人が担う役割の多くがAIに置き換わる新時代の夜明けが迫る。子どもの教育にどう向き合うべきか。脳研究者・池谷裕二教授、AI研究者・岩波邦明医師が登壇した日能研特別講演で、答えの一端が示された。
AIの普及で自宅学習も第4次革命のフェーズへ突入
池谷裕二さん/1970年生まれ。薬学博士。現在、東京大学薬学部教授。『夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす』で第23回 小林秀雄賞、『脳回路の機能拡張に関する探索的研究』に日本薬学会賞(ともに2024年)を受賞。2018年よりERATO脳AI融合プロジェクトの代表を務め、AIチップの脳移植による新たな知能の開拓を目指している。
岩波邦明さん/1987年生まれ。医師。現在、スタンフォード大学大学院コースでAIを専攻。東京大学医学部在学時より『岩波メソッド ゴースト暗算』などの暗算法を開発。2023年に『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』、2024年に『小学生が99×99までスイスイ暗算できる図形ドリル』を刊行。著書はシリーズ累計67万部を超えるベストセラーに。
池谷教授は〝今の小学生の65%は、現在存在しない仕事に就く〟というAI時代を予測する新聞記事を引用し、知能を成す3つの要件のひとつ‶熱意〟を教育の肝要に挙げた。
「未知の社会へ順応するための適応力が必要。適応力は熱意を源とした好奇心が育みます」(池谷)
自身の経験を踏まえ、最新の生成AIは学習に有用と話す両名。「熱中できることってすごくないですか?」との問いかけに、岩波医師は「仕事が奪われるなど後ろ向きの感情がない幼少期はAIを使う楽しさを深めるゴールデンタイム」と返答。
「見方を変えれば勉強も楽しめる。楽しむことは学びの力であり、テクニックでもある。ぜひ好奇心の芽を摘まないで欲しいですね」(池谷)
〝ノンフィクションの芥川賞〟を受賞した池谷教授の最新作
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取材・文/渡辺和博