瞬間移動するかのような路上ワープを味わえる?
パワーユニットは、V8、4.0Lのガソリンツインターボ。「ペルフォマンテ」用はこれまでより16PSも向上し、666PS、トルクは850Nm。8速ATが組み合わされている。さらにフロントデフ、センタートルセンデフ、リアアクティブトルクベクタリングデフを搭載している。車両重量はノーマルより47kg軽量化され、2150kgとなっている。この種のスーパーSUVとしてはかなり軽い。
当然、動力性能も公表値で、最高速度306km/h、0→100km/hの加速が3.3秒、0→200km/hの加速が11.5秒だ。この性能の一端でも味わえればラッキー、ということで、試乗を開始した。試乗したのは左ハンドル車。コックピットに座り、センターコンソールの赤枠カバーをハネ上げ、スターターボタンを押すことから儀式が始まる。スターターの左右にもレバーがある。左側は「ANIMA」ドライブモードスイッチ。右側は4WDのコントロールだ。
「STRADA」を選択し、スタートする。V8、4.0Lのツインターボは3000回転あたりから排気音の音色を変え、快音を放ち始める。同時にアクセルレスポンスも鋭くなる。アクセルを踏み込むと5000回転あたりから排気音のボリュームもアップし始める。
1速40、2速60、3速110。もう高速走行での法的限界だ。試しに全開で0→100km/hの加速を計測したら、6700回転の爆音の中、4秒台前半で軽く走り切った。テストコースでの3秒台は出なかったが、十分迫力を感じた瞬間だった。
一方で、このV8、4.0Lツインターボはジェントルに走らせることもできる。街中では、60km/h、7速、1100回転で流すことができた。100km/hの巡航は、8速1400回転、7速1700回転、6速2100回転、5速2600回転なので、8速のまま、ゆっくりアクセルを踏めば、たちまち並走するクルマは後方になるし、一気に5速まで落とせば、爆音と共に瞬間移動するかのように路上ワープを味わえる。
強力なのは、加速だけでなく、減速、停止のストッピングパワーもそうだ。フロント、リアともにカーボンセラミックディスク。フロントはアルミ製物ブロックキャリパー10ピストン、リアは電動パーキング内蔵の鋳鉄製フローティングキャリパー。ディスクはフロント440×40mm、リアは370mm×30mmの組み合わせだ。
6000回転以上の爆音、爆走と、1400回転のジェントルな走り。まるでジキルとハイドのようなクルマは約3500万円で手に入る。
■関連情報
https://www.lamborghini.com/jp-en/%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/urus/urus-performante
文/石川真禧照 撮影/萩原文博