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YouTubeチャンネルの登録者数約70万人、4500人が相談の回答を待つ大人気僧侶・大愚和尚こと大愚元勝氏初の恋愛本『愚恋に説法』(小学館)が好評発売中! 2600年前の仏教の教えをヒントにして、現代人が抱える恋愛の悩みに対する処方箋や、愚かな感情に振り回されない心のあり方を指南しています。 @DIMEでは、同書に収録しきれなかった恋愛相談を特別に公開中。今回のお悩みはこちら。
悩み:恋人やパートナーを傷つけずにセックスを断る方法はありますか?
長く交際を続けていくうちに、恋人とセックスしたいと思わなくなった。人として一緒にいるのは嫌じゃないのに、なぜこの心の変化が起こるのでしょう。
理由として飽きた、ということもあると思います。最初は新鮮だったけど、だんだん飽きてしまい、頻度が減ってしまう。
それ以外に、セックスのどこかのプロセスに苦痛が伴う経験があった場合は、もう少し複雑です。そもそも、セックスに関しては、肉体的そして精神的要素が絡み合うので、お互いの食い違いも発生しやすくなります。
つまりあなた側の「したくないなりの理由」もあるはずだということです。
関係を続ける上で「すれ違っているな」と感じた時には、話しにくい話題ではありますが、時々二人でそういう話をしてみたほうがいいでしょう。
とはいえ、腹を割って話をするには、心に余裕がないと難しいですよね。まず、すれ違いを深めないために大事なことのひとつに「セックスの断り方」があります。
セックスを断られた時の男性心理
よく男性はセックスを断ると傷つくと言われます。それはなぜか。
仏教では相手を、好き、嫌い、どちらでもないという3分類にカテゴライズする「貪瞋痴(とんじんち)」という考え方があります。
・貪=好き
・瞋=嫌い
・痴=どちらでもない(無関心、知ろうともしない)
この「貪(とん)=好き」の状態で、気持ちが高まりセックスしたいと思う時に出てくるのが「欲」です。この欲が強ければ強いほど、それが満たされない時に怒りが出てきてしまいます。
この「なんでだよ」という怒りから、男性は「拒否された」「自分はダメなんだ」と思い込み、傷つくのです。
男性にとってセックスは、命をかけて遺伝子を残すという本能的に最大報酬を得る行為でもあります。そこに向かって本能的なモードになり、アイドリング状態であなたを待っている時に「ごめんなさい」と断られる。それは、いきなり出発前にエンジンを切られてしまうわけで、「ショックを受ける」「萎える」という状態になり、心が折れて傷ついてしまうのです。
女性側からすれば「 女心をわかってほしい・察してほしい」と思うかもしれません。でも、男性側は断られる理由がわからない。はっきりしない場合、男性の心が離れてしまう原因にもなりかねないので、伝え方にも注意してほしいのです。
相手を傷つけないセックスの断り方
相手を傷つけないコツとして大事なのは「断る理由」です。上手に伝える方法は2つあります。
(1)「体調が悪い」など理由を伝える
(2)精神的にそういう気分になれない理由を伝える
大事なのは、できるだけ具体的な理由を伝えることです。「お腹が痛い」や「頭が痛い」など、本当に体調が悪いことを伝える断り方をする場合、相手側の男性は傷つきません。むしろ「あ、そうなんだ、ごめん、それはごめんごめん」という話になるはずです。
もうひとつ、精神的な理由もしかりです。「会社でこういう嫌なことがあった」とか「お母さんが病気になっちゃって、そのことが心配でそんな気分になれないの。ごめんなさい」と伝える場合、相手を傷つけることにもならないし、理由も具体的にわかっていいと思うんです。
男性も若いうちは欲が先行してしまい、「なんで?」と言ってしまいがちですが、ある程度の年齢になって断られた場合「あ、そういうことなのね」と理解できるはずです。
それでも「傷ついた」なんていう男は、そもそも自分のことしか考えてないので選んではダメだと思います。
ちゃんとした大人でお互いを思いやる関係があって、納得するような理由があれば、相手を傷つけることはないと思います。むしろ「そうだったんだ」と、理解が深まるはずです。
お互いを知るためにも「会話」でコミュニケーションしよう
相手との関係において、自分が精神的に「嫌」でそういう気になれない時もあると思います。そんな時はきちんと「何でしたくなくなったのか」の原因を自分の中で明確にしましょう。そして、それが明確になったら、相手と話し合ったほうがいいと思います。
セックスの問題は、精神&肉体的にもデリケートです。でも、どちらかが何かを我慢しながら「幸せだね」という状況にはなかなかなれません。
話しづらい場合はこの記事か、『愚恋に説法』の本をきっかけに使ってください。
「私から言い出したんじゃないよ!大愚和尚がそう言ってるから」
と前置きして自分の気持ちを伝えたり、「こうしてほしい」と具体的に話したりしてみましょう。
大事なのは、対話も、セックスも、お互いを知るためのコミュニケーションと考えてきちんと二人で向き合うことです。いろいろとお互いに本音を話して、試行錯誤を重ねて向き合うことで、二人の関係はよい方に円熟していくと思いますよ。
大愚和尚初となる恋愛攻略本が新発売!
なぜ人は「愚かな恋」に振り回されるのか?その答えは、自分の命の運び方、つまりは「運命の操縦の仕方」を知らないから。叶わぬ片思いへの執着、恋人への依存、失恋への未練、パートナーの裏切りに対する嫉妬と怒り――。2600年前のブッダの教えで、人生を翻弄する愚かの恋の沼から抜け出す方法を説く新感覚の恋愛攻略本がついに誕生!
■著者情報
大愚元勝
佛心宗大叢山福厳寺住職。慈光マネジメント代表取締役。慈光グループ会長。佛心僧学院学長。僧名「大愚」は、大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。 駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。 僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。
YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」
取材・文/坂本実紀