2024年は経済ニュースのトップを飾る機会も多かった〝日経平均〟。実際、この1年を振り返ってみると、2月22日の終値が3万9098円68銭を付け、バブル期の史上最高値(3万8915円87銭)を34年ぶりに更新。そして7月11日には4万2224円02銭と、史上最高値も更新した。
一方、8月5日には3万1458円42銭と暴落。前日からの下落幅4451円と、こちらも過去最高を記録した。
そんなジェットコースターのような動きを見せた日本株の2025年予測に関するリポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩 氏から届いているので概要をお伝えする。
2024年の日経平均は2ケタ上昇も年後半は企業業績、企業改革、賃金に勢いの欠ける結果に
2024年の日経平均株価は、昨年末から昨日まで16.7%上昇、東証株価指数(TOPIX)は15.2%上昇した。
日経平均は7月の取引時間中に一時4万2400円台、TOPXは2940ポイント台をつけたものの、いずれも8月上旬にかけて急落。持ち直した後も足元までレンジ相場が続いている。
2024年は「企業業績」、「企業改革」、「賃金」に注目していたが、年後半はやや勢いに欠け、株価の押し上げにはつながらなかったように思われる。
企業業績に関し、主要企業自身は今年度の純利益について、前年度比若干の減益になるとの慎重な見方を維持している。企業改革では、資本コストや株価を意識した経営の取り組みと開示は広がっているが、投資家目線とギャップのある事例が目立つ。
また、2024年の平均賃上げ率は5.1%と高い伸びになったが、実質賃金(毎月勤労統計調査)が前年同月比でプラスとなったのは、1月から10月までの間で6月と7月だけだった。
■主要企業は増収増益が続き賃上げ継続を予想、米関税引き上げに対して過度な懸念は不要
2025年も引き続き企業業績、企業改革、賃金は日本株を見通す上で重要な要素と考えている。三井住友DSアセットマネジメントでは、調査対象とする主要企業(金融とソフトバンクグループを除く397社)について、2024年度、2025年度とも増収増益を見込んでおり、2025年度の純利益は8.7%増を予想している。
また、2025年の平均賃上げ率は引き続き5.1%程度を想定しており、実質賃金の前年同月比は、物価の落ち着きで年後半にはプラスが定着するとみている。
なお、東京証券取引所は、資本コストや株価を意識した経営の取り組みと開示について、投資家の視点を踏まえた好事例(プライム市場で42社)を紹介している。企業が好事例を参照することで、開示内容と投資家目線とのギャップは徐々に縮小していくと思われる。
このほか、日本株を取り巻く日米マクロ環境などのポイントを図表1にまとめたが、次期トランプ政権の関税引き上げ策に、過度な悲観は不要と考えている。
■日経平均は来年末4万5400円へ、強めの予想だが長期上昇トレンド上抜けで上昇余地は拡大
弊社のマクロ経済分析に基づくトップダウン・アプローチを用いた場合、2025年12月末のTOPIXの12か月先予想1株あたり利益(EPS)は224.3ポイント、株価収益率(PER)は14.2倍台と想定されるため、TOPIXは両者を掛け合わせた3190ポイントとなる。
また、日経平均をTOPIXで割って算出するNT倍率の直近値を参考に、14.2倍台で計算すると、日経平均は4万5400円だ。
やや強めの予想ではあるが、すでに日経平均はここ12年ほど続いている長期上昇トレンドの上値抵抗線を大きく上抜けており(図表2)、上昇余地は拡大しつつあると考える。
仮に大きな調整が発生しても、上値抵抗線のサポートが期待され(2025年前半は3万7000円前後、後半は3万8000円前後)、下抜けても下値支持線で下げ止まれば(2025年前半は3万円台後半近辺、後半は3万1000円台半ば近辺)、長期上昇トレンドは継続と判断される。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
構成/清水眞希