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今年、食品スーパーで最も売り上げを伸ばした商品は?

2024.12.29

読売広告社は、同社の子会社であるショッパーインサイトが保有する食品購買状況を買物客単位で分析可能な日本最大級の食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM(※1)」を活用。食品スーパーにおいて2024年(データ期間は2024年1月から11月)に売上が伸びた売れ筋商品の分析を行なった。

本稿では同社が発表した年代別のランキング(※2)を元に、その概要をお伝えする。

2024年売上が伸びた売れ筋商品 TOP20

■2024年に最も売り上げが伸びたのは「うるち米」

<令和の米騒動が話題となったコメ「うるち米」がどの年代も堂々の1位>

全世代において1位にランクインしたのは「うるち米」だった。コメが品薄になった今夏は「カップライス」「パックご飯」「おかゆ」などのコメ関連商品のトレンド指数が伸びたという結果(※3)もあったが、2024年全体でみると、「うるち米」だけでなく「米飯レトルト」も上位に入っている。

年代別では、特に10-30代が6位、40-50代も10位となっており、需要の高さが推察できる結果となった。

■「乳酸菌飲料」「キウイフルーツ」「ミネラルウォーター」も売れ筋に

<「乳酸菌飲料」「キウイフルーツ」は全ての年代で上位に。「ミネラルウォーター」の需要にも注目>

どの年代も3位以内にランクインしているのが、「機能性表示食品 乳酸菌飲料6本パック」だった。コロナ禍以降の個人での免疫対策や健康意識の高まりが、一時的なものから習慣化する傾向にあるため、複数本のパックを購入しているのではないかと考えられる。

「キウイフルーツ」も、どの年代でも上位に入っている。この10年間での1世帯当たりの支出金額が「生鮮果物」1.06倍に対して「キウイフルーツ」は1.7倍になっており(家計調査※4より)、消費額は年々増加している。

近年は栄養価の高さも注目されており、「キウイフルーツ」は今後も注目の果物といえそうだ。

「ミネラルウォーター」は、10-30代・40-50代ではトップ10にランクインしている。この背景には、他の飲料よりも低価格な商品が多く常用しやすい商品であるほか、猛暑の影響や熱中症などの予防に水分補給が欠かせなくなっていること、防災備蓄品としての需要、また健康や美容効果への期待など、様々な要因が考えられる。

■環境の変化や物価高の影響により「生さんま」や「玉葱」がランクイン

<家計にやさしい魚や、安定した価格を保った「玉葱」が全世代に選ばれた>

魚類をみてみると、「生さんま」は60-70代では8位、40-50代では9位、10-30代では20位となっている。近年は不漁などにより価格が高騰していたが、今年は豊漁だったといわれており、売れ行きも好調だったと推測される。

また、10-30代は、「塩さば」が10位となっている。40-50代では「塩さけ」が15位、60-70代では16位に位置しているが、両年代ともに「塩さば」はランク外となっており、10-30代と上の年代との食の嗜好性の違いを感じる結果となっている。

さらに、生鮮食品の卸売価格推移をみてみると、生鮮野菜の中では「玉葱」の価格が年間を通して安定している。「玉葱」は、売れ筋ランキングでは全世代3位以内にランクインしており、2024年は比較的安定した価格を保っていたことが高順位の大きな要因と考えられる。

2024年は夏の猛暑や異常気象などが生産・出荷量に影響を与えたほか、輸送費や人件費の上昇などから野菜の価格が高騰する傾向にあった。

※1 real shopper SM:食品スーパーのID-POSデータをもとに生鮮総菜を含めた全ての食品購買状況を全国規模の買物客単位で分析できるデータベース。
※2 売れ筋ランキング:集計期間の総購入額の前年比伸長率に与えた影響度の大きさを基準としたもの(寄与度)で、ナショナルブランドは単品別、それ以外の商品はカテゴリ別に集計。期間中新商品、廃盤商品は除く。
※3YOMIKO、大規模な購買履歴データから今夏のコメ関連商品等における購買実態を分析(2024年10月24日発表)
※4 総務省統計局 家計調査 <品目分類>1世帯当たり品目別支出金額(総世帯)より

調査概要
集計期間/2024年1月~2024年11月 および前年同期間
エリア/日本全国  
対象カテゴリ/食品全体  
利用データ/real shopper SMデータ

関連情報
https://www.yomiko.co.jp/

構成/清水眞希

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