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「アイドルとは今でも憧れ」でんぱ組.inc古川未鈴&相澤梨紗、独占ラストインタビュー

2025.01.05

 2009年に結成されたでんぱ組.incは、2025年1月4日、5日に千葉・幕張メッセ イベントホールで行なわれるライブ公演 『でんぱ組.inc THE ENDING「宇宙を救うのはきっと、でんぱ組.inc!」』をもって活動を終了する。

彼女たちのエンディングを前に、古川未鈴、相澤梨紗の二人がその胸中を語ってくれた。1時間弱、本誌DIMEだけに語ってくれたインタビューの全文を公開する。

16年、ファンと共に歩んだアイドルの 〝エンディング 〟に、二人は何を思うのか――。

※本インタビューは2024年9月3日に行われたものです

2024年の主役を数字で振り返る!DIME最新号の特集は日本を元気にしてくれた「大谷SHO費」超研究!でんぱ組.incラストインタビューも!

ワールドシリーズ制覇に2年連続のMVPと、まさに今年の主役という大活躍を見せた大谷翔平選手。その活躍は野球界だけでなく、経済やメディアなどにも大きく影響を与えま...

エンディングに対する想いは?

 ――2025 年頭にでんぱ組.incとしてのエンディングを迎えるという発表されましたけれども、これについて改めてお二人の口から、今の気持ちを聞かせてください

古川:そうですね……。

相澤:なんか終わるんだなあって思った。

結構、でんぱ組.incって「あ、なんかこういうエンディングだったのか」っていうのはなんか……始めた時からでんぱ組.incがどういう風になっていくのかっていう終わりを考えずに始めちゃったので。

だから、その、終わり方を考えるっていうのが難しかった。というか、私はあんまりイメージがなくて。

で、本当にいろんな歴史、15 年とか 16 年近くになると思うんですけど、やってきた中で、今、これが今のでんぱ組.incにとって一番いい素敵な物語なのかな?っていうのを納得できて、全員が納得したから、まあ、納得っていうのもあれかもしれないけど、全員のね、本当に100% のこと聞けてるからわかんないんですけど……。

今、じゃあこうしようっていう答えがひとつ一致したっていうのは、なんか結構、久しぶりにそういう意見の一致、グループの意見の一致っていうのはあったんじゃないかなって思いますね。

 ――ありがとうございます。(古川さんは)どうですか?

古川:ほんと 16 年ぐらいやってきて、ファンの皆さんも口をそろえて言ってくれるんですけども「本当に永遠に続くものだと思ってた」っていう声をすごい言ってくれて。

私もなんかあんまりでんぱ組.incに終わりがあるなんて、なんかあんま想像したことなかったんで……いざ、こうやってエンディングを迎えますと発表した時に、なんか、まだやっぱり実感がなかったんだけど、時が進んでいくにつれて、だんだんもうすぐなんだなっていうのを今実感してて……。

今ずっとでんぱ組.incしかやってこなかったから終わってしまったらどうなるんだろう?っていう不安もあるけれど、でも、アニメとかでもエンディングがかっこいいエンディングだとめっちゃいい作品になったりするじゃないですか?

なんか今、でんぱ組.incが全力で頑張るところは、そのエンディングをいかにかっこよく、楽しく迎えられるところかなって思ってるので、ちょっと寂しさもありつつだけど、前向きな気持ちもあるというか「めっちゃいいエンディングにしてやろうぜ!」みたいな。

相澤:なんかやることがね、ひとつ決まってはっきりしてるから、なんか最初の武道館を目指そうみたいな時の感覚で、このエンディングを目指そうみたいな。ちょっとそういうまとまり感があるのかなとは思いますね。

エンディングを迎えてどんな感情?

 ――解散だったり活動停止だったりではなくてエンディングっていう言い回しを使ってる理由はあるのでしょうか?

古川:これもみんなで考えだね。

相澤:ね。なんかその解散とか、そういう風な形の発表したくないねって。

なんか良い言葉はないかな、いい言葉があったらいいのにねっていう話し合いをしている中でふっと出た言葉だったね。エンディングって。

「それいいね」「でんぱ組.incぽいね」ってみんなが「確かに」「確かに」って。もしかしたらぱっと見、わかりにくい人もいるかもしれないけど、でも、自分たちらしく、自分たちが飲み込める言葉がエンディングならそれにしようっていうことで決まりました。

 ――エンディングを迎えるにあたって、お二人どういった感情を感じているのでしょうか?

古川:なんか難しいよね。なんか、本当にぜーんぶ、夢が叶ったとか、目標が叶ったかって言われたら、まだまだやりたいことめっちゃいっぱいあったし、もっとテレビにも出たかったし、もっともっといろんなでかいところでライブもしたかったし。

やりたかったこともあるけれども、16年、私なりに全力ででんぱ組.incやってきたなっていう思いもあったりはするので、だからこそ、まあちょっと前向きにはなれてるのかなっていう気はします。

相澤:そうね……やっぱり、でも、不安がないって言ったら全然そんなことはなくて。

やっぱりこの 16 年とかをでんぱ組.inc、私はでんぱ組.incが初めてのアイドルで、でんぱ組.incが終わったら、次に何かアイドルやるかっていうと、多分、でんぱ組.inc以上のアイドルって自分の中でもう見つけられないと思うので、多分、ここでアイドルっていう職業はもう終わりだなって思ってやってたんですけど。

ん~、始めた頃はそんな風にも思ってないで始めてるから次、どうしようみたいな。宇宙にふわって何もなく出るって感覚もありつつも、でも、でんぱ組.incを始めた時もそんな感じだったなっていうのはすごいあるので。

なんか、全然、明確な何か答えがあるとか、目標をすごい立ててるとかではなくて、今を頑張ったら多分、次もきっと自然と見えてくるのかなっていう、なんかふわっとした期待みたいなのがあるので、それがなんか明るいというか前向きにつながっているというか。

多分、それを思えるのって、みりんちゃんと一緒で、今日まで、でんぱ組.incをめっちゃ頑張ってきて、自分がやりたいこと、自分が言ったことは曲げずにやってきたじゃん?

古川:うんうん。

相澤:なんかそこの自信じゃないけど、そういうことは自分でもできるんだろうなっていう、なんとなくの自信がちょっとついたからなんだろうなと思ってます。

アイドルとして達成できたことは?

 ――アイドルとして掲げていた目標の中で達成できたことを教えてください

相澤:本当に最初からは武道館は(目標として)立ててなかったよね?

古川:うん。

相澤:というのも、でんぱ組.incのスタートが、みりんちゃんがグループアイドルをやりたいっていうことで、じゃあディアステージの中の女の子たちで何かプロジェクトを立ち上げようねっていうふわっとしたところに、別の方角で、ゲームとかアニメの曲が歌えるゲームソングが歌えるよって言われて、美少女ゲームの歌を歌いたい!みたいなオタクだったんで、それで飛び込んだら、その、アイドルだったんですね、3 次元のアイドルグループで。

ていうので、だんだんこう混じってって(グループができたので)。なので最初は本当にみんながアイドルとして何か目標を達成しようっていうことを掲げて作ったチームじゃなかったんですよ。

で、始めた頃ってメンバーよりもお客さんの方が少なかったりとか、本当にそういうライブをやったり、衣装代がないからみりんちゃんがセールで見つけてきた700円のワンピース着てライブしたり。

古川:(笑)。でも、そのあまりにも既製品だとあれだからって、りさちゃんがボタンだけ付け替えてくれて、ちょっと衣装感を増してくれたりもしましたね、最初は。

相澤:そうやって本当に手作りでやってきたから、そういう手作りチームが武道館に立てるっていうこと自体、アイドルが武道館でライブできるんだってこともちょっとわかってない感じで私はやっちゃってて。

みりんちゃんとかは、元々ハロプロさんが好きとか、アイドルになりたいって目標があったから、ちょっと私とは出だしの目標もちょっと違ったのかなと思うんですけど。

古川:そうですね。私はもう絶対に売れないと死ぬという気持ちでやってきたので、絶対に売れてやるという、もう、その魂だけでやってきました。

だからその武道館の目標も掲げた時も、もちろん武道館ってやっぱりすごいたくさんの人が来てくれないと埋まらないし、なかなか誰でも立ってるようなステージじゃないから不安もあったけれども、絶対にこの武道館は成功しないと売れないみたいな気持ちがあったから、常日頃から崖っぷちな気持ちというか、実態にこのみんなで売れてやりたいなという気持ちでやってました。

だから、そのりさちゃんとかはもともとアイドルを目指していたタイプの子ではなかった。半ば騙し……。

相澤:そうですね。軽い騙し討ちで。

古川:(笑)。

相澤:「あれ、アイドルですか?お歌、歌ったことないですよ?」みたいな。本当に大丈夫なのかなっていう気持ちでやってました。

古川:結構、そういう子たちが多かったんで、もう本当にバラバラの方向を向いてたでんぱ組.incなんですけれども、それがなんか、一人一人のパワーが強くて、集まった時に強大な力になるなと思ってて、そこが私はでんぱ組.incのいいところだなっていうのも思ってたんで、これはこれで悪くないぞという気持ちはありました。

2人にとって売れるの基準は?

 ――売れないと死ぬっておっしゃいましたけど、売れるというのはどういう基準だったのでしょうか

古川:私の中ではもう毎日テレビで見かけるような、私の大好きなハロプロさんであったりとか、本当に国民知名度100% いくような、本当にそういう人に私はなりたくてやってました。

なので、そういう人になれたかと言われたらちょっと怪しいかなっていうのはあるんですけれども、でも今、思い返してみたら、なんか、こう、でんぱ組.incになれてよかったなというか、私はこれしかできなかったなっていうのはあるのでやれてよかったなという気持ちがあります。

相澤:途中でみんな気づいたんだよね。

バラバラだったんですけど、私たちでんぱ組.incじゃないと色々できないな、みたいな。でんぱ組.incだからこれできてるなとか、でんぱ組.incだったからこれをやってみようかなと思えたなっていうのに、それぞれがいろんなタイミングで、それは多分バラバラだと思うんですけど、なんか気づいていって。

じゃあ、このでんぱ組.incで何かしないと自分たちは何も成し得ない子たちで死んでしまうっていうのに気づいてから、多分、こうなっていけたのかなって。

本当にそれは強制されたとかじゃなくて、自然発生で起きたことだったので、奇跡に近いというか、途中でそれに誰かが気づけなかったら、多分、今の形ででんぱ組.incは残っていなかったかもなってのがすごいありますね。

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