名古屋大学の現役学生が開発したおもちゃ「テグミー」のビッグサイズ版
ビッグテグミーを開発したのは、千葉県柏市に本社を置く「株式会社エドギフト(以下「エドギフト」)。その元となっているのは、同社が2021年に開発した、パーツの溝同士を挿し込むだけで無限の作品を組み立てることができる新感覚の組み立て知育玩具「TEGUMII(テグミー)」だ。開発から製造、販売まで全て名古屋大学の学生のみで行い、グッドトイアワード2023やグッドデザイン・ニューホープ賞を受賞するなど、高く評価された。
パーツの溝(スリット)同士を挿し込みさまざまな形を創造することができる。組み立ての自由度が高く、集中力・発想力・思考力を楽しみながら養える
名古屋大学大学院工学研究科出身で、エドギフト代表取締役の村松美穂氏によると、エドギフトは「才能に届ける」をミッションに、子どもたちの創造力を掻き立てるサービスを展開するために設立した会社。創業当初はオリジナルのボードゲームを作成するワークショップの実施をメインに行い、その後、おもちゃ開発に踏み出し、テグミーを開発したという。
「『ビッグテグミー』は、既存ラインナップである『テグミー』をもっと大きくしてもっとワクワクするおもちゃにしたい!という想いから生まれたプロダクツですが、同時に『おもちゃで防災』を掲げ、普段は楽しいおもちゃとして、そしてもしもの時には、マットに、椅子に、小さな棚に、姿を変えて生活を支えます。もしものことは無いに越したことはないのですが、その時にはビッグテグミーが少しでも助けになったら嬉しいです」(村松氏)
フェーズフリー認証を取得したことから、防災に興味のある自治体やショッピングモールなどからの問い合わせが相次ぎ、イオンモールの複数店舗でビッグテグミーをキッズスペースに導入しているという。
同社では、ビッグテグミーをより多くの人に知ってもらい、手に取ってもらうことを目的としてクラウドファンディングを2024年10月7日から11月30日まで実施。50万円の目標金額に対し、27人の支援により 101万円以上の資金を集めた。また同プロジェクトでは、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ(埼玉県さいたま市)と連携して、全国の児童施設への寄贈活動も行っている。
「ビッグテグミーはこれから、子ども達が集まる施設に導入いただくとともに、キッズイベント・防災イベントを通してたくさんの方々に広めていきたいです。災害大国日本において、ビッグテグミーが災害時における子どもたちを取り巻く環境のさらなる向上に寄与すると信じております」(村松氏)
取材・文/桑原恵美子
取材協力/株式会社エドギフト