2025年は「昭和100年」であることをご存知だろうか。
何を今更「昭和」なんて、と思うかもしれない。それもそのはず、昭和とは1926年12月25日から1989年1月7日までの期間で、昭和という時代が終わってから既に30年以上が経過している。
さらには、次の平成さえも今になってみれば一瞬で幕を閉じたような印象さえある。
「昭和100年問題」とは?
ただ、昭和100年にあたる2025年は「昭和100年問題」と数年前から語られており、想像しがたいトラブルや混乱が待ち受けているのだという。
具体的に言うと、企業や自治体などのコンピューターにおける大規模なシステム障害だ。
かつて世界中で話題になった「2000年問題」。あれは当時、西暦の下2桁のみで処理していたコンピューターが多かったため、1999年から2000年に切り替わるタイミングで誤作動を起こす可能性があると言われていた。
当時は企業やマスコミが声高に喧伝していたものの、ソフトやOSのバージョンUPなど事前の対策が行き届いていたのか、重大事故が発生することはなかった。
ならば今回も大丈夫だろう、そう思う方も多いはず。しかし、先の問題とは少々違うらしい。
というのも、元号を使用している日本固有の問題のため、認知が行き届かず対応が遅れているかもしれないというのだ。
西暦ではなく、元号による年表記のシステムでは数字2桁固定で処理しているものもあるため、仕様を変えることなく使い続けていると昭和100年にあたる2025年に入った際に「100」を処理できず、エラーが起きてしまう恐れも。
専門家は「ほとんどの組織では平成から令和に改元した時点でシステムを見直してるはず。大した問題にならない」と話しているが、「昭和100年」への改修は膨大な時間と費用が必要。「今日の一針 明日の十針」のごとく、あの時すぐに対応しておけば問題にならなかったものの、先延ばししてしまったために余計な負担を負うことになるかもしれない…。
「2025年の崖」という問題も
これは、経済産業省が「DXレポート」で指摘した問題で、国内企業が抱える旧来の基幹系システム(レガシーシステム)の問題と、それらのシステムを知る人材の退職・高齢化の影響によるIT人材不足だ。
老朽化したシステムは、古いハードウェアやOSにしか対応していないため、今後AIを始めとした新しい技術を使いこなせず、凄まじいスピードのビジネス展開から出遅れ、競争力の低下につながることも考えられる。
そして、2025年は団塊世代が後期高齢者となり、団塊ジュニア世代は50歳以上に。もはやレガシーシステムを知る人材が現場から消えてしまう恐れもあるのだ。
企業にとっては、古びたITシステムを更新する必要があるとともに、それを実現できるエンジニアが必要になるということ。
ところが、そんな「2025年の崖」への対応策についてこんな調査結果がある。
デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)国内シェアNo.1の「テックタッチ」を開発・提供するテックタッチ株式会社が、大企業における「2025年の崖」への対応に関する実態調査をしたところ、半数以上の大企業において、運用システムにレガシーシステムが占める割合は「50%以上」と回答。
また、約8割の企業が「2025年の崖」への対策として、レガシーシステムの刷新を進め、約6割の大企業が「既存システムから新規システムへの完全な移行」を検討しているという結果となった。
経産省が危惧する「2025年の崖」については、多くの企業がきたるべき未来に向け、対策に取り組んでいるようだ。
まとめ
2025年、新たなフェーズに突入する感は否めない。ただその先の2040年には団塊ジュニア世代が高齢者となり、日本の高齢者人口が全体の約35%を占めると予測されている。
常に、先の未来を見据えた戦略を立て、生き抜いていくための対応をすべきなのかもしれない。
参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000233.000048939.html
文/太田ポーシャ