電動化してもV12エンジンを堪能できるスーパーカー
電気残量が20%になると、突然、V12エンジンが目覚めた。背中で聞こえるいつものサウンドだ。新開発されてもランボルギーニのV12エンジンの豪快なサウンドは変わらない。ここからはいつもの世界+モーターの300PSに近いパワーも加わっての走りだ。とくに低回転域でのトルクの太さは、7速60km/hを1500回転で走行できるほど。1500回転でもアクセルレスポンスは結構、俊敏だ。エキゾーストサウンドも勇ましい。そのサウンドがさらにフォルテになるのは3500回転を超えてから。
もうEVモードで走行していたことなんか忘れ、ひたすらV12のサウンドと加速に酔う。やや重めのハンドルを操りながら、ワインディングに向かう。リチウムイオン電池は、センタートンネルの中に格納されているので、クルマの中心部に重量物を搭載していることになる。その低重心の安定感と、新しいプラットフォームの剛性の高さは「レヴエルト」をさらにコーナリングマシンに仕立てている。
8速ATはモードによって、スポーティな変速を楽しませてくれる。一度、0→100km/h加速の計測を試みたが、タイムはメーカー公表値の2.5秒には及ばなかったものの、それでもV12エンジンは9000回転まできれいに回り、3秒台を出した。音と加速Gの凄さは一瞬で体感することができた。
ランボルギーニ初のプラグイン・ハイブリッドは、EV走行中心で街中や住宅地を10km近くも走り回ることができ、充電量が不足したら、走りながらでも5~6分で、再びEV走行ができる実用性の高いスーパー・プラグイン・ハイブリッドモデルだった。「レヴエルト」のベース車両価格は約6000万円。すでに2026年分まで完売しているという。
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https://www.lamborghini.com/jp-en/%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB
文/石川真禧照 撮影/萩原文博