氏によれば、このところショートドラマがトレンドになっている背景として、大きく2点が考えられるという。
一つは、長時間の動画視聴を避けたいタイパを気にするZ世代の影響、もう一つは、企業のマーケティングとの調和性。通常の動画ではなかなか切り込めない「攻め」の企画も、架空のストーリーで、しかも短尺であれば企業は発信しやすいところがある。実際、同社には企業からのショートドラマ制作ニーズも増えているそうだ。
ショートドラマのネタ決めのコツ
ショートドラマを作るというと、商品サービス訴求動画と比較して、ストーリーやネタに困りがちだ。どのように決めるのがいいのか。
「商品が伝えたい『ワンメッセージ』×『ブランドに合っている世界観のテーマ』で考えることをおすすめします。ドラマづくりにおいて、企業が自社サービスの特徴を全面に出すことがよくありますが、それはドラマではなく、CMや広告です。ドラマというのは、『世界観を作る』ことを得意としています。ですので、ブランドとしての世界観を表現することを考えて、一話一話を制作し、視聴者に楽しんでもらう。その結果として認知、購買、検索などに結びつくと考えています」