「万が一の時のために、一定量の食料を備蓄しておきたい」「でも備蓄しておくスペースがない」――そんな課題を解決するために、普段食べている食品を多めに購入し、日常生活で消費しながら備蓄する「ローリングストック」は、今やすっかり定着した。次に注目されているのが、身のまわりにあるモノやサービスを、日常時はもちろん非常時にも役立つようにデザインしようという考え方「フェーズフリー」。
ふだんは目につきにくいところに収納し、非常時にだけ取り出して使うこれまでの防災用品とは違い、日常で便利に使えて非常時にも役立つ…そんなフェーズフリーの考え方をまさに体現した玩具「ビッグテグミー」が今、注目されている。
日常で便利に使えて非常時にも役立つ「フェーズフリー」
ビッグテグミーは、緻密に計算された互換性がある6種類のパーツを使って自由に組み立てられるおもちゃ。柔軟かつ頑丈、口に入れてしまっても害のない素材(EVA)を使用しているので子どもでも安心して遊べ、組み立てた時にはしっかりと組み上がる頑丈さがある。
一つひとつのパーツが大きいため、小さな子どもが頭と身体をダイナミックに動かすことができる
避難所で、欲しいものを作り出す過程が“遊び”になる
そしてビッグテグミーのもうひとつの利点は、被災した時、「おもちゃ」から「生活用品」に変わること。
災害時の避難拠点としては、小中学校などの体育館などが設定されることが多くあるが、快適にすごすためのちょっとした生活用具がないことが避難者のストレスになる。そんな時ビッグテグミーは、柔らかいマットや棚、腰かけられる椅子など、被災現場で足りないモノの代わりになるとともに、避難所に遊び心を提供することができ、モノの不足と遊びの不足の両方にアプローチできるプロダクトだという。またく柔らかい素材のため、騒音がストレスになりがちな避難所での静かな遊びが可能なことも特徴だ。
災害時には避難所等で椅子や棚といった「足りないもの」の代わりになりながら、「遊びの不足」も解消
こうした利点からビッグテグミーは、商品やサービスが日常時も非常時も価値を持つことを一般社団法人フェーズフリー協会が認証する「フェーズフリー認証」を、おもちゃで初めて取得している。
収納力の高い平面設計なので、収納時は分解し、隙間や空いているスペースに保管が可能。ビッグテグミーで収納ケースを作ってその中に保管することもできる