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費用は?乗り心地は?愛猫の反応は?「ペットタクシー」を使って400kmを大移動してみた

2025.01.06

2024年も終わりに近づこうとしていた頃、諸事情により人嫌いで人見知りでキャリーバッグが大嫌いな愛猫と東京から山形まで移動せざるを得なくなった。

細かい理由については割愛するが、愛猫との住まいを変えなければならなくなった。大移動という試練とともに。

ペットタクシーという選択肢

必死に策を練った。

ペットによっては新幹線での移動も可能だが、買ったばかりの頑丈なキャリーバッグに軽く入ってもらったところ、家中を走り回るほど彼女は拒みケースを破壊した。このままでは電車も新幹線も安心して乗せられない。周囲の目が気になって仕方ない。

ならば、思い切って普通のタクシーで行ってみてはどうだろう? 一般的なタクシーも「愛玩用の小動物」は乗車可らしい。

一旦、タクシー料金シミュレーションで料金検索してみたが、16万円以上かかるらしい。

無理だ。タクシードライバーにも申し訳ない。

もはや、ペーパードライバーの自分が運転して400kmを往復するしかないのか?

そう思いながらあらゆるワードで検索していると、『ペットタクシー』という単語が飛び込んできた。

キャリーバッグなどに入らない中型犬や大型犬の場合でもペットタクシーは利用可能なことが多く、なによりペットタクシーと名乗っているだけにペットを運ぶ専用のタクシーであることは間違いない。

ある意味、遠慮することなく愛猫と一緒に乗り込み、移動できる点が自分にとっては好都合だった。

早速申し込んだ。自宅から近く、一番に目についたのが「東葛ペットタクシー」。

10万件以上の送迎実績を持ち、業界内最大規模のペット専用送迎タクシー会社らしい。

初めてのペットタクシー、初めての猫との大移動。不安9割9分。一体どうなってしまうのか?そして、いくらかかるのか?

ここから、愛猫と400kmのタクシーの旅が始まる。

【第一話 申し込みメールで伝わる優しさ】

出発日を11月某日に決めた上で、公式サイトからメールで申し込むことに。ペットの種類、乗車希望日時、乗車場所等を伝える。

レスポンスが早く、文面も丁寧でPC画面から動物好きということさえ漂ってくる。信用度が上がる。こういう些細なことが初体験の不安を取り除いてくれる。フィーリングが合うというかなんというか。

その後、直接電話をいただき細かい確認事を済ませ、その日を待つことに。

なぜかソワソワしながら、破壊されたキャリーバッグを仕舞い、押入れから愛猫も親しんだ古いバッグを取り出し、心を整えた。

【第二話 あばれる出発】

約束の日。指定した午前11時、その10分前にマンション沿いの道路を見ると、すでにそれらしき車両があった。

一旦、部屋を出て、「東葛ペットタクシー」とボディに記載された軽ワゴンに近づき、挨拶を交わす。車から出てきた大柄な男性(Mさん)にこれから猫を連れてくる事を告げる。

ちなみに今回、猫と共に多少の荷物も一緒に運んでくれるということで、事前に段ボール3箱に自分の衣類や必要な品々を詰め込んでおいた。

ドライバーMさん「じゃあ、自分は荷物を運びましょうか。その間に猫ちゃんを連れてきてもらえれば」

そう言ったMさんと一緒に部屋に戻ると、いつもの愛猫パニック大運動会が始まった。

愛猫は飼い主以外の人間が部屋に近づいてくるだけで身構え、ドアを開けるや否や部屋中を駆け回り、恐怖に怯えながら見えない場所に身を潜める習性がある。

覚悟はしていたが、今日だけは勘弁してほしい。そう願っていたが思い通りにはならない。

とりあえず、用意しておいた荷物のダンボールをMさんに渡し、玄関のドアを閉めた。

ここからが大仕事だった。

室内を見渡すと、どこにも猫の気配がない。完全に心を閉ざし、誰にも見つからない場所に身を潜めていることが明らかだった。

押入れの中を探し、トイレや洗面所、洗濯機の裏も捜索。

数分の猫探しを続けたところ、彼女はカーテンの裏で小さくなって怯えていた。

だいじょうぶ、だいじょうぶだから。

猫には伝わらないその言葉。もはや自分の心を落ち着かせるかのように声に出す。

無力なやさしさだけではどうしようもないと感じ、最強兵器おとも言える「ちゅ~る」を片手にゆっくりと近づくと、彼女はクンクンと興味を示した。ゆっくりと体を撫でながら、口元に運ぶ。数秒を経て、恐る恐るペロペロと舐め始めた。無敵のご馳走に舌つづみを打ってもらい、ようやく落ち着きを取り戻す。やさしく、下から体を持ち上げ、すかさずキャリーの中へ。

よかった。なんとか第一関門を突破。しかし、本番はここから。

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