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アンチエイジングの鬼が率いるコスメブランド「アムリターラ」に聞く、不老なオーガニックの実現度

2024.12.26

オーガニックとアンチエイジング。なんだか川の対岸にある価値観のように感じるが、実際はどうなのだろう?

ビューティーディレクター MICHIRUさんとおくる、連載「Wellbeing Beauty by MICHIRU」。今回はその真相を探るべく、オーガニックビューティーを極めた「アンチエイジングの鬼」に会いに行ってきた。

連載第三回は、化粧品からサプリメント、食品までを幅広く扱う国産オーガニックブランド「アムリターラ」代表の勝田小百合さんにお話を伺う。

左:アムリターラ代表の勝田小百合さん、右:ビューティディレクター MICHIRUさん

ナチュラル・オーガニックでアンチエイジングを目指すのは古典的に自然なこと

「アムリターラ」立ち上げ前から、幾つものオーガニック、アンチエイジング、美容、健康に関する書籍を執筆してきた勝田さん。その始まりとなったのが、19年前に立ち上げたブログ「アンチエイジングの鬼」だったという。

その時期から今まで、ほぼすべての時間をナチュラルアンチエイジングの研究に費やし、自らを実験台にして新しい製品を生み出し続けてきた。

全3編で届ける「アムリターラ」編の前編では、勝田さんのその原動力に迫っていこう。

MICHIRUさん(以下・MICHIRU):「アンチエイジングの鬼」もそうですが、一昨年に出された書籍のタイトル『FLOWで不老』も衝撃的でした。オーガニックというと優しくマイルドな言い回しを使いがちですが、このようなドキッとする言葉をオーガニックと組み合わせるのがすごいなと感銘を受けました。

勝田さん(以下・勝田):大阪生まれ、大阪育ちなんですよ。だからでしょうか(笑)。でもそのくらい強い言葉のほうが、人に気づいてもらえるのではとも考えていました。。そもそも私にとって、ナチュラル・オーガニックでアンチエイジングを叶えるというのは、全然不思議でも衝撃的でもないんです。むしろ古典的なことだと考えています。

だって昔でいう仙人や、ヒマラヤの聖者たちの食べるものはとてもピュアですよね。その頃からピュアな食べ物と不老長寿はセットなんです。ナチュラル・オーガニックは仙人への道。と、言いますか、自然治癒力が最高に高まる選択だと思っています。農薬や遺伝子組み換え、また石油由来の合成成分を使用して食品や化粧品をつくっている現代の方法のほうが、ずっと歴史が浅いのですから。

MICHIRU:「アムリターラ」というブランド名も、「不老」という意味が入っていると聞きました。

勝田:「アムリタ」はインド神話で「不老の水」とされています。「ターラ」はサンスクリット語で、「響き渡る」とか「星」という意味。造語になりますが、ブランド名にはアムリタをターラしていきたい、響き渡らせたい、という意味をこめました。私、「アンチエイジングの鬼」ですから、不老不死の霊薬に憧れているんですよね。それを見つけることを使命だと感じています。

人の体はこんなにもドラマティックなのかと知ってオーガニックの世界に没頭

MICHIRU:勝田さんがそんなにも徹底したナチュラル・オーガニック志向でアンチエイジングを目指すようになったのは、何か大きなきっかけがあったのでしょうか?

勝田:私、若い頃は劇団に入っていて女優やモデルをしていたんです。オーガニックに目覚めたのは、当時の恋人で、今の夫のほうが先でした。夫の縁でさまざまな食や農などの分野のナチュラル・オーガニックの先駆者の方々のお話を聞いたのが、今も知識や価値観のベースになっていると思います。

ただ、その時はオーガニックのものも食べるけれど、そうではないものも食べるという暮らしで。そんな中で自分も働きながら彼の仕事も手伝っているうちに、忙しさから自律神経を乱してパニック障害になってしまったんです。その時に頼ったホリスティック医療をされている病院で、その後の人生にすさまじく大きな影響を受けました。

そこは病院ではあったのですが、まるでホリスティックデパートのようでした。オーガニックの食品やフラワーエッセンスも置かれていたし、カイロプラクティックの施術も受けられて。そして何より、「病気を治すのは自分自身が持っている自然治癒力だ」ということを教えられたんです。

MICHIRU:そこから本格的にオーガニックの世界に?

勝田:はい。それまで演劇をしていましてが、人間の体のほうがもっと演劇的でドラマティックだなと感動したんです。それで演劇をスパッと辞めて、カイロプラクティックの学校に入り、人間の体を勉強して治療院で働くようになりました。

MICHIRU:オーガニックとアンチエイジングが結びついたのはいつ頃のことだったのでしょう?

勝田:20代、30代と、私は自分がエイジングしていくイメージをずっと持てなかったんですね。だけど36歳で出産して、自宅でカイロプラクティックの治療院を開業した頃、エイジングの兆しを感じ始めたんです。当時にしては高齢出産だったこともあり、若いお母さんでいなきゃという思いもありました。

ただ、すでにオーガニックなものの素晴らしさを実感しているので、ケミカルの力を借りようとはならなくて……。ナチュラル・オーガニックの力でどうにかできないかという研究が始まったのが、その頃でした。

当時、ナチュラル・オーガニックの世界に一番ないのが化粧品だった

MICHIRU:「アムリターラ」誕生前にそんなドラマがあったのですね。おそらく勝田さんは食や農からオーガニックの世界に触れたと思うのですが、なぜ化粧品をつくることを選んだのですか?

勝田:オーガニックのものの中でも化粧品が一番世の中にないと感じたからです。16年前の当時、日本には無添加コスメブランドはありましたが、オーガニックコスメブランドがまだありませんでした。輸入ブランドの中にも私が使いたいものがなかったんです。

また、治療院時代の一時期、プロデューサーとしてコスメブランドに関わっていたというのもあります。アンチエイジングを目指すならば、口から体に入れるものはもちろん、肌から体に入れるものもオーガニックのものがいい。やっぱりオーガニックの植物はパワーがありますし、残留農薬や遺伝子組み換えの心配もありませんからね。

MICHIRU:「アムリターラ」の創業時、大切にしていた想いというのは?

勝田:製品をつくるよりも前に、化粧品について「10の約束」をつくりました。たとえば合成界面活性剤は石油・植物由来問わず用いない、合成防腐剤を用いずに植物の特性や保存容器によって品質を管理するなど、ですね。むしろこの10の約束を実現したくて化粧品会社を立ち上げたといっても過言ではありません。

MICHIRU:これをずっと守り続けているのですね。そういえば、アムリターラのアロエジュースが好きでよく飲んでいるのですが、これにも酸化防止のためのビタミンCが入っていないですよね。

勝田:たいていの食品には保存料としてビタミンCとクエン酸が入っていますよね。でもビタミンCって、多くの場合、遺伝子組み換えで作られたジャガイモやとうもろこし由来なんですよ。それは使いたくないと思って、アロエと同じ沖縄のオーガニックのシークワーサーを入れることにしました。シークワーサーにはビタミンCもクエン酸も多いし、味も整えてくれる役割も果たしてくれています。

MICHIRU:そういったお話を聞くと、見落としているだけで自然の世界にちゃんと人が求めているものがあることに気付かされますね。

勝田:そうなんです! 日本中探し回って、現地にお話を聞きに行かないと見つからないですが、あるんですよ、ちゃんと!

☆ ☆ ☆

>>次回、中編では、「10の約束」を守って製造されているアムリターラのコスメについてさらに詳しく話を聞いていく。

<プロフィール>
勝田小百合(かつた・さゆり)
1968年大阪府生まれ。カイロプラクターとして骨の歪みの矯正や、食事・生活指導も行う代替医療の治療家。30代からエイジレスな生き方の研究を始め、2005年に始めた「アンチエイジングの鬼」はインナービューティーから美容を語る先駆的な目線で超人気ブログとなる。2008年、国産オーガニックコスメ&フーズブランドの草分け「アムリターラ」を創業。代表と商品開発を兼務。『アンチエイジングの鬼』『老けないオーガニック』『FLOWで不老』等著書多数。

※アムリターラにおける「オーガニック」とは、前編で紹介した「化粧品の10の約束」のほか、サプリメント、フードも自社独自に取り決めた「10の約束」と言う厳しい基準をクリアしたものを言う。(詳しくはコチラより)

MICHIRU(みちる)
メイクアップアーティスト・ビューティーディレクター/渡仏、渡米を経て、国内外のファッション誌や広告、ファッションショーやメイクアイテムのディレクション、女優やアーティストのメイクなどを数多く手がける。また体の内側からきれいになれるインナービューティを提唱するなど幅広く活躍中。本連載ではナビゲーターを務める。

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