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あなたの職場にもいる「教えたがりおじさん」の特徴と対処法

2025.01.05

職場でよく見かける「教えたがりおじさん」について、その特徴と心理を解説し、上手な対処法を紹介します。相手のアドバイスに振り回されずに、スムーズなコミュニケーションを保つための実践的な方法を学びましょう。

職場に一人はいる教えたがりおじさん。聞いてもいないのに、アドバイスを押し付けてくる人のことです。「そんなこと、わざわざ説明されなくても分かるのに……」と思った経験がある方も多いのではないでしょうか?

特に女性が相手の場合、男性が上から目線で説明をする「マンスプレイニング(mansplaining)」に当てはまることもあります。

こうした言動は、相手のやる気を削いだり、スムーズなやり取りを妨げる原因にもなりがちです。この記事では、教えたがりおじさんの特徴や心理を解説し、上手に対応する方法をご紹介します。

教えたがりおじさんの特徴と心理

まずは、教えたがりおじさんの特徴や、その背後にある心理について見ていきましょう。

(1)求めていないのにアドバイスをしてくる

「それはね…」「こうした方がいいんだよ」と、こちらが聞いていなくてもアドバイスをしてくるのが典型的な特徴です。本人の善意からの場合もありますが、「君はこんなことも知らないのかい?」という態度で話してくることも。こうした態度は「マンスプレイニング」と呼ばれ、特に女性相手に上から目線で知識をひけらかす行動を指します。

(2)話が長い

教えたがりおじさんは、話がとにかく長くなりがちです。自分の経験談や考えを細かく説明しようとするあまり、要点がぼやけてしまうことも。周囲は「早く本題に入ってほしい」と思っていることに気づかないのが難点です。

自分が話している内容がどれだけ相手に響いているかを確認しないため、相手はただ頷くだけで終わってしまうことも少なくありません。

(3)相手の気持ちを考えない

自分の意見を伝えたいあまり、相手に相槌を打つ隙を与えないことも。こうした一方的な話し方は、相手の話を軽視していると受け取られる場合があります。自分の言いたいことが優先され、相手の気持ちに配慮が回らないことが多いです。こうした対応が続くと、相手はもう話したくないと感じるようになってしまうのです。

(4)専門外の話題にも首を突っ込む

詳しくない分野の話でも「こうしたほうがいいよ」と意見を言うのも教えたがりおじさんの特徴です。特に女性が専門分野について話しているときに、自分の知識をひけらかそうとする場合は、マンスプレイニングの一例といえます。

なぜ「教えたがり」になるの?

教えたがりおじさんの行動には、いくつかの心理的な背景があります。その理由を解説します。

(1)承認欲求が強い

「知識がある」「頼りになる」と周囲に思われたい気持ちが強いのが特徴です。自分の存在感を示す手段として、教えるという行為を選んでいるのです。他人からの評価を気にするタイプは、承認欲求が行動の根底にある場合が多く、これが「教えたがり」という行動につながります。

(2)自分が正しいと思い込んでいる

教えたがりおじさんは、良かれと思ってアドバイスをすることが多いです。しかし、自分の考え方が正しいと思い込んでいるため、相手の気持ちや状況まで考えが及ばないことがよくあります。

(3)人の上に立ちたいという欲求

特に、マンスプレイニングに該当するケースでは「相手よりも上の立場に立ちたい」という欲求が強いことがあります。マンスプレイニングする男性には、「女性は知らないことが多い」といった意識が残っており、知識をひけらかして自分の優位性を示そうとするのです。

教えたがりおじさんへの上手な対処法

教えたがりおじさんの言動に振り回されずに上手に対応するにはどうしたらいいでしょうか。実践しやすい3つの対処法をご紹介します。

(1)聞き流す

目上の相手であれば、「そうなんですね」「詳しいですね」と適当に相槌を打ちつつ、聞き流すのも一つの方法です。アドバイスされたときには「ご意見ありがとうございます」と一旦受け入れ、その場をさりげなく離れるのがおすすめです。

(2)聞きたいことを具体的に指定する

「話が長い」「要点が分からない」といった教えたがりおじさんに対しては、「ここまでは理解しているので、この部分を教えてください」と、ピンポイントで質問を投げかけてみましょう。事前に自分が知りたいことを整理しておけば、長話を回避できます。

(3)適度に切り上げる

話が長引いて困った場合は、「お話ありがとうございます。今ちょっと用があるので失礼します」「これを踏まえて進めてみます」と感謝の言葉を添えてスパッと終わらせましょう。罪悪感を持たずに、軽やかに切り上げるのがポイントです。

もしかして自分も?「教えたがり」にならないために

ここまで読んで、「自分も教えたがりかも?」と感じた方は、日頃の言動を見直してみましょう。特に以下の点を意識してみてください。

(1)相手の話を最後まで聞く

話の途中で口を挟まず、最後までしっかり聞くことを心掛けましょう。途中で自分の意見を言いたくなる場面があっても、まずは相手が何を伝えたいのかを理解することを優先してみてください。

(2)アドバイスは求められたときだけ

アドバイスをする前に、アドバイスが必要かどうかを確認してみましょう。「何か助けが必要なら言ってくださいね」と一言添えるだけでも、相手の意思を尊重していることが伝わります。

(3)短く話す練習をする

話が長いと相手に負担をかけてしまいます。自分の話が長くなりがちな人は、「結論を先に話す」「相手の反応を見ながら話すペースを調整する」ことを意識してコンパクトにまとめる練習をしてみましょう。

お互いを尊重する職場環境を作るために

教えたがりおじさんの心理を理解し、適切に対応することで、職場で感じるストレスがかなり和らぐはずです。また、自分自身が教えたがりにならないように気を付けることで、周囲との関係もより良いものになるでしょう。職場では、性別にかかわらず、お互いを尊重し合える温かい関係性を築いていきたいですね。

文/高見 綾
心理カウンセラー|“質上げ女子”のお悩み相談。カウンセラー養成コースで豊富な臨床経験を積み、心の世界で学んだことを現実に活かすアプローチに高い評価をいただく。相談数4千超。著書は『ゆずらない力』(すばる舎)。

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